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なぜ生コンには【せっこう】を入れるのか。

せっこう(硫化カルシウム)の化学式:CaSO4

化学式から、せっこうはカルシウムイオンと硫酸イオンが結合した、硫酸塩の一種であることが分かります。コンクリート硬化後の硫酸塩による浸食は、エトリンガイトの生成を引き起こし、生成する際に体積膨張を引き起こし、ひび割れや強度低下などの劣化原因となります。

せっこうは、コンクリートの劣化を引き起こす原因となるため、生コンの中に入っていないほうが良さそうなものですが、なぜ一般的にせっこうを入れるのでしょうか。

せっこうを入れる理由

反応がきわめて速いアルミン酸三カルシウム(C3A)の水和による瞬結を防止するため。
※ポルトランドセメントには3~4%のせっこうが含まれています。

セメントの水和反応の順序

第Ⅰ期:注水直後の急激な反応
第Ⅱ期:潜伏期
第Ⅲ期:加速期
第Ⅳ期:減速期
第Ⅴ期:反応がゆっくり進行

せっこうは、第Ⅰ期の注水直後の急激な反応による瞬結を防止するために含まれているということです。

正常な凝結

セメントは、セメントクリンカー(C3A、C3S、C2S、C4AF)の水和によって凝結→硬化という過程を経ます。

第Ⅰ期の前

セメント中に、”せっこう”が適量存在する場合、せっこう、アルミネート相(C3A)、けい酸三カルシウム(C3S)および水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の溶液が生成され、難溶性物質のエトリンガイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・31H2O)を生じます。

エトリンガイトは針状の結晶構造を成し、体積が膨張します。ここでの膨張は凝結・硬化前に起こるため、ひび割れなどの劣化現象は引き起こされません。

この反応は、C3Aの水和反応よりも速く起きる(凝結前)ため、C3Aの水和反応を抑えます。そして、せっこうが消失するまで反応は継続します。

第Ⅰ期

C3Aの水和反応が起こり、コンクリートの凝結が起こります。

第Ⅲ期以降

けい酸三カルシウム(C3S)が活発に反応し、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が生成してからけい酸カルシウム水和物(C-S-H)が生成します。

水酸化カルシウムも、けい酸カルシウム水和物もコンクリートの強度と密接に関係しています。

つぎにアルミネート相(C3A)とエトリンガイトが反応し、モノサルフェート水和物(3CaO・Al2O3・CaSO4・12H2O)の生成が始まり、エトリンガイトは減少していきます。

下に、セメントクリンカーの反応を示します。

コンクリートの水和反応(凝結→硬化)は非常に複雑です。とても興味深い分野と感じます。以上

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