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【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.22)風化、溶出

コンクリート診断士 問題と解説Vol.22

音声学習用動画のご紹介

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問106_風化、溶出】

 硬化コンクリートから水中への成分の溶出に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)Ca(OH)2は、カルシウムシリケート水和物(C-S-H)よりも溶出しやすい。
(2)水和物の溶出は、水質が硬水から純水に近くなるほど緩やかになる。
(3)Ca(OH)2やカルシウムシリケート水和物(C-S-H)が溶出すると、コンクリートの空隙量が増大する。
(4)コンクリート表面に接する水の流れが速くなるほど、成分は溶出しやすい。
クリックで【問題106】の解答と解説をみる

正解(2)

(1)問題のとおりです。溶出による劣化とは、コンクリート中のセメント水和物成分が周囲の水に溶解して硬化体組織が疎となる現象です。主要な水和生成物のうち最も溶解度が大きいのは水酸化カルシウムです。水酸化カルシウムが消費された後に、カルシウムシリケート水和物の溶出が進行します。
(2)誤りです。純粋な水ほど、コンクリート中の細孔溶液との濃度勾配が大きく、成分が溶出しやすくなります。
(3)問題のとおりです。溶出による劣化とは、コンクリート中のセメント水和物成分が周囲の水に溶解して硬化体組織が疎となる現象です。水酸化カルシウムやカルシウムシリケート水和物の溶出が進行すると、コンクリート組織の空隙量が増大します。
(4)問題のとおりです。溶出は、濃度勾配によって、表面近傍でカルシウムイオンおよび水酸化物イオンの濃度低下を生じます。コンクリート表面に接する水の流れが速くなるほど、濃度勾配が大きく保たれるため、成分は溶出しやすくなります。

【問107_風化、溶出】

 長期間水中に置かれたコンクリートからの成分の溶出に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)静水圧の大きな部分の方が、小さな部分より溶出が大きい。
(2)硬水中に比べ、軟水中のほうが溶出は大きい。
(3)ケイ酸カルシウム水和物(C-S-H)に比べて、水酸化カルシウムは溶出しにくい。
(4)水の流れが速い河川より、流れが遅い河川のほうが溶出は小さい。
クリックで【問題107】の解答と解説をみる

正解(3)

(1)問題のとおりです。静水圧が大きいと、コンクリート内部の組織に水が供給されやすくなります。
(2)問題のとおりです。純粋な水ほど、コンクリート中の細孔溶液との濃度勾配が大きく、成分が溶出しやすくなります。
(3)誤りです。主要な水和生成物のうち最も溶解度が大きいのは水酸化カルシウムです。水酸化カルシウムが消費された後に、カルシウムシリケート水和物の溶出が進行します。
(4)問題のとおりです。溶出は、濃度勾配によって、表面近傍でカルシウムイオンおよび水酸化物イオンの濃度低下を生じます。コンクリート表面に接する水の流れが速くなるほど、濃度勾配が大きく保たれるため、成分は溶出しやすくなります。

【問108_風化、溶出】

 コンクリートからの成分溶出に関する記述中の、(A)~(C)にあてはまる次の語句の組合せのうち、適当なものはどれか
 コンクリートからの成分溶出は接水条件に影響され、高度が(A)水では成分溶出が顕著となり、成分溶出が進行するとコンクリート表面のpHが(B)とともに、硬化体組織の多孔化による強度低下を引き起こすこともある。また、接触水の流速が(C)場合ほど劣化が促進される。
(A) (B) (C)
(1) 低い 上昇する 遅い
(2) 低い 低下する 速い
(3) 高い 低下する 遅い
(4) 高い 上昇する 速い
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正解(2)

 コンクリートからの成分溶出は接水条件に影響され、硬度が低い水では成分溶出が顕著となり、成分溶出が進行するとコンクリート表面のpHが低下するとともに、硬化体組織の多孔化による強度低下を引き起こすこともあります。また、接触水の流速が速い場合ほど劣化が促進されます。

【問109_風化、溶出】

 水に接するコンクリート表面からのカルシウムイオン(Ca2;)の溶出に関する次の記述中の(A)および(B)にあてはまる語句として、次の組合せのうち、適当なものはどれか
 コンクリート表面に接する水の硬度が高い場合のほうが、低い場合よりも溶出速度が(A)。
 コンクリート表面に接する水の流れが速い場合のほうが、遅い場合よりも溶出速度が(B)。
(A) (B)
(1) 大きい 大きい
(2) 大きい 小さい
(3) 小さい 大きい
(4) 小さい 小さい
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正解(3)

 溶出は、濃度勾配によって、表面近傍でカルシウムイオンおよび水酸化物イオンの濃度低下を生じます。コンクリートに接する水とコンクリートに濃度差があるほど、溶出が進行しやすくなります。
 コンクリート表面に接する水の硬度が高い場合のほうが、低い場合よりも溶出速度が小さくなります。
 コンクリート表面に接する水の流れが速い場合のほうが、遅い場合よりも溶出速度が大きくなります。

【問110_風化、溶出】

 コンクリートからのカルシウム成分の溶出に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか
(1)カルシウムシリケート水和物(C-S-H)は水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が溶出した後に溶出する。
(2)フライアッシュの混和により、カルシウム成分の溶出は抑制される。
(3)カルシウム成分は、軟水よりも硬水のほうが溶出しやすい。
(4)カルシウム成分が溶出すると、コンクリート中の空隙量が増大する。
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正解(3)

(1)問題のとおりです。主要な水和生成物のうち最も溶解度が大きいのは水酸化カルシウムです。水酸化カルシウムが消費された後に、カルシウムシリケート水和物の溶出が進行します。
(2)問題のとおりです。フライアッシュはセメントの水和反応により生成する水酸化カルシウムと、ポゾラン反応を起こすことで、安定な化合物を生成し、ち密な組織を形成するため、カルシウム成分の溶出は抑制されます。
(3)誤りです。溶出は、濃度勾配によって、表面近傍でカルシウムイオンおよび水酸化物イオンの濃度低下を生じます。コンクリートに接する水とコンクリートに濃度差があるほど、溶出が進行しやすくなります。そのため、コンクリート表面に接する水の硬度が高い場合のほうが、低い場合よりも溶出速度が小さくなります。
(4)問題のとおりです。溶出とは、コンクリート中のセメント水和物成分が周囲の水に溶解して硬化体組織が疎となる劣化現象です。水酸化カルシウムやカルシウムシリケート水和物の溶出が進行すると、コンクリート組織の空隙量が増大します。
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