WES試験対策(1級) 問題と解説 No.281~285
このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。
【No.281】 アーク溶接
アーク溶接に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)アーク電圧は、陰極降下電圧と陽極降下電圧の和である。
(2)アーク長が長くなるとアーク電圧は高くなる。
(3)アーク長が同じ場合、シールドガスの種類によってアーク電圧は変化しない。
(4)アーク長が一定の場合、大電流域では、溶接電流の増加に伴ってアーク電圧は緩やかに上昇する。
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誤っている選択肢は (1)、(3)
【解説】
(1)誤り。アーク電圧は「陰極降下」「陽極降下」「アーク柱電圧」の合計で決まります。アーク柱の電圧が大きな割合を占めるため、降下電圧の和だけでは説明できません。
(2)正しい。アーク柱が長くなるほど電圧降下が増えるため、アーク電圧は上昇します。アーク長と電圧はほぼ比例関係にあります。
(3)誤り。シールドガスの種類によってアークの電気伝導性が変わるため、同じアーク長でも電圧は変化します。特にアルゴンと二酸化炭素では大きく異なります。
(4)正しい。大電流域ではアーク柱が膨張し、電圧がわずかに上昇します。電流増加に対して電圧の変化は緩やかです。
【No.282】 アーク溶接
アーク溶接に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)溶接アークのプラズマ気流の流速は10メートル毎秒程度である。
(2)溶接アークの平行な導体に同一方向の電流が通電されると、導体間には電磁力による引力が発生する。
(3)溶接アークのアークが冷却作用を受けて断面を収縮させる作用を電磁的ピンチ効果と呼ぶ。
(4)溶接アークのトーチを母材に対して傾けた場合、アークは電極と母材との最短距離で発生する。
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誤っている選択肢は (1)、(3)、(4)
【解説】
(1)誤り。プラズマ気流は非常に高速で、一般に数十〜数百 メートル毎秒 に達します。10 メートル毎秒 程度ではありません。
(2)正しい。同方向の電流は互いに引き合う性質があり、電磁力による引力が発生します。逆方向なら反発力になります。
(3)誤り。電磁ピンチ効果は「電流による磁界がアークを内側へ締め付ける現象」であり、冷却作用とは関係ありません。
(4)誤り。アークは最短距離ではなく、電流が流れやすい方向に引かれます。トーチ角度によりアークは偏向します。
【No.283】 アーク溶接
アーク溶接に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)ソリッドワイヤを用いるマグ溶接での液滴移行現象について、小電流・定電圧域ではシールドガス組成によらず短絡移行となる。
(2)ソリッドワイヤを用いるマグ溶接での液滴移行現象について、グロビュール移行からスプレー移行へ推移する溶接電流値をベース電流という。
(3)ソリッドワイヤを用いるマグ溶接での液滴移行現象について、シールドガス中のアルゴンへの炭酸混合比率が20%の場合、中電流・中電圧域では反発移行となる。
(4)ソリッドワイヤを用いるマグ溶接での液滴移行現象について、シールドガス中のアルゴンへの炭酸今後比率が20%の場合、大電流・大電圧域ではスプレー移行となる。
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誤っている選択肢は (2)、(3)
【解説】
(1)正しい。小電流域では表面張力が支配的で、どのガスでも短絡移行が支配的になります。
(2)誤り。この電流値は「遷移電流」と呼ばれます。ベース電流はパルス溶接で用いられる別の概念です。
(3)誤り。アルゴン80%、二酸化炭素20%では中電流域でもグロビュール移行が主体で、反発移行にはなりません。
(4)正しい。アルゴン80%、二酸化炭素20%では遷移電流を超えるとスプレー移行が可能になります。
【No.284】 アーク溶接
アーク溶接に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)溶接ビード形成について、溶接電流と溶接速度を一定にして、アーク電圧を高くすると、ビード幅と溶け込み深さは増大する。
(2)溶接ビード形成について、溶接電流とアーク電圧を一定にして、溶接速度を早くするとビード幅と溶け込み深さは増大する。
(3)溶接ビード形成について、アーク電圧と溶接速度を一定にして、溶接電流を増加させるとビード幅と溶け込み深さは増大する。
(4)溶接ビード形成について、小電流・低溶接速度域では、溶落ちや穴あきが発生しやすい。
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誤っている選択肢は (1)、(2)、(4)
【解説】
(1)誤り。アーク電圧を上げるとビード幅は広がりますが、溶け込み深さはむしろ浅くなります。
(2)誤り。溶接速度を速くすると入熱が減り、ビード幅も溶け込み深さも小さくなります。
(3)正しい。溶接電流を増やすと入熱が増え、ビード幅・溶け込み深さともに増大します。
(4)誤り。溶落ちや穴あきは「大電流・低速度」で発生しやすく、小電流ではむしろ溶け込み不足が起こりやすいです。
【No.285】 アーク溶接
アーク溶接に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)プラズマアークを発生させるための作動ガスには、アルゴンと二酸化炭素ガスを用いる。
(2)移行式プラズマは非移行式プラズマに比べて熱効率が悪いものの、非導電材料に適用できる、
(3)ノズル電極の穴径を小さくしすぎるとシリーズアークが発生する場合がある。
(4)プラズマ溶接では、スタンドオフ(ノズル電極と母材間距離)を長くしても、溶け込み深さは大きく変化しない。
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誤っている選択肢は (1)、(2)
【解説】
(1)誤り。プラズマアークの作動ガスはアルゴン・ヘリウム・水素などであり、二酸化炭素は使用されません。
(2)誤り。移行式プラズマは熱効率が高く、非導電材料には適用できません。非導電材料には非移行式が用いられます。
(3)正しい。ノズル径が小さすぎるとアークがノズル内で発生し、シリーズアークとなることがあります。シリーズアークとは、本来母材と電極の間で発生すべきアークが、ノズル内部(ノズル電極と電極の間)で発生してしまう現象のことです。本来のアーク経路とは“別の経路”でアークが発生するため、「直列(シリーズ)」にアークがつながったように見えることから、この名前がついています。
(4)正しい。プラズマアークは集中性が高く、スタンドオフの影響を受けにくいため、溶け込み深さは大きく変化しません。
