サイトアイコン Blog AtoZ

【中性化】とは?中性化深さの測定方法にはフェノールフタレインを用いる

中性化とは?

 中性化とは、空気中の二酸化炭素(CO2)がコンクリート中に拡散し、コンクリートのアルカリ性を保っている水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と反応することで、pHが低下する現象を言います。

拡散とは?

 CO2が、コンクリート内部に侵入することを、「拡散する」と言います。拡散は、CO2がコンクリート内部の細孔溶液に溶けることにより生じます。細孔溶液の量が少ない乾燥状態のコンクリートや、逆に細孔溶液がコンクリート組織の細孔を満たしている場合は、CO2の拡散は起こりにくいため、中性化速度は遅くなります。

pHの低下とは?

 pHとは、水溶液中の水素イオン濃度指数です。指数はaのn乗(an)で表されるときのnのことです。pHの数値を表す際には、a=10として考えます。例えば、pHが12から10に減ると、溶液中の水素イオン(H+)の数が100(102)倍になります。

 

 pHが減ると、酸性化(中性化)することになります。普通ポルトランドセメントを用いた、普通コンクリ―トのpHは12~13で高アルカリです。混合セメントを用いたコンクリートは、混合材が水酸化カルシウムと反応することでpHが11程度になります。

 

 鉄筋コンクリート構造物のコンクリートが中性化すると、内部の鉄筋が腐食して(さびて)膨張し、コンクリート表面のひび割れや剥落といった劣化が生じます。一般に、pHが10程度以下になると鉄筋の腐食が開始するといわれています。

中性化の特徴

中性化深さ

 中性化深さ(C)は経過時間(t)の平方根に比例する

$$C=α\sqrt{t}$$

α=中性化速度係数(中性化深さの実測値から逆算)

中性化(酸化)の化学式

Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O

水酸化カルシウム(アルカリ性)と二酸化炭素が反応し、炭酸カルシウム(中性)と水が生成

中性化深さの測定

フェノールフタレイン1%溶液を用い、アルカリ性(PH10以上)で赤紫色に呈色する反応から中性化深さを推定します。

JIS(JIS A 1155)によるコンクリートの中性化深さの測定方法

はつりによる方法

コア採取による方法

その他コンクリートの中性化深さの測定方法

ドリル法

モバイルバージョンを終了