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【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.88)総合問題16

コンクリート診断士 問題と解説Vol.88

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問421_アルカリシリカ反応】

 アルカリシリカ反応による劣化対策に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)北陸地方で、1970年代に建設されたコンクリート構造物にアルカリシリカ反応によるひび割れが発生したため、コンクリート表面にポリウレア樹脂系被覆を施した。
(2)北陸地方で、1970年代に建設されたコンクリート構造物にアルカリシリカ反応によるひび割れが発生したため、ケイ酸ナトリウムを主成分とする含浸材による、表面への含浸を施した。
(3)北陸地方で、1970年代に建設されたコンクリート構造物にアルカリシリカ反応によるひび割れが発生したため、流電陽極方式による電気防食を施した。
(4)北陸地方で、1970年代に建設されたコンクリート構造物にアルカリシリカ反応によるひび割れが発生したため、炭酸カリウム溶液を電解液とする、再アルカリ化を施した。
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正解(1)

(1)〇:問題のとおりです。ポリウレア樹脂系被覆は、耐候性・防水性を有します。アルカリシリカ反応に対しては水分の供給を遮断する効果があるため適しています。
(2)×:誤りです。けい酸ナトリウム系含浸材は、水の侵入は防ぎますが水蒸気は通します。また、ひび割れ追従性が無いことに加え、アルカリ性を付与してしまうためアルカリ骨材反応の抑制には不適当です。
(3)×:誤りです。流電陽極方式による、電気防食は、鉄筋腐食が進行している場合に防食を目的として適用します。アルカリシリカ反応の抑制対策には不適当です。
(4)×:誤りです。再アルカリ化工法は、コンクリート表面に陽極材と電解質溶液を設置し、陽極からコンクリート中の陰極の鉄筋へ直流電流を流すことによって、アルカリ性溶液をコンクリート中に浸透させ、pHを回復させる工法です。これにより、コンクリート内部のアルカリ濃度が高くなるため、アルカリシリカ反応の抑制対策には不適当です。

【問422_アルカリシリカ反応】

 下水道のRCボックスカルバートの補修に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)RCボックスカルバート内部の頂版部と側壁において、硫酸浸食により、粗骨材が一部露出している。コンクリート中に浸透した硫酸イオンにより、エトリンガイトが生成されるとともに、コンクリート表層部が脆弱化する。
(2)硫酸イオンの侵入深さはフェノールフタレイン溶液で確認する。
(3)硫酸イオンの侵入深さを確認し、ウォータージェット工法で確実に除去した後、ポリマーセメントモルタルで断面修復を行い、エポキシ樹脂系被覆材を塗布する対策工法を採用した。
(4)硫酸浸食は、普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートでは、水セメント比が小さいほうが劣化の進行は速い。
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正解(1)

(1)×:誤りです。コンクリート中に浸透した硫酸イオンにより、二水せっこうが生成されるとともに、コンクリート表層部が脆弱化します。
(2)〇:問題のとおりです。硫酸イオンの侵入深さはフェノールフタレイン溶液で中性化した範囲を確認します。
(3)〇:問題のとおりです。硫酸イオンの侵入深さを確認し、ウォータージェット構法で確実に除去した後、ポリマーセメントモルタルで断面修復を行い、酸の侵入を抑制する、エポキシ樹脂系被覆材を塗布する対策工法を採用します。
(4)〇:問題のとおりです。普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートでは、水酸化カルシウムの供給が大きく、水セメント比が小さいコンクリートのほうが劣化の進行が速くなります。

