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【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.7)ひび割れ

コンクリート診断士 問題と解説Vol.7

音声学習用動画のご紹介

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問31_ひび割れ】

 長期間にわたって進行することのないひび割れとして、適当なものは次のうちどれか
(1)アルカリ骨材反応によるひび割れ
(2)疲労によるひび割れ
(3)水和熱によるひび割れ
(4)乾燥収縮によるひび割れ
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正解(3)

(1)問題のとおりです。アルカリ骨材反応によるひび割れは、長期になります。アルカリ骨材反応性を調べるモルタルバー法においても養生期間を26週としています。
(2)問題のとおりです。疲労によるひび割れは、長期になります。疲労によるひび割れの例として、ひび割れ発生応力の60%程度の力を1万回受けると、ひび割れが発生します。
(3)誤りです。水和熱の発生は、注水直後から、10~12時間後にピークとなります。その後、注水直後から24時間程度で、水和熱の発生は、ほとんど無くなります。
(4)問題のとおりです。乾燥収縮によるひび割れは、長期になります。例えば、JIS A 1129によるコンクリートの乾燥収縮ひずみを確認するためには,6か月以上の長期間を要します。

【問32_ひび割れ】

 コンクリートの自己収縮に関する記述中の(A)~(C)にあてはまる次の(1)~(4)の語句の組合せのうち、適当なものはどれか
 自己収縮量には水セメント比、セメントや混和材料の種類などが影響する。水セメント比が(A)場合に自己収縮量は大きくなり、(B)含有量が多いセメントを用いると自己収縮量は小さくなる。また、比表面積の大きな高炉スラグ微粉末の混和によって自己収縮量は(C)なる。
(A) (B) (C)
(1) 大きい C3A 小さく
(2) 小さい C2S 大きく
(3) 小さい C3A 大きく
(4) 大きい C2S 小さく
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正解(2)

 コンクリートの自己収縮量は、コンクリート中のセメント量(粉体量)が多いほど大きくなります。つまり、水セメント比が小さなコンクリートほど、自己収縮量が大きなコンクリートとなります。セメント中のクリンカーで、アルミン酸三カルシウム(C3A)が最も水和による発熱が大きく、収縮量が大きいです。一方、けい酸二カルシウム(C2S)は水和による発熱は小さく、収縮量も小さいです。

【問33_ひび割れ】

 供用開始時の鉄筋コンクリート造建物のひび割れ調査結果に関する次の判断のうち、最も不適当なものはどれか
(1)地中梁に温度ひび割れが確認されたが、ひび割れの幅が0.1mm程度であったので、曲げ耐力上に問題はないと判断した。
(2)スラブ上面の沈下ひび割れの幅が最大で0.2mmであったので、ひび割れ部での中性化深さが大きくなると判断した。
(3)外壁に発生した乾燥収縮によるひび割れ幅が0.3~0.4mmの範囲であったので、防水性能は低下しないと判断した。
(4)柱に乾燥収縮によるひび割れが発生していたが、そのひび割れ幅は最大でも0.05mmであったので、鋼材腐食は発生しにくいと判断した。
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正解(3)

(1)問題のとおりです。鉄筋コンクリート造計算規準によると、建物外面では0.2~0.25mm、建物内面では0.3~0.4mm以上の幅のひび割れが、構造上有害なひび割れと言われています。
(2)問題のとおりです。スラブ上面の幅が最大で0.2mmのひび割れは、構造上有害なひび割れではありませんが、ひび割れ部の中性化深さが大きくなる可能性があります。
(3)誤りです。外壁に生じた幅0.3~0.4mmのひび割れは、断面を貫通し、防水性が低下している可能性が高いです。
(4)問題のとおりです。幅が最大でも0.05mmのひび割れは、中性化への影響は少なく、鋼材腐食は発生しにくいと判断できます。

【問34_ひび割れ】

 竣工後10年以上経過した鉄筋コンクリート造倉庫の2階床スラブについて、スパン中央部のたわみ計測したところ、許容値を大幅に超えていた。その原因として最も可能性の小さいものはどれか
(1)倉庫内が比較的高温・高湿状態に保たれているため、予想以上にコンクリートの中性化が早く、中性化深さがかぶり(かぶり厚さ)の1/2程度に達していた。
(2)設計時に想定していなかった過大な重量物を積んだフォークリフトの走行が多く、走行時の繰返し荷重により、床スラブにひび割れが多く発生した。
(3)設計時には、保管物が小ばりを含むはりにまたがって積載される計画であったが、竣工後は、重量の大きい保管物がはりにまたがらずに集中積載されている箇所があった。
(4)倉庫内が比較的高温・高湿状態に保たれているため、床スラブの上面や下面に乾燥収縮ひび割れが入り床スラブの剛性が低下した。
クリックで【問題34】の解答と解説をみる

正解(1)

(1)可能性が低いです。中性化深さが、かぶりの1/2程度では鉄筋の腐食は生じず、鉄筋コンクリート構造の性能への影響は小さいです。
(2)可能性があります。ひび割れが多く発生すると、曲げ剛性が小さくなるため、たわみが大きくなります。
(3)可能性があります。スラブに設計で想定した以上の荷重が作用すると、変形が大きくなります。
(4)可能性があります。床スラブの上面や下面に乾燥収縮によるひび割れが生じると、スラブの剛性が小さくなり、たわみが大きくなる可能性があります。

【問35_ひび割れ】

 鉄筋コンクリートのひび割れに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)鉄筋コンクリート単純はりにおいて、曲げモーメントが卓越する位置では部材軸に対してほぼ直角方向に、せん断力が卓越する位置では斜め方向にひび割れが発生する。
(2)建物の壁の開口部では、隅角部にひび割れが発生しやすい。
(3)ひび割れの発生原因は多種多様であるが、原因を検討するためには構造物の条件や立地条件などの調査が大切である。
(4)コンクリートの中に配置される鉄筋は、コンクリートの乾燥収縮に起因するひび割れの発生を防止する効果がある。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。鉄筋コンクリート単純はりにおいて、曲げモーメントが卓越する位置では部材軸に対してほぼ直角方向に、せん断力が卓越する位置では斜め方向にひび割れが発生します。
(2)問題のとおりです。建物の壁の開口部では、応力が集中する、隅角部にひび割れが発生しやすいです。
(3)問題のとおりです。ひび割れの発生原因は多種多様ですが、原因を検討するためには構造物の条件や立地条件などの調査が大切です。
(4)誤りです。鉄筋は乾燥収縮によるひび割れを制御することはできますが、発生を防止する効果はありません。
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