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WES試験対策(1級) 問題と解説 No.31~35

WES試験対策(1級) 問題と解説 No.31~35

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【No.31】 ティグ溶接

ティグ溶接に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)ティグ溶接では、ステンレス鋼の溶接には、直流定電流特性電源が用いられる。
(2)ティグ溶接では、アルミニウム合金の溶接には、交流定電流特性電源が用いられる。
(3)ティグ溶接における、直流定電流特性電源では、棒プラス極性が用いられる。
(4)ティグ溶接における、直流定電流特性電源では、棒プラス極性が用いられ、集中した指向性の強いアークが得られ、電極の消耗が少ない。
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誤っている選択肢は (3)

【解説】
(1)正しい。ティグ溶接の直流とは、標準な溶接方法で、アルミニウムやマグネシウムなどの活性金属以外のほとんどすべての金属の溶接に適用できます。
(2)正しい。ティグ溶接の交流は、アルミニウムやマグネシウム合金などの溶接で主に使用されます。アルミニウムやマグネシウムの溶接では、表面にできる酸化皮膜を除去する必要があるため、母材側を陰極にしてアークのクリーニング作用を利用する必要があります。しかし母材を陰極にするとタングステン電極は陽極となり、電極側へのアークの入熱量が大きくなるため、電極の消耗が激しくなって実用性に欠けます。この問題を解決したのが交流ティグ溶接法です。交流のティグ溶接では、クリーニング作用を確保しつつ、電極消耗を極力抑えながら溶け込みを抑えることができます。
(3)誤り。直流ティグ溶接では、タングステン電極を陰極(マイナス)にするか、陽極(プラス)にするか極性によって、アーク状態やタングステン電極などへの影響が著しく異なってきます。直流、棒マイナス極性の場合アークは集中し、強いアーク力により幅が狭く、溶け込みが深くなります。直流、棒プラス極性の場合アーク集中度は悪くなりアークが分散し、アーク力が弱まるためビード幅は広く、溶け込みも浅くなりますが、質量の大きいイオン流の衝撃によって母材表面の酸化被膜を破壊するクリーニング作用を有します。
(4)正しい。ティグ溶接における、直流定電流特性電源では、棒プラス極性が用いられ、集中した指向性の強いアークが得られ、電極の消耗が少ないです。

【No.32】 ティグ溶接

ティグ溶接に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)ティグ溶接によるアルミニウム合金の溶接には、一般に、交流定電流特性電源が用いられる。
(2)ティグ溶接によるアルミニウム合金の溶接には、一般に、交流定電流特性電源が用いられ、これは棒プラス極性の時に得られるクリーニング作用を利用して、母材表面の酸化被膜を除去するためである。
(3)ティグ溶接において、アルゴンに代えて、熱損失の大きいヘリウムをガスシールドガスに用いると、アーク電圧は低くなるため、アーク切れに注意する必要がある。
(4)ティグ溶接において、電極材料のタングステンは、酸化すると融点が急激に低下するため、電極の消耗が著しくなる。
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誤っている選択肢は (3)

【解説】
(1)正しい。ティグ溶接の交流は、アルミニウムやマグネシウム合金などの溶接で主に使用されます。アルミニウムやマグネシウムの溶接では、表面にできる酸化皮膜を除去する必要があるため、母材側を陰極にしてアークのクリーニング作用を利用する必要があります。しかし母材を陰極にするとタングステン電極は陽極となり、電極側へのアークの入熱量が大きくなるため、電極の消耗が激しくなって実用性に欠けます。この問題を解決したのが交流ティグ溶接法です。交流のティグ溶接では、クリーニング作用を確保しつつ、電極消耗を極力抑えながら溶け込みを抑えることができます。
(2)正しい。ティグ溶接の交流は、アルミニウムやマグネシウム合金などの溶接で主に使用されます。アルミニウムやマグネシウムの溶接では、表面にできる酸化皮膜を除去する必要があるため、母材側を陰極にしてアークのクリーニング作用を利用する必要があります。しかし母材を陰極にするとタングステン電極は陽極となり、電極側へのアークの入熱量が大きくなるため、電極の消耗が激しくなって実用性に欠けます。この問題を解決したのが交流ティグ溶接法です。交流のティグ溶接では、クリーニング作用を確保しつつ、電極消耗を極力抑えながら溶け込みを抑えることができます。
(3)誤り。アルゴンに代えて、熱損失の大きいヘリウムをガスシールドガスに用いると、アーク電圧は高くなるため、アーク切れに注意する必要があります。ヘリウムは熱伝導率が高いため、アークの熱が広がりやすく、より深い溶け込みが得られます。ヘリウムはイオン化電位が高いため、アークを維持するにはより高い電圧が必要になります。結果として、アーク電圧はアルゴンより高くなるのが一般的です。アーク切れとは、溶接中に電極と母材の間のアークが途切れてしまう現象で、アークを維持するのに十分な電流が流れていないと、アークが消えてしまいます。電圧が高くなると、電流不足によりアーク切れを起こすことに注意が必要です。
(4)正しい。タングステンの融点は約3422℃で、酸化タングステンの融点は約1470℃です。

