凍害とは?
凍害は、コンクリート内部の水が凍結と融解を繰返すことで、コンクリートが膨張圧力を受け、劣化する現象です。
水は、凍結すると約9%の体積膨張を生じます。
この凍結時の膨張圧力を、繰返し受けることにより、コンクリートは、ポップアウト、スケーリング、微細ひび割れといった凍害による劣化を生じます。
「初期凍害」と「凍害」の違いに注意
初期凍害は、コンクリート打設後、5N/mm2以上の強度が発現する前に、コンクリートが凍結してしまうことで、硬化不良などの不具合を起こす現象です。
一方、凍害は、コンクリートが硬化した後に生じる現象です。
凍害の特徴
- 気温低下の厳しい環境下では、北面ではなく凍結融解の繰り返しが多い南・西面での被害が多い
- 吸水率が大きい骨材でポップアウトが起こる
- AE剤で連行される空気(エントレインドエア)で、直径が30~250μm程度、気泡間隔係数が200~250μm以下で耐久性が向上
※エントレインドエア(微細な気泡)が凍結時に起こる膨張圧力をに対してクッションの働きをすることで耐凍害性が向上する
コンクリートの組成
空気 | |
エントラップトエア | コンクリート内に0.5~3%含まれる。 自然に取り込まれる気泡。表面気泡の原因。 |
エントレインドエア | 微細で均一に分散した気泡、ベアリング効果により ワーカビリティを改善する。 微細な気泡がクッションの働きをし、凍結融解時の応力を 分散することにより、耐凍害性が向上する。 空気量が6%より多い場合、耐凍害性は向上しなくなる。 JASS5では空気量の基準値は4.5%と定められている。 |
水 | |
自由水・余剰水 | 水セメント比40%を超えた分の水、 生コンの流動性向上、自然蒸発水として必要、 過剰にあると強度低下、耐久性低下等を引き起こす。 |
硬化水 | 水和反応に約25%、ゲル水(結合水)として約15% |
骨材 | |
細骨材 | 10mmふるいをすべて通過し、5mm以下のものが重量で85%以上含まれる骨材 |
粗骨材 | 5mm以上のものが重量で85%以上含まれる骨材 |