コンクリート診断士 問題と解説Vol.2-7
このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。
【No.31】
たわみの発生要因に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)たわみの発生要因として,設計時の鉄筋量不足や部材の寸法不足が挙げられる。
(2)たわみの発生要因として,配筋位置の精度不良や,支保工の早期撤去および早期載荷などの施工欠陥が挙げられる。
(3)たわみの発生要因として,施工後の用途変更による過荷重が挙げられる。
(4)たわみの発生要因として,鋼材の腐食やコンクリートの強度低下など経年による材質劣化が挙げられる。
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正解はなし
【解説】
(1)○正しい。たわみの発生要因として,設計時の鉄筋量不足や部材の寸法不足が挙げられます。
(2)○正しい。たわみの発生要因として,配筋位置の精度不良や,支保工の早期撤去および早期載荷などの施工欠陥が挙げられます。
(3)○正しい。たわみの発生要因として,施工後の用途変更による過荷重が挙げられます。
(4)○正しい。たわみの発生要因として,鋼材の腐食やコンクリートの強度低下など経年による材質劣化が挙げられます。
【No.32】
たわみに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)たわみ量の測定結果からたわみスパン比を求め,ひび割れ幅とひび割れの総長さを考慮して劣化度の区分とする。
(2)たわみスパン比とは,水平部材の中央部のたわみδを,水平部材の内法スパンL0で除した値である。
(3)たわみスパン比が1/200未満は健全であり,それ以上は補修,補強を要する,。
(4)たわみスパン比が1/100以上で,ひび割れ幅が3mm以上かつ総長さが20m以上の場合,劣化度はⅣ(重度)に区分される。
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正解は(3)
【解説】
(1)○正しい。たわみ量の測定結果からたわみスパン比を求め,劣化度の区分とします。
(2)○正しい。たわみスパン比とは,水平部材の中央部のたわみδを,水平部材の内法スパンL0で除した値です。
(3)×誤り。たわみスパン比が1/300未満は健全であり,それ以上は補修,補強を要する,。
(4)○正しい。たわみスパン比が1/100以上で,ひび割れ幅が3mm以上かつ総長さが20m以上の場合,劣化度はⅣ(重度)に区分されます。
【No.33】
表面さび汁に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)コンクリート表面のさび汁は,コンクリート中の鋼材の腐食によるものをいい,コンクリート近傍の仮設材などの鋼材の腐食によるものは対称としていない。
(2)コンクリート表面のさび汁の原因として,コンクリート中の主筋,せん断補強筋,PC鋼材など部材の耐荷力に影響を及ぼす鉄筋や重量コンクリートで骨材として使用される鉄鉱石などが腐食して,茶色や褐色の腐食生成物がコンクリート表面に染み出したものがある。
(3)コンクリート中の鉄筋が腐食するとひび割れが生じ,地下水や雨水がひび割れを通過すると,腐食生成物をコンクリートの表面に運びさび汁となる。
(4)さび汁は,コンクリートの可溶性成分も運ぶことがあるので,エフロレッセンスの発生を伴うことがある。
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正解は(1)
【解説】
(1)×誤り。コンクリート表面のさび汁は,コンクリート中の鋼材の腐食によるものとコンクリート近傍の仮設材などの鋼材の腐食によるものの2つに大別されます。
(2)○正しい。コンクリート表面のさび汁の原因として,コンクリート中の主筋,せん断補強筋,PC鋼材など部材の耐荷力に影響を及ぼす鉄筋や重量コンクリートで骨材として使用される鉄鉱石などが腐食して,茶色や褐色の腐食生成物がコンクリート表面に染み出したものがあります。
(3)○正しい。コンクリート中の鉄筋が腐食するとひび割れが生じ,地下水や雨水がひび割れを通過すると,腐食生成物をコンクリートの表面に運びさび汁となります。
(4)○正しい。さび汁は,コンクリートの可溶性成分も運ぶことがあるので,エフロレッセンスの発生を伴うことがあります。
【No.34】
表面さび汁に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)さび汁の発生は鉄筋などの腐食と関連が深いので,発生場所,面積,色などに注意して観察する。
(2)コンクリート中における鉄筋の腐食による生成物は主に4種類あり,黒色の四酸化三鉄,黄色のαオキシ水酸化鉄,白色のβオキシ水酸化鉄,橙色のγオキシ水酸化鉄がある。
(3)三酸化二鉄は赤色から褐色のさびである。
(4)コンクリート表面に白色生成物が見られた場合,エフロレッセンスによるものであるため,さび汁を起因とする可能性はない。
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正解は(4)
【解説】
(1)○正しい。さび汁の発生は鉄筋などの腐食と関連が深いので,発生場所,面積,色などに注意して観察します。
(2)○正しい。コンクリート中における鉄筋の腐食による生成物は主に4種類あり,黒色の四酸化三鉄,黄色のαオキシ水酸化第二鉄,淡褐色のβオキシ水酸化第二鉄,橙色のγオキシ水酸化第二鉄があります。
(3)○正しい。三酸化二鉄は赤色から褐色のさびです。
(4)×誤り。エフロレッセンスは,水酸化カルシウムがコンクリート表面で乾燥して析出した白色生成物です。また,コンクリートの中性化が進み,塩化物イオンが存在する場合は,白色のβオキシ水酸化鉄が生成される可能性があります。
【No.35】
エフロレッセンスに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)コンクリートやモルタルの表面部分に浮き出る白い生成物で,これが浮き上がる現象をエフロレッセンスという。
(2)エフロレッセンスは,コンクリート中および周辺の可溶性成分が水分の移動によりコンクリート表面に移動し,表面での水分の蒸散や空気中の二酸化炭素などの吸収によって,溶解していた成分が析出することで生じる。
(3)エフロレッセンスは,一次エフロレッセンスと二次エフロレッセンスに分けられ,一次は練り混ぜ水など,元々コンクリート中に含まれる水分によるもので,二次エフロレッセンスは,雨水や地下水などの外部の水がコンクリート中に侵入した場合に生じる。
(4)エフロレッセンスが生じると,コンクリート構造物の強度が低下する。
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正解は(4)
【解説】
(1)○正しい。コンクリートやモルタルの表面部分に浮き出る白い生成物で,これが浮き上がる現象をエフロレッセンスといいます。
(2)○正しい。エフロレッセンスは,コンクリート中および周辺の可溶性成分が水分の移動によりコンクリート表面に移動し,表面での水分の蒸散や空気中の二酸化炭素などの吸収によって,溶解していた成分が析出することで生じます。
(3)○正しい。エフロレッセンスは,一次エフロレッセンスと二次エフロレッセンスに分けられ,一次は練り混ぜ水など,元々コンクリート中に含まれる水分によるもので,二次エフロレッセンスは,雨水や地下水などの外部の水がコンクリート中に侵入した場合に生じます。
(4)×誤り。エフロレッセンスが生じたとしても,コンクリート構造物の強度には問題はなく,生成物も無害ですが,外見上の問題となることがあります。