WES試験対策(1級) 問題と解説 No.101~105
このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。
【No.101】 安全衛生
安全衛生に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)溶接作業における、光により生じる障害として、じん肺が挙げられる。
(2)溶接作業における、光により生じる障害として、皮膚炎が挙げられる。
(3)溶接作業における、光により生じる障害として、電気性眼炎が挙げられる。
(4)溶接作業における、光により生じる障害として、熱中症が挙げられる。
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誤っている選択肢は (1)、(4)
【解説】
(1)誤り。じん肺は「光」によって生じる障害ではありません。じん肺は溶接ヒューム(微細な金属粉じん)を長期間吸入することで発症する職業性肺疾患です。
(2)正しい。アーク光に含まれる強い紫外線により、皮膚炎が生じるおそれがあります。
(3)正しい。電気性眼炎はアーク光に含まれる強い紫外線により、角膜炎・結膜炎を起こし、強い痛み・涙・視力障害を起こすものです。
(4)誤り。熱中症は光により生じる障害ではなく、アークや炎からの輻射熱、密閉空間での熱のこもり、防護具着用による放熱困難などが主な原因です。
【No.102】 安全衛生
安全衛生に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)電撃防止装置の使用が義務付けられている溶接作業場所として、雨天時での屋外が挙げられる。
(2)電撃防止装置の使用が義務付けられている溶接作業場所として、タンク内部などの著しく狭あいな場所が挙げられる。
(3)電撃防止装置の使用が義務付けられている溶接作業場所として、墜落の危険性のある高さ2m以上の場所が挙げられる。
(4)電撃防止装置の使用が義務付けられている溶接作業場所として、地面に置かれた鋼板上が挙げられる。
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誤っている選択肢は (1)、(4)
【解説】
(1)誤り。雨天時の屋外作業は「電撃防止装置の義務付け対象」には直接含まれません。ただし、雨天や湿潤環境では感電リスクが非常に高いため、法令上は漏電遮断器の設置や絶縁保護具の使用が義務付けられています。
(2)正しい。電撃防止装置は狭あいな場所で義務付けられています。
(3)正しい。電撃防止装置は2m以上の高所で義務付けられています。
(4)誤り。地面に置かれた鋼板上での溶接作業は「電撃防止装置の義務付け対象」には含まれません。鋼板は導電性が高いため、漏電時に感電リスクが大きく、鉄骨・鋼板上での溶接作業では、漏電遮断器の設置が義務となります。
【No.103】 安全衛生
安全衛生に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)溶接作業における、電撃防止装置を使用中で感電の危険性が高いものとして、溶接棒短絡時が挙げられる。
(2)溶接作業における、電撃防止装置を使用中で感電の危険性が高いものとして、アーク発生中が挙げられる。
(3)溶接作業における、電撃防止装置を使用中で感電の危険性が高いものとして、遅動時間中が挙げられる。
(4)溶接作業における、電撃防止装置を使用中で感電の危険性が高いものとして、遅動時間経過後、溶接開始前までが挙げられる。
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誤っている選択肢は (1)、(2)、(4)
【解説】
(1)誤り。電撃防止装置を使用中で「溶接棒短絡時」が特に感電危険性が高いとは言えません。短絡は「溶滴移行の一過程」であり、通常の溶接動作です。
(2)誤り。アーク発生中は電撃防止装置を使用していても、感電危険性は比較的低いとされています。
(3)正しい。電撃防止装置を使用中でも「遅動時間中」は感電の危険性が比較的高い場面として挙げられます。遅動時間とは、アークを切った直後から電撃防止装置が作動して電圧を安全値(25~30V以下)まで低減するまでの約1秒前後の時間を指します。この間は溶接機の二次側に依然として高い無負荷電圧(80~90V程度)が残っているため、作業者が電極や母材に触れると感電事故につながる可能性があります。
(4)誤り。遅動時間経過後から溶接開始前までの時間帯は、電撃防止装置がすでに作動して電圧を安全値(25~30V以下)に低減しているため、感電危険性は高いとは言えません。
【No.104】 安全衛生
安全衛生に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)交流被覆アーク溶接作業で感電の防止に有効なものとして、防塵マスクの着用が挙げられる。
(2)交流被覆アーク溶接作業で感電の防止に有効なものとして、電撃防止装置の設置が挙げられる。
(3)交流被覆アーク溶接作業で感電の防止に有効なものとして、保護メガネの使用が挙げられる。
(4)交流被覆アーク溶接作業で感電の防止に有効なものとして、絶縁型溶接棒ホルダの使用が挙げられる。
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誤っている選択肢は (1)、(3)
【解説】
(1)誤り。防じんマスクの着用は「感電防止」には有効ではありません。防じんマスクは溶接ヒュームや粉じんの吸入を防ぐための呼吸用保護具であり、感電防止には直接関係しません。
(2)正しい。交流被覆アーク溶接作業においては、感電防止に有効なものとして「電撃防止装置の設置」が挙げられます。特に狭あいな場所や2m以上の高所での交流アーク溶接作業では、労働安全衛生規則第332条により自動電撃防止装置付き溶接機の使用が義務付けられています。
(3)誤り。交流被覆アーク溶接作業での感電の防止と保護メガネの使用は直接関連しません。
(4)正しい。交流被覆アーク溶接作業においては、感電防止に有効なものとして「絶縁型溶接棒ホルダの使用」が挙げられます。労働安全衛生規則第331条により、事業者はアーク溶接作業に使用する溶接棒ホルダについて、必要な絶縁効力と耐熱性を有するものを使用しなければならないと定められています。
【No.105】 安全衛生
安全衛生に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)溶接作業における、金属熱の防止に有効なものとして、溶接用頭巾の着用が挙げられる。
(2)溶接作業における、金属熱の防止に有効なものとして、局所排気装置の設置が挙げられる。
(3)溶接作業における、金属熱の防止に有効なものとして、遮光カーテンの使用が挙げられる。
(4)溶接作業における、金属熱の防止に有効なものとして、溶接用かわ製保護手袋の着用が挙げられる。
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誤っている選択肢は (2)、(3)
【解説】
(1)正しい。溶接用頭巾の着用は、金属熱(火花や高温金属片による熱障害)の防止に有効な保護具として挙げられます。溶接用頭巾は、頭部や首回りを覆い、飛散するスパッタや輻射熱から皮膚を守るために使用されます。特に高温金属片が皮膚に接触すると「金属熱」と呼ばれる熱傷を負う危険があるため、難燃性素材で作られた頭巾は有効な防護手段です。
(2)誤り。局所排気装置の設置は「金属熱」の防止には有効ではありません。局所排気装置は、溶接ヒューム(微細な金属粉じんやガス)を吸引・除去するための設備であり、呼吸器障害やじん肺・マンガン中毒などの防止に有効です。一方、金属熱は飛散するスパッタや高温金属片による皮膚の熱傷であり、排気装置では防げません。
(3)誤り。遮光カーテンの使用は「金属熱の防止」には有効ではありません。遮光カーテンは、溶接アーク光に含まれる強い紫外線・赤外線・可視光線を遮断し、周囲作業者の眼や皮膚を光障害から守るための設備です。
(4)正しい。溶接用革製保護手袋の着用は、金属熱(スパッタや高温金属片による熱傷)の防止に有効なものとして挙げられます。
溶接作業では飛散する火花や溶融金属が手指に直接触れる危険が高いため、燃えにくく熱伝導を抑える革製手袋は必須の保護具です。
溶接作業では飛散する火花や溶融金属が手指に直接触れる危険が高いため、燃えにくく熱伝導を抑える革製手袋は必須の保護具です。
