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【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.2-19)基本問題19

コンクリート診断士 問題と解説Vol.2-19

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【No.91】

圧縮応力を受けるコンクリートの200万回疲労強度に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)圧縮応力を受けるコンクリートの200万回疲労強度に関し,コンクリートの疲労強度は,下限応力が静的強度の10%程度の場合,静的強度の60~70%の範囲にある。
(2)圧縮応力を受けるコンクリートの200万回疲労強度に関し,コンクリートの疲労強打は,水中で繰り返し荷重を受ける場合の方が気中で繰り返し荷重を受ける場合より小さい。
(3)圧縮応力を受けるコンクリートの200万回疲労強度に関し,上限応力がコンクリートの静的強度の70%程度の場合,載荷速度が大きくなるほど疲労強度は小さくなる。
(4)圧縮応力を受けるコンクリートの200万回疲労強度に関し,圧縮強度が同じ場合,軽量コンクリートの疲労強度は,普通コンクリートの疲労強度より小さい。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。静的破壊強度よりも低い応力であっても,それが繰り返し載荷されると,材料は破壊に至ることがあり,これを疲労破壊と呼びます。コンクリートの200満開疲労強度は,一般的に静的強度の60~70%程度であるといわれています。
(2)○正しい。水中での環境下と外気に触れる環境下におけるコンクリートの疲労強度を比較すると,外気中に比べ水中は大きく低下します。
(3)×誤り。上限応力がコンクリートの静的強度の70%程度の場合,載荷速度が小さくなるほど,クリープの影響を受け,疲労強度は小さくなります。
(4)○正しい。圧縮強度が同じ場合,軽量コンクリートは,骨材がポーラスなため変形が生じやすく,疲労強度は普通コンクリートに比べて小さくなります。

【No.92】

コンクリートからのカルシウム成分の溶出に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)カルシウムシリケート水和物は水酸化カルシウムが溶出した後に溶出する。
(2)フライアッシュの混和により,カルシウム成分の溶出は抑制される。
(3)カルシウム成分は,軟水よりも硬水のほうが溶出しやすい。
(4)カルシウム成分が溶出すると,コンクリート中の空隙量が増大する。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。溶出による劣化は,水酸化カルシウムの溶解から開始され,その後にカルシウムシリケート水和物が溶出されます。
(2)○正しい。セメントの水和生成物であるカルシウム成分は溶出しやすいが,フライアッシュの混和により水和反応が生じ,溶出は抑制されます。
(3)×誤り。硬水はもともとカルシウム成分が多く含まれており,コンクリートからの溶出は少なく,軟水のほうが溶出は多くなります。
(4)○正しい。溶出が進行すると,アルカリの消失によるpHの低下,組織の空隙量増加が進行し強度低下を招きます。

【No.93】

普通骨材を用いたコンクリートの火災時における受熱温度と,常温に戻った直後のコンクリリートに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)普通骨材を用いたコンクリートが火災を受け,受熱温度が600℃となった部分では,水酸化カルシウムが焼失している。
(2)普通骨材を用いたコンクリートが火災を受け,受熱温度が500℃となった部分では,常温に戻った直後のヤング係数は火災前の50%以下に低下している。
(3)普通骨材を用いたコンクリートが火災を受け,受熱温度が300℃となった部分では,常温に戻った直後の圧縮強度は火災前の50%以下に低下している。
(4)普通骨材を用いたコンクリートが火災を受け,受熱温度が150℃となった部分では,コンクリート中の結晶水の一部が失われている。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。コンクリート中の水酸化カルシウムは,加熱温度が上昇すると変質し,600℃を超えると消失します。
(2)○正しい。コンクリートのヤング係数は,500℃を超えると,半減します。
(3)×誤り。コンクリートの圧縮強度は、300℃までは大きく低下しませんが、500℃を超えると50%以下となります。
(4)○正しい。コンクリート中の結晶水は100℃で失われてきます。

【No.94】

コンクリート構造物の外観調査に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)目視調査は,コンクリート表面に顕在化した変状の状況やコンクリート構造物全体の変形状況,コンクリート構造物周辺の環境状況等を目視観察や簡単な器具等を用いて把握する調査手法である。
(2)目視調査によるひび割れの調査では,ひび割れの発生方向,本数を把握し記録する。
(3)デジタル画像でコンクリート表面のひび割れを把握するためには,0.2mmのひび割れ幅の場合,一般的に約5mの撮影画角とする必要がある。
(4)デジタル画像でコンクリート表面のひび割れを調査する場合,撮影は明るい環境下で実施し,撮影対象のコンクリート表面の汚れを落すようにする。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。目視調査は,コンクリート表面に顕在化した変状の状況やコンクリート構造物全体の変形状況,コンクリート構造物周辺の環境状況等を目視観察や簡単な器具等を用いて把握する調査手法です。
(2)○正しい。目視調査によるひび割れの調査では,ひび割れの発生方向,本数を把握し記録します。
(3)×誤り。デジタル画像でコンクリート表面のひび割れを把握するためには,0.2mmのひび割れ幅の場合,一般的に約2.5mの撮影画角とする必要があります。
(4)○正しい。デジタル画像でコンクリート表面のひび割れを調査する場合,撮影は明るい環境下で実施し,撮影対象のコンクリート表面の汚れを落すようにします。

【No.95】

コンクリート構造物の圧縮強度調査に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)コンクリート構造物からコアを採取する方法では,ひび割れやコールドジョイント島の欠陥部やその近傍は避ける。
(2)コンクリート構造物からコアを採取する方法では,柱や壁などの鉛直部材では高さ方向により差が生じるのを考慮して,打設下面から1.3mから1.5mの位置を標準とする。
(3)コンクリート構造物からコアを採取する方法では,JISA1107の方法による場合,コア供試体の直径は,粗骨材の最大寸法の5倍以下にしてはならないと規定している。
(4)コンクリート構造物からコアを採取する方法では,コア強度は,コア採取用ドリルのトルクに影響されるのでトルクは14.7kN・mを超えないようにして,切断速度は75mm/min程度とする。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。コンクリート構造物からコアを採取する方法では,ひび割れやコールドジョイント島の欠陥部やその近傍は避ける。
(2)○正しい。コンクリート構造物からコアを採取する方法では,柱や壁などの鉛直部材では高さ方向により差が生じるのを考慮して,打設下面から1.3mから1.5mの位置を標準とします。
(3)×誤り。コンクリート構造物からコアを採取する方法では,JISA1107の方法による場合,コア供試体の直径は,粗骨材の最大寸法の3倍以下にしてはならないと規定しています。つまり,3倍を超えるようにします。粗骨材の最大寸法が25mmであれば,コア供試体の直径は,75mmでなく100mmとすることが望ましいです。
(4)○正しい。コンクリート構造物からコアを採取する方法では,コア強度は,コア採取用ドリルのトルクに影響されるのでトルクは14.7kN・mを超えないようにして,切断速度は75mm/min程度とします。
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