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【過去問演習(2)No.101-105_配合・調合設計、施工】コンクリート技士 問題と解説

【No2-21】聞き流し_コンクリート技士_一問一答

【No.101】

JISA5308(レディーミクストコンクリート)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)JISA5308(レディーミクストコンクリート)では,軽量コンクリートの荷卸し時点における空気量を4.5%とし,その許容差を±1.5%と規定している。
(2)JISA5308(レディーミクストコンクリート)によれば,「高強度,50,60,20,L」のコンクリートのスランプフローの許容差は±10cmである。
(3)JISA5308(レディーミクストコンクリート)によれば,異なる種類の骨材を混合して用いる場合,骨材に含まれる塩化物量については,混合後とともに混合前の各骨材の塩化物含有量がそれぞれの骨材の規定を満たしていなければならない。
(4)JISA5308附属書A(レディーミクストコンクリート用骨材)によれば,アルカリシリカ反応性試験において”無害”と判定された細骨材と”無害でない”と判定された細骨材を,9:1の質量比で混合して用いる場合,細骨材全体は区分Aとして取り扱うことができる。
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正解は(2)

【解説】
(1)×誤り。JISA5308では,「荷卸し地点での空気量は,普通コンクリート,舗装コンクリートおよび高強度コンクリートにあっては4.5%,軽量コンクリートにあっては,5.0%」と規定しています。また,空気量の許容差は,すべてのコンクリートの種類において±1.5%と規定しています。
(2)○正しい。JISA5308では,「荷卸し地点でのスランプフローの許容差は,スランプフロー50cmにあっては±7.5cm,スランプフロー60cmにあっては±10cm」と規定しています。[高強度,50,60,20,L]は,恬熱ポルトランドセメントおよび最大寸法20mmの粗骨材を使用した呼び強度50,スランプフロー60cmの高強度コンクリートです。スランプフローが60cmであるので,スランプフローの許容差は±10cmです。
(3)×誤り。混合前の各骨材の品質は,塩化物量および粒度を除いて,それぞれの規定に適合しなければなりません。混合後の骨材の塩化物量は,砂の塩化物量の規定に適合しなければなりません。
(4)×誤り。骨材の一部に無害でない(区分B)ものを混合して用いる場合,ペシマム量の値が不明なので,JISA5308ー2014(レディーミクストコンクリート)附属書A(レディーミクストコンクリート用骨材)では,「骨材の一部に,アルカリシリカ反応性試験による区分Bのものを混合した場合は,この骨材全体を無害であることが確認されていない骨材として取り扱わなければならない」と規定しています。したがって,無害と判定された細骨材と無害でないと判定された細骨材を9:1の質量比で混合して用いる場合,細骨材全体は区分Bとして取り扱わなければなりません。

【No.102】

コンクリートの製造に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)JISA5308附属書D(トラックアジテータのドラム内に付着したモルタルの使用方法)によれば,付着モルタル安定剤を添加してトラックアジテータのドラム内に付着したモルタルを再利用する場合,源となるコンクリートは普通コンクリートもしくは高強度コンクリートに限定される。
(2)JISA5308(レディーミクストコンクリート)によれば,納入書にメビウスループを表示できるコンクリートに使用されるリサイクル材の一つとして,再生骨材Hが含まれる。
(3)JISA5308附属書C(レディーミクストコンクリートの練り混ぜに用いる水)によれば,スラッジ固形分率とは,スラッジ水中に含まれるスラッジ固形分の質量濃度のことである。
(4)アルカリシリカ反応には,反応性骨材単体で用いた場合より反応性骨材と非反応性骨材を混合して用いた場合に膨張量がもっとも大きくなる場合がある。
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正解は(2)(4)

【解説】
(1)×誤り。JISA5308(レディーミクストコンクリート)では,「普通コンクリートの場合は,練り混ぜたコンクリートをトラックアジテータから全量排出しか後,トラックアジテータのドラムの内壁,羽根などに付着しているフレッシュモルタルを付着モルタル安定剤を用いて再利用してよい。軽量コンクリート,舗装コンクリート及び高強度コンクリートの場合は,付着モルタルの再利用は行わない」と規定しています。
(2)○正しい。JISA5308ー2014(レディーミクストコンクリート)では,「生産者は次表に示すリサイクル材を用いている場合にはJISQ14021ー2000(環境ラベル及び宣言一自己宣言による環境主張)に規定するメビウスループを,使用材料名の記号及びその含有量を付記して,納入書に表示することができる」と規定しています。
(3)×誤り。JISA5308ー2014(レディーミクストコンクリート)附属書C(レディーミクストコンクリートの練り混ぜに用いる水)では,スラッジ固形分率を「レディーミクストコンクリートの配合における,単位セメント量に対するスラッジ固形分の質量の割合を分率で表したもの」と定義しています。スラッジ水中に含まれるスラッジ固形分の質量濃度ではありません。
(4)○正しい。アルカリシリカ反応には,反応性骨材単体で用いた場合より反応性骨材と非反応性骨材を混合して用いた場合に膨張量がもっとも大きくなる場合があり,膨張量がもっとも大きくなる場合の骨材に含まれる反応性骨材の割合をペシマム量といいます。

