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【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.91)総合問題19

コンクリート診断士 問題と解説Vol.91

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問436_表面変状】

 コンクリートの変状に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)側壁にジャンカが生じていたので、コンクリートの打ち込みに起因すると推察した。
(2)側壁の矩形開口部の入隅部分から、斜めにひび割れが生じていたので、コンクリートの打ち込みに起因すると推察した。
(3)側壁の打ち重ね部分に、水平方向にひび割れが生じていたので、コンクリートの打ち込みに起因すると推察した。
(4)側壁に表面気泡が生じていたので、コンクリートの打ち込みに起因すると推察した。
クリックで【問題436】の解答と解説をみる

正解(2)

(1)〇:問題のとおりです。ジャンカは材料分離による、コンクリートの打ち込みに起因する変状です。
(2)×:誤りです。側壁の矩形開口部の入隅部分から、斜めに生じたひび割れは収縮に起因する変状です。
(3)〇:問題のとおりです。打ち重ね部分の、水平方向のひび割れはコールドジョイントであり、コールドジョイントは打ち重ね時間間隔が長くなり、打ち重ね前と後のコンクリートが一体化されずに生じた、コンクリートの打ち込みに起因する変状です。
(4)〇:問題のとおりです。表面気泡は締め固め不足により、打設時に巻き込んだエントラップドエアが、型枠の外に排出されずに生じた大きな気泡で、コンクリートの打ち込みに起因する変状です。

【問437_劣化】

 コンクリート構造物の変状に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)温暖な地域にある、RC橋脚の柱脚において、地表面付近に白色の析出物と共に、表面のはく離が確認されたため、硫酸浸食が原因であると推察した。
(2)温暖な地域にある、RC橋脚の柱脚において、地表面付近に白色の析出物と共に、表面のはく離が確認されたため、溶脱が原因であると推察した。
(3)温暖な地域にある、RC橋脚の柱脚において、地表面付近に白色の析出物と共に、表面のはく離が確認されたため、硫酸塩浸食が原因であると推察した。
(4)温暖な地域にある、RC橋脚の柱脚において、地表面付近に白色の析出物と共に、表面のはく離が確認されたため、アルカリシリカ反応が原因であると推察した。
クリックで【問題437】の解答と解説をみる

正解(3)

(1)×:誤りです。RC橋脚の設置される状況として、硫酸そのものが侵食する可能性は低いと判断されます。
(2)×:誤りです。溶脱はコンクリート中のせめんとすいわぶつが、周辺の水に溶解して、内部の組織が疎になる現象です。白色の析出物や、表面のはく離は生じません。
(3)〇:問題のとおりです。白色の析出物が土壌中の硫酸塩と水酸化カルシウムの反応により生じた、二水せっこうであると推察されます。さらに、セメント中の、アルミン酸三カルシウムと、二水せっこうが反応して、エトリンガイトを生成し、膨張による表面はく離を引き起こしたと推察されます。
(4)×:誤りです。アルカリシリカ反応による劣化は、表面はく離ではなく、コンクリート内部の膨張による、ひび割れが発生します。

【問438_火害】

 火害を受けたRC造壁の調査に関する次の記述のうち、適当なものはどれとどれか
(1)コンクリート表面が灰白色~淡黄色に変色していたため、コンクリート表面の受熱温度は、600℃を超えていたと判断した。
(2)鉄筋のかぶりは30mmで火害を受けていない箇所の中性化深さは10mmであった。火害を受けた部分の中性化深さは、50mmまで達していたため、鉄筋の受熱温度は、300℃以下であったと判断した。
(3)コンクリート表面の受熱温度が500℃を超えると推定されたので、内部の鉄筋の引張試験を行う必要はないと判断した。
(4)1200℃を超える熱を長時間受けるとコンクリートは表面から溶融する。
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正解(1)と(4)

(1)〇:問題のとおりです。コンクリート表面が灰白色~淡黄色に変色していた場合、コンクリート表面の受熱温度は600℃を超えていると判断できます。
(2)×:誤りです。火害を受けた部分は水酸化カルシウムの熱分解により50mmまで中性化したと推察します。水酸化カルシウムの熱分解は500℃程度で生じるため、鉄筋の受熱温度は500℃を超えていると推察します。
(3)×:誤りです。鉄筋の安全限界温度は500℃です。鉄筋の受熱温度が500℃を超えた場合、引張試験により機械的性質を確かめる必要があります。
(4)〇:問題のとおりです。コンクリートは1200℃以上の加熱を受けると、融解します。

【問439_JIS】

 コンクリート技術の変遷に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)1950年代に、AE剤が国産化され、AEコンクリートが製造され始めた。
(2)1960年代に、コンクリート用砕石が、JISに規定された。
(3)1970年代に、JISにおいて、普通コンクリートの空気量が4%、寒冷地の場合は4.5%に規定された。
(4)1980年代に、JISの化学混和剤に、高性能AE減水剤が追加された。
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正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。1950年代に、AE剤が国産化され、AEコンクリートが製造され始めました。
(2)〇:問題のとおりです。1961年に、コンクリート用砕石がJISに規定されました。
(3)〇:問題のとおりです。1978年に、JISにおいて、普通コンクリートの空気量が4%、寒冷地の場合は4.5%に規定されました。
(4)×:誤りです。1995年に、JISにおいて、化学混和剤に高性能AE減水剤が追加されました。

【問440_補修】

 コンクリートの補修方法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)ポストテンション方式PC連続箱桁の側壁に、比較的規模の大きいジャンカが生じたので、不良部分の表面にポリマーセメントモルタルを塗布した。
(2)ポストテンション方式PC連続箱桁の側壁に、比較的規模の大きいジャンカが生じたので、不良部分の空洞部にエポキシ樹脂を注入した。
(3)ポストテンション方式PC連続箱桁の側壁に、比較的規模の大きいジャンカが生じたので、不良部分を斫り取りポリマーセメントモルタルを充てんした。
(4)ポストテンション方式PC連続箱桁の側壁に、比較的規模の大きいジャンカが生じたので、不良部分を斫り取りコンクリートを打ち込んだ。
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正解(4)

(1)×:誤りです。比較的規模の大きいジャンカの補修において、不良部分の表面にポリマーセメントモルタルを塗布するだけでは、不十分です。
(2)×:誤りです。比較的規模の大きいジャンカの補修において、不良部分の空洞部にエポキシ樹脂を注入するだけでは、不十分です。
(3)×:誤りです。比較的規模の小さいジャンカの補修において、不良部分を斫り取りポリマーセメントモルタルを充てんします。
(4)〇:問題のとおりです。比較的規模の大きいジャンカの補修において、不良部分を斫り取り同一強度のコンクリートを打ち込むのは適切であり、最も経済的です。
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