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【骨材の安定性試験】硫酸ナトリウムの結晶圧を利用

骨材の安定性試験とは?

骨材の耐凍害性を評価する試験です。

凍害は、骨材に含まれる水が凍結する際に作用する膨張圧により骨材自身が膨張することで起こります。凍害に関してはこちらのページを参照してください。

水が凍結する際の膨張圧を、硫酸ナトリウムの結晶化による結晶圧で与えることで、骨材の耐凍害性を評価します。

一般的にJIS A 1122『硫酸ナトリウムによる骨材の安定性試験方法』により行われます。

試験方法

  1. 骨材をふるいにかけ、骨材の粒径を整え、ふるいに残った1郡の骨材の質量を量ります。
    (m1:試験前の資料の質量(g))
  2. 骨材を硫酸ナトリウム水溶液に16~18時間浸漬し、試料を溶液から取り出して、液が滴らなくなった後、1時間に40±10℃の割合で上げ105±5℃の温度で4~6時間乾燥させる
  3. 乾燥した骨材を室温まで冷やす
  4. 上記2.3の操作を5回繰り返す。

5回繰り返すと、骨材が膨張圧により粉砕されます。粉砕の状況(割れ、はげ落ち、等)を観察し、再度1.で使用したふるいに掛け、そのふるいにとどまった資料の質量を量ります。
(m2:試験前に資料がとどまったふるいに残る試験後の資料の質量(g))

骨材の損失質量分率

骨材の損失質量分率(P)は次の式によって算出し、四捨五入を行って、小数点以下1桁に丸めます。

P=(m2/m1)×100

P:骨材の損失質量分率(%)
m1:試験前の資料の質量(g)
m2:試験前に資料がとどまったふるいにから損失した質量(g)

凍害耐久性の判定

JIS A 5308付属書A『砂利及び砂の品質』には、耐凍害性を保証するために、下表内容であることが記載されています。

安定性=損失百分率(%)
砂利(砕石) 12以下
砂(砕砂) 10以下

骨材はコンクリート容積の70%前後を占めるため、その性質がコンクリートの品質に与える影響は大きいです。

骨材の安定性試験からわかる、骨材の膨張しやすさから、スケーリングやポップアウトといった不具合を引き起こす可能性が高くなります。

硫酸ナトリウムの水和による体積変化

硫酸ナトリウム水溶液が、骨材の安定性試験時に結晶として析出する際の体積変化を下表に示します。

化学式 Na2SO4+H2O Na2SO4・10H2O
密度(g/cm3 2.68 1.46
体積比 1.00 3.15

結晶析出に伴う圧力比の温度による差

JIS A 1122『硫酸ナトリウムによる骨材の安定性試験方法』には、温度管理について細かく規定されています。これは、硫酸ナトリウムの結晶化に伴う圧力が温度によって異なるため、骨材の安定性を調査するためには同一の条件としなければならないためです。

結晶析出に伴う圧力比
温度(g/cm3 50°
圧力比 1.00 1.185

 

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