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【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.89)総合問題17

コンクリート診断士 問題と解説Vol.89

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問426_中性化】

 コンクリートの中性化進行のメカニズムに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)コンクリートに侵入した二酸化炭素は細孔溶液中で炭酸イオンとなり、カルシウムイオンと反応し、溶解度が小さい炭酸カルシウムとして沈積する。
(2)炭酸イオンとカルシウムイオンの反応により細孔溶液中のカルシウムイオンが消費されるため、濃度の平衡により固相に存在する水酸化カルシウムが細孔溶液中に溶解する。
(3)ナトリウムイオンやカリウムイオンなどが多い場合は細孔溶液が高アルカリ性を維持するため、水酸化カルシウムの溶解が鈍化する。
(4)ナトリウムイオンやカリウムイオンなどが多い場合は細孔溶液が高アルカリ性を維持するため、中性化の進行が、より速くなる。
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正解(3)

(1)〇:問題のとおりです。コンクリートに侵入した二酸化炭素は細孔溶液中で炭酸イオンとなり、カルシウムイオンと反応し、溶解度が小さい炭酸カルシウムとして沈積します。
(2)〇:問題のとおりです。炭酸イオンと、カルシウムイオンの反応により細孔溶液中のカルシウムイオンが消費されるため、濃度の平衡により固相に存在する水酸化カルシウムが細孔溶液中に溶解します。
(3)×:誤りです。ナトリウムイオンや、カリウムイオンなどが多い場合は細孔溶液が高アルカリ性を維持するため、水酸化カルシウムの溶解がより進みます。
(4)〇:問題のとおりです。ナトリウムイオンや、カリウムイオンなどが多い場合は細孔溶液が高アルカリ性を維持するため、中性化の進行がより速くなります。

【問427_アルカリシリカ反応】

 アルカリシリカ反応性を有する骨材に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)我が国における、火成岩のうち反応性を示す可能性が高いものは火山岩であり、深成岩や半深成岩では反応性はほとんど認められていない。
(2)火山岩ではマグマの冷却速度が深成岩より速く、トリディマイトなどの不安定な結晶や非晶質物質が生成されやすい。
(3)アルカリシリカ反応性を有する代表的な火山岩には、チャートがある。
(4)アルカリシリカ反応性を有する代表的な火山岩には、安山岩がある。
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正解(3)

(1)〇:問題のとおりです。我が国における火成岩のうち反応性を示す可能性が高いものは火山岩であり、深成岩や半深成岩では反応性はほとんど認められていません。
(2)〇:問題のとおりです。火山岩ではマグマの冷却速度が深成岩より速く、トリディマイトやクリストバライトなどの不安定な結晶や非晶質物質が生成されやすいです。
(3)×:誤りです。チャートは火山岩ではなく、堆積岩です。微小質石英を含むチャートはアルカリシリカ反応性示すことがありますが、微小質石英を含む骨材は反応速度が遅く、化学法やモルタルバー法では反応性を検出できないという特徴があります。
(4)〇:問題のとおりです。アルカリシリカ反応性を有する代表的な火山岩には、安山岩があります。

【問428_化学的浸食】

 コンクリートの化学的浸食に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)タウマサイトとは硫酸塩劣化のひとつであり、エトリンガイトの一種である。
(2)コンクリート用骨材として石灰石を用いた場合、そのコンクリートが35℃程度の高温環境下に長期間曝されると、タウマサイトの生成に伴う硫酸塩劣化が発生することがある。
(3)タウマサイトはコンクリート中の水酸化カルシウムが硫酸イオンおよび炭酸カルシウムと反応することで生成される。
(4)タウマサイトが生成されるとセメント水和物を溶解し、骨材の剥落などを伴いながらコンクリートの断面を減少させる。
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正解(1)

(1)〇:問題のとおりです。タウマサイトとは硫酸塩劣化のひとつであり、エトリンガイトの一種です。
(2)×:誤りです。コンクリート用骨材として石灰石を用いた場合、そのコンクリートが5℃程度の低温環境下に長期間曝されると、タウマサイトの生成に伴う硫酸塩劣化が発生することがあります。
(3)×:誤りです。タウマサイトはコンクリート中のカルシウムシリケート水和物が硫酸イオンおよび炭酸カルシウムと反応することで生成されます。
(4)×:誤りです。エトリンガイトの一種であるタウマサイトが生成されると膨張が生じてコンクリートが劣化します。

【問429_火害】

 火災等の高熱を受けたときのコンクリートに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)コンクリートが加熱されると骨材は膨張する。
(2)コンクリートが加熱されるとセメントペーストは100℃までは膨張し、その後はエトリンガイトが生成することで、膨張が激しくなる。
(3)コンクリートが400℃以上まで加熱されるとセメント水和物が変質し、コンクリート中の骨材とセメントペーストの付着界面では微細ひび割れが誘発され、破壊が進展するため、コンクリートの弾性係数が大きく低下する。
(4)コンクリートが600℃程度まで加熱されると、石英質を含む骨材では、骨材の結晶形態の変化により、急激に膨張する。
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正解(2)

(1)〇:問題のとおりです。コンクリートが加熱されると、骨材は膨張します。
(2)×:誤りです。コンクリートが加熱されるとセメントペーストは100℃までは膨張し、その後は水和物中の結晶水が脱水し600℃までは収縮に転じます。
(3)〇:問題のとおりです。コンクリートが400℃以上まで加熱されるとセメント水和物が変質し、コンクリート中の骨材とセメントペーストの付着界面では、微細ひび割れが誘発され破壊が進展するため、コンクリートの弾性係数が大きく低下します。強度低下は弾性係数と比較し低下しにくく、500℃を超えると50%以下程度となります。
(4)〇:問題のとおりです。コンクリートが600℃程度まで加熱されると、石英質を含む骨材では骨材の結晶形態の変化により急激に膨張します。

【問430_中性化】

 コンクリート構造物から採取したコアの中性化深さ測定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)測定面にノロが付着していたため、水洗いによってこれを除去し、濡れた測定面を自然乾燥させた。
(2)測定面が乾燥していたため、フェノールフタレイン溶液を調整する際に加えるエタノールの量を多くした。
(3)測定箇所にソ骨材の粒子があったため、粒子の両端の中性化位置を結んだ直線上で測定した。
(4)コンクリート表面から赤紫色に抵触した部分までの距離を、0.5mmの単位で測定した。
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正解(2)

(1)〇:問題のとおりです。測定面にノロが付着していたため、水洗いによってこれを除去し、濡れた測定面を自然乾燥させます。
(2)×:誤りです。測定面が乾燥していた場合、フェノールフタレイン溶液を調整する際には水の量を多くして測定します。
(3)〇:問題のとおりです。測定箇所にソ骨材の粒子があった場合、粒子の両端の中性化位置を結んだ直線上で測定します。
(4)〇:問題のとおりです。中性化ふかさは、コンクリート表面から、赤紫色に抵触した部分までの距離を、0.5mmの単位で測定します。
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