土の基本量
土の性質は、以下のように4つの基本量で表されます。
- 空気(air)
- 水(water)
- 土粒子(soil)
- 間隙(void)
土の状態を表すには、上で示した4つの基本量を使います。
土の状態を表す式(量)
上の図からも分かるとおり、土の性質は体積(Volume)と質量(mass)の関係から表します。質量の単位は、グラムが使われることが多いです。ここで、重量=質量×重力加速度であることを覚えておいてください。
体積に関する式
体積に関する式 | |
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間隙比 | \({e}=\frac{{V}_{v}}{{V}_{s}}=\frac{\rho_{s}}{\rho_{d}-1}\) |
間隙率 | \({n}=\frac{{V}_{v}}{{V}_{s}+{V}_{v}}{×}100=\frac{\frac{{V}_{v}}{{V}_{s}}{1+\frac{{V}_{v}}{{V}_{s}}}}{×100}=\frac{{e}}{1+{e}}{×}100\) |
飽和度 | \({S}_{r}=\frac{{V}_{w}}{{V}_{v}}{×}100=\frac{{w}\rho_{s}}{{e}\rho_{w}}{×}100\) |
質量に関する式
質量に関する式 | |
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含水比 | \({w}=\frac{{m}_{w}}{{m}_{s}}{×}100{(%)}\) |
体積と質量の両方に関する式
質量に関する式 | |
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土粒子の密度 | \(\rho_{s}=\frac{{m}_{s}}{{V}_{s}}{(g/c{m}^3)}\) |
湿潤密度 | \(\rho_{t}=\frac{{m}}{{V}}=\frac{{m}_{w}+{m}_{s}}{{V}}{(g/c{m}^3)}\) |
乾燥密度 | \(\rho_{d}=\frac{{m}_{s}}{{V}}{(g/c{m}^3)}\) |
湿潤単位体積重量 | \(\gamma_{t}=\frac{{m}{g}}{{V}}=\rho_{t}{g}{(kN/{m}^3)}\) |
乾燥単位体積重量 | \(\gamma_{d}=\frac{{m}_{s}{g}}{{V}}=\rho_{d}{g}{(kN/{m}^3)}\) |
水中単位体積重量 | \(\gamma{’}=\gamma_{sat}-\gamma_{w}{(kN/{m}^3)}\) |
土の状態を表す式について、それぞれ説明していきます。
間隙比e
間隙比eは、間隙の体積Vvと土粒子の体積Vsの比で表します。
$${e}=\frac{{V}_{v}}{{V}_{s}}=\frac{\rho_{s}}{\rho_{d}-1}$$
間隙率n
間隙率nは、間隙の体積Vvと土全体の体積Vの比の百分率(%)で表しす。
$${n}=\frac{{V}_{v}}{{V}_{s}+{V}_{v}}{×}100=\frac{\frac{{V}_{v}}{{V}_{s}}{1+\frac{{V}_{v}}{{V}_{s}}}}{×100}=\frac{{e}}{1+{e}}{×}100$$
飽和度Sr
飽和度Srは、間隙に水と空気がともに存在する不飽和土において、間隙の体積Vv中の、水の体積Vwを百分率で表します。
$${S}_{r}=\frac{{V}_{w}}{{V}_{v}}{×}100=\frac{{w}\rho_{s}}{{e}\rho_{w}}{×}100$$
含水比w
含水比wは、水の質量mwと土粒子の質量msの比を百分率(%)で表します。
$${w}=\frac{{m}_{w}}{{m}_{s}}{×}100{(%)}$$
土粒子の密度ρs
土粒子の密度ρsは、土粒子の単位体積あたりの、土粒子の質量で表します。つまり、土粒子自身の単位体積質量(密度)です。
$$\rho_{s}=\frac{{m}_{s}}{{V}_{s}}{(g/c{m}^3)}$$
湿潤密度ρt
湿潤密度ρtは、間隙中の水を含めた、土の単位体積当たりの質量mで表します。
$$\rho_{t}=\frac{{m}}{{V}}=\frac{{m}_{w}+{m}_{s}}{{V}}{(g/c{m}^3)}$$
乾燥密度ρd
湿潤密度ρdは、間隙中の水を除いた、土の単位体積当たりの質量msで表します。
$$\rho_{d}=\frac{{m}_{s}}{{V}}{(g/c{m}^3)}$$
湿潤単位体積重量γt
湿潤単位体積重量γtは、湿潤密度ρtに重力加速度g(=9.8m/s2)を掛けて表します。荷重計算する場合に不飽和土および、地下水位より浅い位置の飽和土に働く重力の大きさです。
$$\gamma_{t}=\frac{{m}{g}}{{V}}=\rho_{t}{g}{(kN/{m}^3)}$$
$$\gamma_{t}=\frac{{m}{g}}{{V}}=\rho_{t}{g}{(kN/{m}^3)}$$
乾燥単位体積重量γt
乾燥単位体積重量γsは、乾燥密度ρsに重力加速度g(=9.8m/s2)を掛けて表します。荷重計算する場合に乾燥土に働く重力の大きさです。
$$\gamma_{t}=\frac{{m}{g}}{{V}}=\rho_{t}{g}{(kN/{m}^3)}$$
$$\gamma_{t}=\frac{{m}{g}}{{V}}=\rho_{t}{g}{(kN/{m}^3)}$$
水中単位体積重量γ’
水中単位体積重量γ’は、飽和土の単位体積重量γsatから水の単位体積重量γwを引いて表します。飽和土の単位体積重量γsatは飽和土の密度ρsatに重力加速度g(=9.8m/s2)を掛けて表します。
水の単位体積重量γwは水の密度ρw=1.00(g/cm3)に、単位系を揃えたうえで重力加速度gを掛けて表します。
$$\gamma{’}=\gamma_{sat}-\gamma_{w}{(kN/{m}^3)}$$
以上、土の基本量についてまとめました。どなたかのお役に立てば幸いです。