【No3-23】聞き流し_コンクリート技士_一問一答
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【No.111】
支保工の設計に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)型枠に作用するコンクリートの側圧は,型枠と支保工で支持するように設計する。
(2)スパンの大きいスラブや梁を設計図通りに造るには,コンクリートの自重による変形量を考慮し支保工に上げ越し(むくり)をつけるとよい。
(3)支保工の倒壊事故は,水平方向荷重に起因することが多い。
(4)支保工の水平方向荷重として,厚生労働省産業安全研究所では,支保工の鉛直方向荷重の2.5%もしくは5%を用いることを推奨している。
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正解は(1)
【解説】
(1)×誤り。型伜とは,正規の位置・断面を保持するための,せき板,および締め付け金具等のことです。支保工とは,主に垂直方向の荷重による変形を防ぐための支柱等のことです。稀に,コンクリートの側圧による変形を支保工で支持することもありますが,通常は,側圧は型枠で支持するように設計します。
(2)○正しい。スパンの大きいスラブや梁の部材は,強度的には安全であっても,コンクリートのクリープ等の変形により,支保工を取り外した後に,たわみが生じることがあります。部材を設計のとおりにつくるには,コンクリートの自重による変形等を考慮して,あらかじめ,部材に反対方向の変形を加えておく手法が用いられます。これを上げ越し(むくり)をつける,といいます。
(3)○正しい。型枠支保工の事故で,被害が大きくなるのは支保工の倒壊事故です。支保工倒壊の要因として,もっとも多いのは,コンクリート打ち込み作業によって生じる,振動,変荷重,コンクリート重量の水平成分等の水平方向荷重です。
(4)○正しい。支保工の設計にあたって,支保工に加わる水平方向荷重として,厚生労働省産業安全研究所では,支保工の鉛直方向荷重の2.5%もしくは5%を用いることを推奨しています。
【No.112】
型枠に作用する,側圧が大きくなる要因に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)コンクリートの凝結の終結が早いと,型枠に作用する側圧が大きくなる要因になる。
(2)コンクリートの打ち込み時の気温が低いと,型枠に作用する側圧が大きくなる要因になる。
(3)コンクリートのスランプが小さいと,型枠に作用する側圧が大きくなる要因になる。
(4)コンクリートの打ち込み速度が遅いと,型枠に作用する側圧が大きくなる要因になる。
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正解は(2)
【解説】
(1)×誤り。コンクリートの凝結により,型枠に作用する側圧が小さくなるのは,背の高い部材を打設する場合,上部コンクリートの打ち込みの時間に,先に打設された下部コンクリートは,凝結により流動性が低下することによります。つまり凝結の終結が早いコンクリートは,側圧が小さくなる傾向にあります。
(2)○正しい。コンクリート打ち込み時の気温が低い場合,凝結の終結は遅くなり,長時間にわたってコンクリートは流動性を保ちます。
(3)×誤り。スランプの小さいコンクリートは,スランプの大きいコンクリートに比べて,変形に要するエネルギーが大きいです。つまり動き難く,型枠に作用する側圧は小さいです。
(4)×誤り。コンクリートの打ち込み速度が遅い場合,下部のコンクリートはその流動性を失うため,側圧は小さくなります。
【No.113】
型枠を取り外してよい時期に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)JASS5によれば,平均気温が25℃の場合は,15℃の場合よりも,型枠を早く取り外すことができる。
(2)JASS5によれば,混合セメントB種を用いる場合は,普通ポルトランドセメントを用いる場合よりも,型伜を早く取り外すことができる。
(3)土木学会示方書によれば,梁の底面の型枠は,梁の側面の型枠よりも,低いコンクリート強度で取り外すことができる。
(4)土木学会示方書によれば,壁の側面の型枠は,フーチングの側面の型枠よりも,低いコンクリート強度で取り外すことができる。
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正解は(1)
【解説】
(1)○正しい。一般に,平均気温が高い場合は,低い場合に比べて型枠を早く取り外すことができます。