【No.33】 マグ溶接

マグ溶接に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)細径ソリッドワイヤを用いるマグ溶接は、一般に交流定電圧特性の電源を用いる。
(2)細径ソリッドワイヤを用いるマグ溶接における、ワイヤの溶融速度は、溶接電流に比例するアークからの熱と、溶接電流に比例する抵抗発熱によって決まる。
(3)細径ソリッドワイヤを用いるマグ溶接における、ワイヤの溶融速度は、溶接電流値とワイヤ材質が同じであっても、ワイヤ径とワイヤ突き出し長さによって変化する。
(4)アーク溶接用ロボットには、小さい設置面積で比較的広い動作範囲を確保できる多関節形ロボットが多く用いられている。
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誤っている選択肢は (1)、(2)

【解説】
(1)誤り。細径ソリッドワイヤを用いるマグ溶接では、一般的に直流定電圧特性の電源が使用されます。交流電源は通常使われません。交流では電流がゼロになる瞬間があるため、アークが不安定になりやすく、マグ溶接には不向きです。交流はティグ溶接でクリーニング作用を得る目的で使われます。交流の極性反転により、アルミニウムやマグネシウムなどの酸化皮膜を除去することができます。
(2)誤り。細径ソリッドワイヤを用いるマグ溶接における、ワイヤの溶融速度は、溶接電流に比例するアークからの熱と、溶接電流の二乗に比例する抵抗発熱によって決まります。
(3)正しい。ワイヤ径が細いと、表面積が大きく、アーク熱を効率よく吸収できるため、溶融速度が速くなります。また、ワイヤ突き出し長さが長いと、ワイヤ内部で熱が分散し、アークによる加熱が弱まり、溶融速度が低下します。
(4)正しい。アーク溶接用ロボットには、小さい設置面積で比較的広い動作範囲を確保できる多関節形ロボットが多く用いられています。

【No.34】 溶接ロボット

溶接ロボットに関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)溶接ロボットは、制御手法の違いから、数値制御形とプレイバック形とに大別される。
(2)アーク溶接が発生していない状態で、溶接トーチを実際の溶接線上で移動させて、ロボットに動作を直接教える方式をプレイバック方式という。
(3)ティーチング方式では、溶接作業を休止する必要があるため、溶接ロボットの稼働率低下を招く。
(4)コンピュータ上でロボットの操作をシミュレートしてロボットに動作を教える方式をオフラインティーチングといい、溶接ロボットの稼働率向上に貢献する。
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誤っている選択肢は (2)

【解説】
(1)正しい。溶接ロボットは、制御手法の違いから、数値制御形とプレイバック形とに大別されます。
(2)誤り。アーク溶接が発生していない状態で、溶接トーチを実際の溶接線上で移動させて、ロボットに動作を直接教える方式をティーチング方式という。
(3)正しい。ティーチング中は実際の溶接を行わないため、溶接ロボットの稼働率が低下します。
(4)正しい。オフラインティーチングとは、コンピュータ上でロボットの動作を事前にシミュレーションし、プログラムを作成、検証した後にロボットへ転送する方式です。これにより、現場でのティーチング作業を最小限に抑えることができます。
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