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WES試験対策(1級) 問題と解説 No.301~305

WES試験対策(1級) 問題と解説 No.301~305

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【No.301】 冷却曲線

冷却曲線に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)連続冷却変態図における「A」は、オーステナイトである。
(2)連続冷却変態図における「B」は、ベイナイトである。
(3)連続冷却変態図における「F」は、フォートナイトである。
(4)連続冷却変態図における「M」は、マルテンサイトである。
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誤っている選択肢は (3)

【解説】
(1)正しい。オーステナイトとは、鉄が高温域でとる面心立方構造の相で、炭素を多く固溶できる柔らかい組織です。溶接時には母材が高温になった際に一度オーステナイト化し、その後の冷却でさまざまな組織に変態します。
(2)正しい。ベイナイトとは、オーステナイトが中間的な冷却速度で変態してできる組織で、フェライトと炭化物が微細に分布した強靭な組織です。マルテンサイトより靭性が高く、パーライトより強度が高い特徴があります。
(3)誤り。Fはフェライトです。フェライトとは、鉄が常温付近でとる体心立方構造の相で、柔らかく延性に富む組織です。炭素固溶量が低く、溶接部の靭性確保に重要な役割を持ちます。
(4)正しい。マルテンサイトとは、オーステナイトが急冷されることで拡散を伴わずに変態した硬く脆い組織です。低温割れの原因となるため、溶接では過剰生成を避ける必要があります。

【No.302】 冷却曲線

冷却曲線に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)AC3温度は、オーステナイト化が始まる温度である。
(2)溶接熱影響部のマルテンサイト組織を増やすには、炭素当量を減らす。
(3)炭素当量を増やすと、焼入れ性は高くなる。
(4)入熱を減らすと、溶接曲線は左に移動する。
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誤っている選択肢は (1)、(2)

【解説】
(1)誤り。AC3温度とは、加熱時にフェライトが完全に消失し、組織がすべてオーステナイトになる温度です。オーステナイト化が「始まる」のは AC1 温度です。オーステナイト化とは、加熱により組織がオーステナイトに変わる現象です。
(2)誤り。炭素当量とは、鋼の硬化しやすさ(焼入れ性)を示す指標で、炭素・マンガン・クロム などの影響をまとめた値です。炭素当量が高いほどマルテンサイトが増え、低いほど減ります。したがって「増やすには炭素当量を増やす」が正しい関係です。
(3)正しい。焼入れ性とは、冷却時に硬い組織(マルテンサイト)ができやすい性質のことです。炭素当量が高いとオーステナイトが安定し、変態が遅れるため、急冷時にマルテンサイトが生成しやすくなります。
(4)正しい。溶接曲線の横軸は温度であり、左ほど低温です。入熱を減らすと溶接部の最高温度が下がるため、溶接曲線は左側に移動します。

【No.303】 低温割れ

低温割れに関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)低温割れの発生要因として、0℃以下の低温環境が挙げられる。
(2)低温割れの要因として、硬化組織が挙げられる。
(3)低温割れの要因として、拡散性水素が挙げられる。
(4)低温割れの要因として、引張応力が挙げられる。
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誤っている選択肢は (1)

【解説】
(1)誤り。低温割れとは、溶接後の冷却過程で硬化組織+水素+引張応力が重なることで発生する遅れ割れです。外気温が低いことは直接の要因ではありません。
(2)正しい。硬化組織(マルテンサイト)は脆く、水素の侵入により割れが発生しやすくなります。硬い組織ほど低温割れの危険性が高まります。
(3)正しい。拡散性水素は溶接金属に侵入し、内部に集まることで割れを引き起こします。水素は低温割れの最重要因子の一つです。
(4)正しい。溶接後の収縮による残留応力や外力が引張応力として作用し、硬化組織+水素と重なると割れが発生します。

【No.304】 低温割れ

低温割れに関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)低温割れの防止策として、炭素当量の低い鋼材の使用が挙げられる。
(2)低温割れの防止策として、溶接割れ感受性組成の高い鋼材の使用が挙げられる。
(3)低温割れの防止策として、直後熱の採用が挙げられる。
(4)低温割れの防止策として、低水素系被覆アーク溶接棒の使用が挙げられる。
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誤っている選択肢は 無し

【解説】
(1)正しい。炭素当量が低い鋼材は硬化しにくく、マルテンサイトが生成しにくいため、低温割れの危険性が低くなります。
(2)正しい。Pcmとは、溶接割れ感受性を示す指標で、炭素当量より低温割れとの相関が高いとされます。Pcmが低い鋼材ほど割れにくく、防止策として有効です。
(3)正しい。直後熱とは、溶接直後に軽く加熱して冷却速度を緩やかにする処置です。硬化組織の生成を抑え、水素の拡散を促進するため、低温割れ防止に有効です。
(4)正しい。低水素系溶接棒は溶接金属中の拡散性水素を大幅に減らせるため、低温割れ防止に非常に効果的です。

【No.305】 低温割れ

低温割れに関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)低温割れの防止策として、ティグ溶接、ソリッドワイヤを用いたマグ溶接の採用が挙げられる。
(2)低温割れの防止策として、溶接入熱を下げることが挙げられる。
(3)低温割れの防止策として、溶接棒の乾燥が挙げられる。
(4)低温割れの防止策として、冷却速度を上げることが挙げられる。
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誤っている選択肢は (2)、(4)

【解説】
(1)正しい。ティグやソリッドワイヤは水素源が少なく、溶接金属中の水素量を低く抑えられるため、低温割れ防止に有効です。
(2)誤り。入熱を下げると冷却が速くなり、硬化組織(マルテンサイト)が増えて低温割れの危険性が高まります。防止策としては逆効果です。
(3)正しい。溶接棒が吸湿すると水素量が増え、低温割れの原因になります。乾燥保持は水素低減に不可欠です。
(4)誤り。冷却速度を上げると硬化組織が増え、低温割れの危険性が高まります。防止策としては冷却速度を下げる(予熱・直後熱)が正しい方向です。
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