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【コンクリート主任技士過去問解説】平成29年度No6~10

コンクリート主任技士過去問 問題と解説

【平成29年度―問題6】

 各種化学混和剤の特徴とJIS A 6204(コンクリート用化学混和剤)に規定される減水率に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか
(1)AE剤は、コンクリート中に多くの独立した微細な気泡を一様に連行し、ワーカビリティおよび耐凍害性を向上させることができ、減水率は6%以上と規定されている。
(2)高性能減水剤は、スランプを一定とした条件で単位水量を大幅に減少させることができるため、高強度コンクリートの製造に用いられており、減水率は、12%以上と規定されている。
(3)高性能AE減水剤は、空気連行性をもち、高い減水性能と優れたスランプ保持性能を有しており、減水率は18%以上と規定されている。
(4)流動化剤は、あらかじめ練り混ぜられたコンクリートに後から添加することでセメントの分散性能を発揮し、コンクリートの流動性を増大させることができ、減水率は6%以上と規定されている。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。AE剤は微細な空気を一様に連行し、ボールベアリング効果により、ワーカビリティおよび耐凍害性を向上させます。減水率は、6%以上であることが規定されています。
(2)問題のとおりです。高性能減水剤は、セメントの分散性能を持ち、スランプを一定とした条件で単位水量を大幅に減少させることができます。減水率は、12%以上と規定されています。
(3)問題のとおりです。高性能AE減水剤はAE剤と高性能減水剤の両方の性能をあわせもちます。減水率は12+6で、18%以上と規定されています。
(4)誤りです。流動化剤には減水率の規定はありません。

【平成29年度―問題7】

 下図は、鋼材の含有炭素量と鋼材の引張強さ、降伏点、伸びの関係の一例を表している。図中の曲線A~Cの組合せとして適当なものはどれか
A B C
(1) 引張強さ 伸び 降伏点
(2) 伸び 引張強さ 降伏点
(3) 引張強さ 降伏点 伸び
(4) 降伏点 引張強さ 伸び
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正解(3)

 鉄は、含有炭素量が多いほど、伸びが小さくなります。Cは伸びです。降伏点よりも引張強さのほうが大きいので、Aは引張強さ、Bは降伏点です。

【平成29年度―問題8】

 コンクリートの配(調)合の修正に関する次の記述のうち、正しいものはどれか
(1)粗骨材を実績率の小さいものに変更したので、同一のスランプを得るために、単位水量を減らすとともに細骨材率を小さくした。
(2)単位水量を変えずにスランプを大きくするために、AE減水剤を高性能AE減水剤に変更し、細骨材率を大きくした。
(3)暑中期において、コンクリート温度が高くなることが予想されたので、同一のスランプおよび空気量を得るために、単位水量を減らすとともに、AE剤の使用量を減らした。
(4)粗骨材を最大寸法25mmの砂利から20mmの砕石に変更したので、同一のスランプを得るために、単位水量を大きくし、粗骨材率を小さくした。
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正解(2)

(1)誤りです。粗骨材の実績率を小さくすると、スランプが小さくなります。同一のスランプを得るためには、単位水量を増す必要があります。さらに、細骨材率を大きくし、スランプを大きくする必要があります。
(2)問題のとおりです。単位水量を変えずにスランプを大きくするためには、AE剤をAE減水剤に変更するのは、正しい記述です。細骨材率を大きくすることも、スランプを大きくするために有効です。
(3)誤りです。コンクリート温度が高くなる場合、コンクリートの空気保持性能が低下するため、単位セメント量を大きくし、空気保持性能を高める必要があります。単位セメント量を大きくすると、スランプが小さくなるため、同一のスランプを得るためには、単位水量を増大する必要があります。単位セメント量と単位水量が増大するため、AE剤の添加量は多くします。
(4)誤りです。粗骨材の最大寸法を25mmの砂利から20mmの砕石に変更すると、スランプが小さくなります。同一のスランプを得るためには、単位水量を大きくし、粗骨材率を大きくする必要があります。

【平成29年度―問題9】

 下表に示す軽量粗骨材を用いたコンクリートの計画配(調)合において、試し練りを行った結果、フレッシュコンクリートの単位容積質量は1956kg/m3であった。このコンクリートの実際の空気量として適当なものはどれか
 ただし、セメントの密度を3.16g/cm3、混和剤を含む水の密度を1.00g/cm3、細骨材の表乾密度を2.62g/cm3、軽量粗骨材の事前吸水(プレウエッティング)後の表乾密度を1.64g/cm3とする。
単位量(kg/m3)
セメント 粗骨材 軽量粗骨材
175 330 885 546

※ 事前吸水後の表面乾燥飽水状態とする

(1)4.0%
(2)4.2%
(3)5.0%
(4)5.3%
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正解(1)

この手の問題が出たら、まずは密度、容積、質量の表を作成しましょう。

表から、計画では単位容積質量が1936kg/m3であることがわかります。また、その時の空気量を除いた単位体積質量は、1936/(1000-50)=2.038kg/Lです。

次に、試し練りでは1956kgだったので、1956/2.038=959.8L/m3より、1000-959.8=40.2L/m3

つまり、空気量は40.2/1000=0.0402=4.0%ということになります。

【平成29年度―問題10】

 下表に示す条件の高流動コンクリートの配(調)合において、粉体容積の30%をフライアッシュとすることとした。その場合、フライアッシュの単位量として適当なものはどれか
 ただし、セメントの密度を3.15g/cm3、フライアッシュの密度を2.28g/cm3、水の密度を1.00g/cm3、細骨材の表乾密度を2.60g/cm3、粗骨材の表乾密度を2.64g/cm3とする。
単位水量
(kg/m3
空気量
(%)
細骨材量
(%)
単位粗骨材絶対容積
(m3/m3)
160 4.5 48.0 0.320
(1)123kg/m3
(2)154kg/m3
(3)170kg/m3
(4)212kg/m3
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正解(1)

①単位細骨材絶対容積S

S/(0.320+S)=0.48より
S=0.295(m3/mLsup>3)

②1m3あたりの単位粉体容積

1.000-(0.320+0.295+0.045+0.160)=0.180(m3/mLsup>3)

③フライアッシュの容積

0.180×0.3=0.054(m3/mLsup>3)

④フライアッシュの単位量
0.054×2.28×1000=123(kg/m3)

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