【問423_断面補修工法】

 RC構造物の断面修復工法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)劣化因子を含む、コンクリートを残したまま断面修復を行った場合、未補修部と補修部で電位差が生じ、未補修部の鉄筋が、アノードとなる。
(2)劣化因子を含む、コンクリートを残したまま断面修復を行った場合、未補修部と補修部の境界部でマクロセル腐食が進行することがある。
(3)断面修復材として使用される、ポリマーセメントモルタルはポリマーの含有量が多くなるに伴い、モルタルの比抵抗(電気抵抗率)が大きくなるため、マクロセル腐食の抑制が期待できる。
(4)電気防食工法の、実施を計画した断面補修では、比抵抗が大きい材料を選定することが望ましい。
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正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。劣化因子を含む、コンクリートを残したまま断面修復を行った場合、未補修部と補修部で電位差が生じ、未補修部の鉄筋はpHが相対的に小さく、アノードとなります。
(2)〇:問題のとおりです。劣化因子を含む、コンクリートを残したまま断面修復を行った場合、未補修部と補修部の境界部でマクロセル腐食が進行することがあります。マクロセル腐食は局所的に腐食が進行し、その速度も速くなると考えられています。鉄筋表面全体で均一に腐食が進行するミクロセル腐食と異なります。
(3)〇:問題のとおりです。断面修復材として使用される、ポリマーセメントモルタルは、ポリマーの含有量が多くなるに伴い、モルタルの比抵抗(電気抵抗率)が大きくなります。
(4)×:誤りです。電気防食工法の、実施を計画した断面補修では、防食電流を一定にするため、比抵抗が小さい材料を選定することが望ましいです。

【問424_ひび割れ】

 RC構造物の断面修復工法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)コンクリートに生じる側圧が大きくなるとコンクリートに孕みが生じる場合がある。この側圧が大きくなる要因として、打ち込み時のコンクリート温度が高いことが挙げられる。
(2)コンクリートに生じる側圧が大きくなるとコンクリートに孕みが生じる場合がある。この側圧が大きくなる要因として、打ち込み時スランプフローが大きいことが挙げられる。
(3)コンクリートに生じる側圧が大きくなるとコンクリートに孕みが生じる場合がある。この側圧が大きくなる要因として、打ち込み速度が速いことが挙げられる。
(4)コンクリートに生じる側圧が大きくなるとコンクリートに孕みが生じる場合がある。この側圧が大きくなる要因として、打ちかさね時間間隔が短いことが挙げられる。
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正解(1)

(1)×:誤りです。打ち込み時のコンクリート温度が低いほど、側圧が大きくなります。
(2)〇:問題のとおりです。打ち込み時スランプフローが大きいほど、側圧が大きくなります。
(3)〇:問題のとおりです。打ち込み速度が速いほど、側圧が大きくなります。
(4)〇:問題のとおりです。打ちかさね時間間隔が短いほど、側圧が大きくなります。

【問425_水和反応】

 セメントクリンカーの水和反応に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)アルミン酸三カルシウム(C3A)は水と接触直後の数分間で、激しい水和反応を起こす。
(2)注水直後の、アルミン酸三カルシウム(C3A)の水和反応後、反応しない潜伏期を経て、凝結過程に最も影響を与えるのはケイ酸二カルシウム(C2S)である。
(3)遅延型の混和剤は凝結過程のケイ酸三カルシウム(C3S)の水和反応を遅らせるものである。
(4)遅延型の混和剤により、凝結過程のケイ酸三カルシウム(C3S)の水和反応を遅らせた場合においても、水和発熱量は減ることはない。
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正解(2)

(1)〇:問題のとおりです。アルミン酸三カルシウム(C3A)は水と接触直後の数分間で激しい水和反応を起こします。
(2)×:誤りです。注水直後のアルミン酸三カルシウム(C3A)の水和反応後、反応しない潜伏期を経て、凝結過程に最も影響を与えるのはケイ酸三カルシウム(C3S)です。
(3)〇:問題のとおりです。遅延型の混和剤は凝結過程のケイ酸三カルシウム(C3S)の水和反応を遅らせるものです。
(4)〇:問題のとおりです。遅延型の混和剤により、凝結過程のケイ酸三カルシウム(C3S)の水和反応を遅らせた場合においても、水和発熱量は減ることはありません。
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