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【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.5)エフロレッセンス、変色

コンクリート診断士 問題と解説Vol.5

音声学習用動画のご紹介

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問21_エフロレッセンス】

 コンクリート構造物に発生するエフロレッセンスに関する(A)~(C)にあてはまる次の(1)~(4)の語句の組合せのうち、最も適当なものはどれか
 エフロレッセンスは、ナトリウム塩やカリウム塩および(A)が主成分である。周辺環境に起因する成分に着目すると、建物壁面などに見られるものは(B)が多く、土壌の環境の影響を受ける住宅基盤などの場合には(C)が含まれることもある。(C)が含まれる場合には、時間の経過にともない、コンクリート表面にスケーリングなどの変状が見られることもある。
(A) (B) (C)
(1) マグネシウム塩 炭酸塩 硫酸塩
(2) カルシウム塩 炭酸塩 硫酸塩
(3) マグネシウム塩 硫酸塩 炭酸塩
(4) カルシウム塩 硫酸塩 炭酸塩
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正解(2)

 エフロレッセンスの主成分は、炭酸カルシウム(カルシウム塩)です。コンクリート内部から溶出した水酸化カルシウムと、空気中の二酸化炭素が反応して炭酸カルシウムとなり、白色の析出物となって現れたものが、エフロレッセンスです。
 酸性土壌などでは、エフロレッセンスに硫酸塩が含まれる場合があります。硫酸塩の影響を受けると、エトリンガイトが生成する場合があります。その結果、コンクリート表面にスケーリングなどの変状を生じる場合があります。

【問22_エフロレッセンス】

 コンクリートに発生するエフロレッセンスに関する以下の記述中の(A)~(C)にあてはまる次の(1)~(4)の語句の組合せのうち、適当なものはどれか
 一般的に、一次エフロレッセンスには、可溶性の(A)などと不溶性の(B)などが含まれる。また、一次エフロレッセンスは、相対湿度が(C)、適度な風がある環境で発生しやすくなる。
(A) (B) (C)
(1) Na2SO4 CaCO3 低く
(2) Na2SO4 CaCO3 高く
(3) CaCO3 Na2SO4 高く
(4) CaCO3 Na2SO4 低く
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正解(1)

 Na2SO4(硫酸ナトリウム)は可溶性、CaCO3(炭酸カルシウム)は不溶性です。一次エフロレッセンスは、コンクリート打設直後のコンクリート表面が急激に乾燥することで発生します。そのため、相対湿度が低く、風がある環境で発生しやすくなります。

【問23_変色】

 コンクリートの変色に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)コンクリート表面に白色の汚れが見つかった場合、死滅した真菌類による汚れの可能性がある。
(2)コンクリートが変色している場合、コンクリート自体の力学特性が低下していることがある。
(3)セメント水和物が酸などの影響によって変質し、コンクリートの表面が黄土色に変色することがある。
(4)火災を受けると、すすの付着による汚れのほかに、水和物自体が変質してコンクリートが変色することがある。
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正解(1)

(1)誤りです。真菌類による汚れは、黒くなることが多いです。
(2)問題のとおりです。火災によるコンクリートの変色など、コンクリート自体の力学的特性が低下していることがあります。
(3)問題のとおりです。化学的侵食を受けてセメント水和物が変質すると、褐色や黄土色に変色します。
(4)問題のとおりです。火災を受けると、水和物が変質してコンクリートが変色することがあります。受熱温度の違いにより、変色の色も異なります。
受熱温度 表面の変色
~300℃ すすの付着
300~600℃ ピンク色
600~950℃ 灰白色
950~1200℃ 淡黄色
1200℃~ 融解

【問24_変色】

 コンクリート表面に生じるさび汁に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)さび汁は、コンクリートが中性化していなくても発生する。
(2)さび汁の主成分はFeCl3である。
(3)さび汁は、エフロレッセンスの発生を伴わない。
(4)さび汁は、ひび割れが生じないと発生しない。
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正解(1)

(1)問題のとおりです。鉄筋のさびは、塩害を受けた場合でも発生します。
(2)誤りです。さび汁の主成分はFe2O3やFeOなど、鉄と酸素が結びついたものになります。
(3)誤りです。さび汁が発生している場合、コンクリートのひび割れが生じている可能性が高くなります。そのため、内部からの水酸化カルシウムの溶出に伴うエフロレッセンスを伴うことが多くなります。
(4)誤りです。さび汁は、ひび割れが生じていない場合でも滲出してくる場合があります。

【問25_変色】

 コンクリートの変色に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)コンクリート外壁面で雨が当たる部分に金物などの突出物があると、その下面には汚れが発生することがある。
(2)コンクリート表面に付着した型枠はく離剤は、エフロレッセンスに変化することがある。
(3)コンクリート表面に現れた鋼材の腐食生成物は、環境条件によって色が異なることがある。
(4)コンクリート表面が濡れると、表面の明度が変化することがある。
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正解(2)

(1)問題のとおりです。コンクリート外壁面で雨が当たる部分に金物などの突出物があると、その下面には、金物の腐食に伴うさび汚れが発生することがあります。
(2)誤りです。型枠はく離剤の主成分は、油が多いです。エフロレッセンスとは関係がありません。
(3)問題のとおりです。鋼材の腐食は、腐食の程度によって変化します。大きく分けて黒錆(くろさび)と赤錆(あかさび)があります。赤錆は化学式Fe2O3で鉄そのものを腐蝕させ、ボロボロにしていく性質を持ちます。黒錆は化学式Fe3O4で表記され、鉄の表面にできる酸化膜のことです。
(4)問題のとおりです。コンクリートは表面が乾燥すると明るい色となり、濡れると暗い色になります。
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