(2)×誤り。混合セメントB種を用いるコンクリートは,普通ポルトランドセメントを用いる場合に比べて,強度の発現が遅くなります。
(3)×誤り。梁の底面の型枠を取り外す方法は,①梁の支柱を取り外した後に,せき板を取り外す方法,②梁の支柱を一時的に取り外し,型枠を取り外した後,支柱を元どおりに取り付ける方法。の2通りあります。①の場合,コンクリート強度は設計基準強度に達していなければなりません。②の場合,一時的に梁の支柱を外すので,①の場合よりは低いですが,梁の側面の型枠よりも,高いコンクリート強度が得られた後でなければ行うことはできません。
(4)×誤り。部材の側面の型枠の取り外し時期は,部材の種類によらず一定です。
【No.114】
型枠,支保工に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)支保工には,主に,鋼材が用いられ,一部に,木材も用いられる。
(2)合板型枠は,鋼製型枠よりも転用回数が少ない。
(3)部材底面の型枠は,部材側面の型枠よりも早く取り外してよい。
(4)支保工の倒壊事故は,水平方向荷重に起因することが多い。
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正解は(3)
【解説】
(1)○正しい。支保工とは,型枠の形を保つための部材です。型枠内に充填される鉄筋とコンクリートの重量を支え,コンクリートの側圧にも変形しない剛性が必要です。このため,一般に,強度および,剛性の高い鋼材が用いられます。しかし,扱いの容易さから一部に木材も用いられます。
(2)○正しい。合板型枠は,材料の強度から壊れやすく,また,表面の組織の粗さからセメントペーストが表面に残る,などの要因から,転用回数が少なくなります。また,表面へのセメントペーストの付着を少なくするため,塗装した合板も開発されていますが,鋼材に比べると強度が低いため,転用回数は少ないです。
(3)×誤り。型枠を取り外す際に考慮すべき条件は,第一に,コンクリートの自重による部材の変形,第二は,養生条件の変化(悪化)です。部材底面の型枠は,第一条件にかかわる変化が支配的であり,十分な養生期間を要します。部材側面の型枠は,第二の条件が支配的となるので,第一条件の場合に比べ,早期の取り外しが可能です。
(4)○正しい。支保工に加わる荷重は,鉛直方向が支配的であるので,鉛直方向の荷重に対しては余裕をもっている場合が多いです。しかし,型枠上の作業によって生じる水平方向の荷重,あるいは,鉛直荷重のアンバランスから生じる水平力等の要因によって倒壊事故に至る例が多いです。
【No.115】
型枠に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)断面の大きな部材において,コンクリートの内部温度が最大となったことを確認した後,速やかに型枠を取り外して散水した。
(2)水平部材について,側面の型枠を底面の型枠よりも早く取り外すようにした。
(3)梁部材の型枠支保工の組み立てに際し,打ち込まれたコンクリートの自重などで,型枠がたわむことを考慮して,上げ越し(むくり)を設けた。
(4)コンクリート橋脚の打ち込みに際し,逶水性型枠を使用することにより,コンクリート表層の品質を向上させた。
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正解は(1)
【解説】
(1)×誤り。断面の大きな部材,すなわちマスコンクリートにおいて,ひび割れの発生する要因は,内部拘束と外部拘束です。ひび割れの発生を少なくする対策としては,前者は内外の温度差を小さくすること,後者は,コンクリート部材全体の温度降下勾配を小さくすることが重要です。いずれの場合でも,表面を急冷することは行ってはなりません。
(2)○正しい。水平部材の側面の型枠は,5~10N/mm2程度の強度に達すれば,取り外すことができます。底面の型枠の支柱は,コンクリート強度が設計基準強度を満たすか,構造計算により,安全てあることが確認できる強度に達していなければ,取り外すことはできません。
(3)○正しい。コンクリート打ち込み後,コンクリートの自重などにより,型枠が変形したり,支保工,型枠の間に存在する弛み等により変形します。このため,上げ越し(むくり)を付けて型枠を組み立てるのは通常行われることです。
(4)○正しい。透水型枠は,コンクリート中の余剰水分を吸収し,排出する機能をもっていて,コンクリート表層つまり,型枠接触面の品質を向上させる性能をもっています。また,傾斜した蓋状の型枠の場合,いわゆる,水あばた等の防止にも有効です。