WES試験対策(1級) 問題と解説 No.171~175
このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。
【No.171】 高張力鋼
高張力鋼に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)調質高張力鋼は圧延後、Ac3変態点以上のフェライト組織から急冷する。
(2)調質高張力鋼は圧延後、Ac3変態点以上のオーステナイト組織から急冷する焼きなましと呼ばれる熱処理をする。
(3)調質高張力鋼は圧延後、焼入れと呼ばれる熱処理をした後に、再びAc1変態点以下の温度域で保持する焼き戻しと呼ばれる熱処理を行う。
(4)焼き戻し後の鋼材の組織は、炭化物が分散析出した、焼き戻しマルテンサイト組織となり、強度とじん性のバランスに優れた鋼となる。
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誤っている選択肢は (1)、(2)
【解説】
(1)誤り。調質高張力鋼は圧延後、Ac3変態点以上のオーステナイト組織から急冷します。AC3変態点は、鉄鋼材料が加熱されるときに「フェライトとパーライト」から「オーステナイト」へ完全に変態し終わる温度のことです。
(2)誤り。調質高張力鋼は圧延後、Ac3変態点以上のオーステナイト組織から急冷する焼入れと呼ばれる熱処理をします。
(3)正しい。調質高張力鋼は圧延後、焼入れと呼ばれる熱処理をした後に、再びAc1変態点以下の温度域で保持する焼き戻しと呼ばれる熱処理を行います。Ac1変態点は、鉄鋼を加熱したときに、組織がオーステナイトに“変態し始める”温度のことです。
(4)正しい。焼き戻し後の鋼材の組織は、炭化物が分散析出した、焼き戻しマルテンサイト組織となり、強度とじん性のバランスに優れた鋼となります。
【No.172】 高張力鋼
高張力鋼に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)非調質高張力鋼は、通常、圧延後に焼きならしと呼ばれる熱処理を施す。
(2)非調質高張力鋼の焼きならしは、フェライト組織を微細化し、じん性の改善を図る。
(3)制御圧延と加速冷却を組み合わせた加工熱処理法で製造される鋼は、TMCP鋼と呼ばれる。
(4)TMCP鋼は、冷却速度と水冷開始・停止温度を制御することにより、変態生成相の割合を調整し、かつ、結晶粒を微細化することで強化されている。
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誤っている選択肢は 無し
【解説】
(1)正しい。非調質高張力鋼は、通常、圧延後に焼きならしと呼ばれる熱処理を施します。
(2)正しい。非調質高張力鋼の焼きならしは、フェライト組織を微細化し、じん性の改善を図ります。フェライトとは、酸化鉄を主成分とする金属酸化物で、磁性を持ち、電気を通しにくい性質を持ちます。
(3)正しい。制御圧延と加速冷却を組み合わせた加工熱処理法で製造される鋼は、TMCP鋼と呼ばれます。
(4)正しい。TMCP鋼は、冷却速度と水冷開始・停止温度を制御することにより、変態生成相の割合を調整し、かつ、結晶粒を微細化することで強化されています。
【No.173】 高張力鋼
高張力鋼に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)TMCP鋼は、合金元素の添加が制御でき、同じ強度レベルの通常熱間圧延鋼材に比べて、炭素当量が低い。
(2)TMCP鋼は、合金元素の添加が制御でき、同じ強度レベルの通常熱間圧延鋼材に比べて、溶接熱感受性が低い。
(3)ブローホールとは、溶接金属が凝固する際に、溶融金属中に溶け込んでいたガス(主に水素・窒素・酸素)が放出され、外部へ逃げきれずに溶接金属内部に残った気孔である。
(4)溶接金属中の炭素と酸素の反応により生成したCOガスが気泡となり、ブローホールとして残存する。
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誤っている選択肢は 無し
【解説】
(1)正しい。TMCP鋼は、合金元素の添加が制御でき、同じ強度レベルの通常熱間圧延鋼材に比べて、炭素当量が低いです。TMCPとは「サーモメカニカル、コントロールプロセス(熱機械制御加工)」の略です。
(2)正しい。TMCP鋼は、合金元素の添加が制御でき、同じ強度レベルの通常熱間圧延鋼材に比べて、溶接熱感受性が低いです。
(3)正しい。ブローホールとは、溶接金属が凝固する際に、溶融金属中に溶け込んでいたガス(主に水素・窒素・酸素)が放出され、外部へ逃げきれずに溶接金属内部に残った気孔です。
(4)正しい。溶接金属中の炭素と酸素の反応により生成したCOガスが気泡となり、ブローホールとして残存します。
【No.174】 ブローホール
ブローホールに関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)溶接速度が速くなると、凝固速度が遅くなって、溶接金属中のガスが溶融池付近まで浮上して、大気中に放出されやすくなる。
(2)ブローホールの防止策として、防風対策を行うことが挙げられる。
(3)ブローホールの防止策として、適切なガス流量で、溶接雰囲気のシールドを完全にすることが挙げられる。
(4)ブローホールの防止策として、ノズルに付着したスパッタを定期的に除去することが挙げられる。
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誤っている選択肢は 無し
【解説】
(1)正しい。溶接速度が速くなると、凝固速度が遅くなって、溶接金属中のガスが溶融池付近まで浮上して、大気中に放出されやすくなります。
(2)正しい。ブローホールの防止策として、防風対策を行うことが挙げられます。
(3)正しい。ブローホールの防止策として、適切なガス流量で、溶接雰囲気のシールドを完全にすることが挙げられます。
(4)正しい。ブローホールの防止策として、ノズルに付着したスパッタを定期的に除去することが挙げられます。
【No.175】 ブローホール
ブローホールに関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)ブローホールの防止策として、予熱を行い、凝固速度を遅くすることが挙げられる。
(2)ブローホールの防止策として、入熱を小さくすることが挙げられる。
(3)オーステナイト系ステンレス鋼は、極低温の用途に利用される。
(4)オーステナイト系ステンレス鋼は、体心立法構造であり、極低温に至るまでぜい性破壊しない。
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誤っている選択肢は (2)、(4)
【解説】
(1)正しい。ブローホールの防止策として、予熱を行い、凝固速度を遅くすることが挙げられます。
(2)誤り。ブローホールの防止策として、入熱を大きくすることが挙げられます。
(3)正しい。オーステナイト系ステンレス鋼は、極低温の用途に利用されます。
(4)誤り。オーステナイトは、原子が面心立方格子構造をとる状態です。この構造は、原子間のずれに対する抵抗力が大きく、塑性変形しやすいため、材料の靭性や延性を高めます。SUS304は、オーステナイト系ステンレス鋼です。
