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主任技士過去問解説【平成30年、No.6】水粉体容積比

問題文

下表に示す配(調)合条件で高流動コンクリートの試し練りを行ったところ、目標とする自己充填性を満足しなかった。そこで、細骨材率および空気量は変更せず、水粉体容積比を90%に、単位粗骨材絶対容積(コンクリート1m3を造るときに用いる粗骨材の絶対容積)を0.300(m3/m3)に変更した修正配(調)合で再度試し練りを行うこととした。修正配(調)合の単位水量として、適当なものはどれか

水粉体容積比(%) 単位水量(kg/m3 単位粗骨材絶対容積(m3/m3 空気量(%)
100 165 0.310 5.0

(1)160kg/m3
(2)166kg/m3
(3)175kg/m3
(4)184kg/m3

問題解説(解き方)

この手の問題が出てきたら、自分で表を作成しましょう。その際、単位に気を付けてください。コンクリートは1m3中に含まれる材料の割合が問題になることが多いですが、材料の質量(kg)なのか容積(m3or L)なのかを明確にする必要があります。

ここで、注意しなければならないのは、水は1000kg=1m3であるということです。

この問題では、問題文から”容積”について表をまとめることで問題が解けそうです。

修正前の配(調)合 水(m3/m3) 粉体(m3/m3) 細骨材(m3/m3) 粗骨材(m3/m3) 空気(m3/m3) 合計
絶対容積 0.165 C S 0.310 1×5%=0.05 1.00
割合 S/0.165×100=100(水粉体容積比) RG RS 5.0 100

※C:Cement、S:Sand、RG:Ratio Gravel、RS:Ratio Sandの意味で記号を決めています。

分かるところから埋めていきましょう。

まずは、粉体の絶対容積Cです。

水紛体比((W/C)×100)が100%なので、Cは以下のように求められます。

$$\begin{eqnarray}
\frac{W}{C}×100 &=& 100\\
C &=& 100×\frac{W}{100}
&=& W=0.165
\end{eqnarray}$$

次に細骨材の絶対容積です。

細骨材以外の単位容積あたりの絶対容積が分かっていますので、計算は以下のようになります。

$$S=1.00-(0.165+0.165+0.310+0.05)=0.310$$

細骨材率RS、粗骨材率RGは以下になります。

$$R_{S}=\frac{S}{S+G}×100=\frac{0.310}{0.310+0.310}×100=50$$

$$R_{G}=50$$

これで修正前の配(調)合が分かりました。

次に修正後の配(調)合について、表にまとめます。

修正後の配(調)合 水(m3/m3) 粉体(m3/m3) 細骨材(m3/m3) 粗骨材(m3/m3) 空気(m3/m3) 合計
絶対容積 W’ C’ S’=0.300 0.300 1×5%=0.05 1.00
割合 S’/C’×100=90(水粉体容積比) 50 50 5.0 100

問題文から、細骨材率は変更しないことが分かっているため、細骨材の絶対容積S’は下式になります。

$$R_{G’}=\frac{G’}{S’+G’}×100=\frac{0.300}{S’+0.300}×100=50$$

$$S’=0.300$$

また、これでW’とC’について連立して問題が解けそうです。
①水粉体比について
②絶対容積の合計について
この2式について連立方程式を解いていきます。

$$\begin{cases}
\frac{W’}{C’}×100=90 \\
W’+C’+0.300+0.300+0.05=1.00\end{cases}$$

これを解くと、W’=0.1657(m3)≒166(kg/m3

答えは(2)となります。

配(調)合の問題では、容積なのか質量なのかどちらで問題が解けそうかを判断し、表を作成して解くと分かりやすいと思います。以上です。

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