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【過去問演習(3)No.91-95_施工】コンクリート技士 問題と解説

【No3-19】聞き流し_コンクリート技士_一問一答

【No.91】

コンクリートの打ち込みに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)充填状況を確認するため,透明型枠を用いた。
(2)型枠の変形を防ぐため,片押しにより打上がり速度を大きくした。
(3)コールドジョイントの発生を防ぐため,外気温20℃で120分以内を目安として打ち重ねた。
(4)振動機で十分に締め固めるため,1層の打ち込み高さを50cmとした。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。透明型枠は,床あるいは壁型枠として使用し,組み立てた型枠内部を明るくして,充填状況を確認することができるため,充填不良を防ぐのにも有効です。
(2)×誤り。片押しによってコンクリートを打ち込むと,コールドジョイントを防ぐことができます。しかし,打上がり速度が大きくなるため,型枠の変形は大きくなります。
(3)○正しい。コンクリートを打ち重ねる際,新コンクリートに振動を加えると同時に,先に打ち込んだコンクリートに再振動を加え一体化を図ります。このため,コンクリートの再振動可能な時間として,気温25℃を境に150分あるいは120分を限度として打ち重ね時間間隔を定めています。
(4)○正しい。棒形振動機の振動部分の長さは一般に,600~800mmです。このため,1層の打ち込み高さを50cmとすることは充分に締め固めるために有効です。

【No.92】

コンクリートの場内運搬に関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)コンクリートバケットを,硬練りコンクリートの運搬に用いた。
(2)ベルトコンベアを,軟練りコンクリートの運搬に用いた。
(3)ダンプトラックを,硬練りコンクリートの運搬に用いた。
(4)コンクリートポンプを,軟練りコンクリートの運搬に用いた。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。コンクリートバケットは比較的静穏にコンクリートを運搬することができるため,硬練り軟練り、いずれのコンクリートにも使用可能です。
(2)×誤り。ベルトコンベアは,ゴムベルトがローラー上を通過する際の上下動によりコンクリートに振動が加わるため,軟練りコンクリートは分離しやすくなります。また,傾斜があるとさらに分離しやすくなるため,軟練りコンクリートの運搬に用いてはなりません。
(3)○正しい。ダンプトラックのベッセルにコンクリートを入れると,トラックの走行により振動が加わります。このため,軟練りコンクリートに使用してはなりません。一方,舗装コンクリートのような硬練りコンクリートであれば分離の心配はありません。
(4)○正しい。コンクリートポンプは,分離する可能性が低く,軟練り硬練り、いずれのコンクリートにも適用可能です。

【No.93】

ポンプ施工時のコンクリートの圧送性に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)ポンプ施工時のコンクリートの圧送性に関し、ベンド管の数が多いほど,圧送性は低下する。
(2)ポンプ施工時のコンクリートの圧送性に関し、輸送管の径が大きいほど,圧送性は低下する。
(3)ポンプ施工時のコンクリートの圧送性に関し、スランプが小さいほど,圧送性は低下する。
(4)ポンプ施工時のコンクリートの圧送性に関し、単位セメント量が小さいほど,圧送性は低下する。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。ベンド管を通過する際,コンクリートはせん断変形を受けるため圧送負荷は大きくなります。つまりベント管の数が増えるほど圧送性は低下します。
(2)×誤り。コンクリートの断面(容量)に対する輸送管との接触面積の比率は,輸送管の径が大きいほど小さくなります。つまり輸送管の径が大きい場合,コンクリートと輸送管の接触面積は小さくなり,摩擦の影響は小さくなります。
(3)○正しい。コンクリートのスランプが小さいほど,せん断変形に要するエネルギーは大きくなり,圧送性は低下します。
(4)○正しい。コンクリートの単位セメント量が小さいほど,コンクリートは分離しやすくなり閉塞する可能性が高くなり圧送性は低下します。

【No.94】

コンクリートの打ち継ぎに関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)旧コンクリートの鉛直打ち継ぎ面に湿潤面用エポキシ樹脂を塗布し,新しいコンクリートを打ち込んだ。
(2)旧コンクリートの打ち込み時に入念な再振動締め固めを行い,水平打ち継ぎ面のレイタンス処理をせずに,新しいコンクリートを打ち込んだ。
(3)旧コンクリートの水平打ち継ぎ面の埃を,低圧で空気を吹き付けて取り除き,新しいコンクリートを打ち込んだ。
(4)旧コンクリートの鉛直打ち継ぎ面を十分に乾燥させた後に新しいコンクリートを打ち込んだ。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。旧コンクリートの鉛直打ち継ぎ面に作用するせん断力を負担できるように,打ち継ぎ面に凹凸を設けること,打ち継ぎ面を貫通する鉄筋を配置すること,接着剤で接着する等の方法は有効です。
(2)×誤り。水平打ち継ぎ面のレイタンス処理をせずに,新しいコンクリートを打ち込むことは,レイタンス層がせん断力を負担できず,弱点となります。旧コンクリートの打ち込み時に人念な再振動締め固めを行っても表面のレイタンスが減少することはなく,新コンクリートとの付着に効果はありません。
(3)×誤り。旧コンクリートの水平打ち継ぎ面の埃を,低圧で空気を吹き付けて取り除くことは重要です。しかし,レイタンスを取り除かなければ新コンクリートとの付着は改善しません。
(4)×誤り。旧コンクリートの打ち継ぎ面に脆弱層を残してはなりません。せん断力を負担できるように、打ち継ぎ面を処理することは重要です。しかし,鉛直打ち継ぎ面を十分に乾燥させた後に,新しいコンクリートを打ち込むと,乾燥した|日コンクリート面に新コンクリートの水分が吸収され、新コンクリートが硬化不良を生じることがあります。旧コンクリート表面は十分に吸水させ,かつ表面に水滴が残らない状態にしなければなりません。

【No.95】

コンクリートの打ち込みおよび締め固めに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)外気温が30℃だったので,打ち重ね時間間隔の限度を150分とした。
(2)十分に締め固めを行うために,打ち込みの1層の高さを50cmとした。
(3)振動機の挿入跡が残らないように,棒形振動機を徐々に引き抜いた。
(4)直径50mmの棒形振動機を用いたので,振動機の挿入間隔を50cmとした。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。打ち重ね時間間隔はJASS5あるいは上木学会示方書いずれも、外気温25℃を境として,150分と120分を限度と規定されているので,30℃の場合120分以内に打ち重ねなければなりません。
(2)○正しい。1層の打ち込み高さは1m程度以下に抑えるのが望ましいです。さらに打ち込み高さを50cmとして十分に締め固めを行うことで、よりよい締め固めが可能です。
(3)○正しい。内部振動機を使用して締め固めを行う場合,過度に(長時間にわたり)振動を加えてはなりません。しかし過剰に振動を加えるのを恐れるあまり,棒形振動機を素早く引き抜き、挿入跡が残るようでは締め固めたことになりません。
(4)○正しい。棒形振動機の水平面の作用範囲は,振動部分を中心としてその直径の10倍程度を半径とする円形の範囲といわれています。50mmの棒形振動機を用いて振動機の挿入間隔を50cmとした場合,重複部分を含めて振動が作用しない範囲がなくなります。
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