【No.103】

コンクリートの圧送に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)ベンド管の数を多くすると,圧送負荷が小さくなる。
(2)圧送距離を長くすると,圧送負荷が小さくなる。
(3)時間当たりの吐出量を多くすると,圧送負荷が大きくなる。
(4)輸送管の径を大きくすると,圧送負荷が大きくなる。
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正解は(3)

【解説】
(1)×誤り。ベンド管の数を多くすると,コンクリートの変形の回数が多くなる,従って圧送負荷が大きくなります。
(2)×誤り。圧送距離を長くすると,コンクリートを移動させる距離が長くなり圧送負荷が大きくなります。
(3)○正しい。時間当りの吐出量を多くすることは,コンクリートをより多く移動させることになるため,圧送負荷が大きくなります。
(4)×誤り。輸送管の径を大きくすると,圧送されるコンクリートの単位容量あたりの輸送管内面とコンクリートの摩擦面積は,径の小さい輸送管に比べて小さくなり,コンクリート単位容量あたりの圧送負荷は小さくなります。

【No.104】

現場内におけるコンクリートの運搬に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)コンクリートバケットをクレーンで運搬する方法は,材料分離を生じにくい。
(2)スクイズ式のコンクリートポンプは,ピストン式のコンクリートポンプと比べて長距離の圧送に適している。
(3)ベルトコンベアによる運搬は,スランプの大きなコンクリートには適さない。
(4)斜めシュートは,縦シュートよりも材料分離を生じやすい。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。コンクリートバケットをクレーンで運搬する方法は,コンクリートに加わる振動が少なく,材料分離を生じにくいです。
(2)×誤り。スクイズ式のコンクリートポンプは,コンクリートの入っているチューブをローラーで押し潰しながらコンクリートを前に進める方式です。コンクリートチューブを押し潰すにはコンクリートに大きなせん断力を加えなければなりません。このためピストン式のコンクリートポンプと比べて長距離の圧送には適していません。
(3)○正しい。ベルトコンベアによる運搬は,コンベアのローラー上をベルト上のコンクリートが通過する際振動が加わりスランプの大きなコンクリートは分離を生じやすいです。このためスランプの大きなコンクリートの輸送には適していない,
(4)○正しい。斜めシュートは,シュート上をコンクリートが移動する際コンクリート中の材料の単位容積質量の差により分離を生じやすいです。縦シュートは本来シュート内を自由落下するため材料分離を生じやすいですが,ある一定の高さごとにコンクリートの自由落下を溜める機構を有しており材料分離を生じ難いです。

【No.105】

コンクリートの打ち込みおよび締め固めに関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)打ち込み時の材料分離を抑制するには,自由落下高さを小さくするのがよい。
(2)壁にコンクリートを打ち込む場合,横に流しながら打ち込むのがよい。
(3)棒形振動機の挿入間隔は2m程度とするのがよい。
(4)振動締め固めは一箇所でできるだけ長く行うのがよい。
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正解は(1)

【解説】
(1)○正しい。打ち込み時の材料分離の要因は種々ありますが,コンクリートを自由落下させるのはきわめて大きな要因の一つです。材料分離の抑制には,自由落下高さを小さくするのは,対策の要です。
(2)×誤り。コンクリートを水平に移動させる(流す)ことそのものが,材料分離の要因となり好ましいことではありません。さらに壁型枠の中でコンクリートを横に流しながら打ち込むのは縦方向の鉄筋によりコンクリート移動(流れ)が阻害され,より材料分離の可能性が高くなります。壁状部材にコンクリートを打ち込む際は,極力横移動を避けなければなりません。
(3)×誤り。棒形振動機にはその性能に見合う有効範囲は通常40~50cmです。棒形振動機の挿入間隔は,その有効範囲が重なる最大限の間隔,すなわち1m程度を限度としなければなりません。
(4)×誤り。振動締め固めはコンクリート内部に残った気泡を除去する目的で行います。振動締め固めを行い気泡が浮き上がって来た後さらに振動を加え続けると,材料の単位容積質量差による材料分離を生じます。振動締め固めは,気泡がコンクリート表面に上がり終りセメントペーストが浮き上がり始めたら終了しなければなりません。
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