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【過去問演習(3)No.116-120_施工】コンクリート技士 問題と解説

https://youtu.be/DU8koJhHGFI

【No.116】

現場における鉄筋の加工,組み立ておよび継手に関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)帯筋やあばら筋(スターラップ)を加工する場合に,その末端部に135°フックを設けた。
(2)疲労を受ける部位の主筋と帯筋を組み立てる場合に,疲労強度を確保するため,鉄筋の交点の要所を溶接して組み立てた。
(3)鉄筋をガス圧接により接合する場合に,曲げ加工部の近傍を避けて行った。
(4)ガス圧接を行った場合に,超音波探傷により,ガス圧接部の検査を行った。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。柱やはりのせん断補強筋は,その末端部に90°以上のフックを付けるか,溶接し,閉鎖型としなければなりません。135°のフックは90°のそれよりも効果が高いです。したがって,その余長は90°の場合よりも短くすることができます。
(2)×誤り。鉄筋を組み立てる際,その交点を溶接すると,溶接部で鉄筋の性状が変化し,欠陥となります。鉄筋の交点の固定,曲げ加工等,鉄筋の加工組み立ては冷間で行うのが原則です。
(3)○正しい。曲げ加工部の近傍は,鉄筋が伸びと圧縮の変形を受けているので,ガス圧接作業により加熱すると,さらに品質が変化する可能性があります。したがって,曲げ加工近傍では圧接は避けるべきです。
(4)○正しい。鉄筋をガス圧接接合した場合,圧接面の欠陥の有無を調査するには,超音波による探傷検査が有効です。

【No.117】

鉄筋の重ね継手に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)D32を超える太径の鉄筋は,重ね継手には適していない。
(2)鉄筋の継手の長さは,コンクリート強度が高いほど長くする。
(3)鉄筋の継手の長さは,鉄筋の強度が高いほど長くする。
(4)鉄筋の継手に関し,フック付き重ね継手の長さは,直線重ね継手の長さより短くできる。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。重ね長さは鉄筋の径に応じて決められており,鉄筋に発生する応力に応じて,径の20~50倍の長さとしなければなりません。このため,D32をこえるような太径の鉄筋では,重ね長さが1mをこえることになり,きわめて不経済となり,適用は困難となります。
(2)×誤り。コンクリート強度が高い場合,コンクリートのひび割れ抵抗は高くなり,短い区間で応力を伝達することができるので,重ね長さを短くすることができます。
(3)○正しい。鉄筋の強度が高い場合,その応力を伝達するためには,コンクリート区間の長さはより長くしなければなりません。
(4)○正しい。重ね継手にフックを付けた場合,直線重ね継手に比べて定着の程度は高く,フック付き重ね継手は,重ね長さを,直線重ね継手の長さより短くできます。

【No.118】

鉄筋の組み立てに関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)鉄筋のかぶり(厚さ)の最小値は,基礎のフーチングより,地上のスラブのほうが小さい。
(2)鉄筋のあきの最小値は,粗骨材の最大寸法と定められている。
(3)鉄筋のガス圧接継手の個所は,鉄筋の直線部とし,曲げ加工部およびその近傍は避ける。
(4)鉄筋の機械式継手は,D51のような,太径鉄筋の継手に用いることができる。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。鉄筋のかぶり(厚さ)の最小値は,部材の劣化現象の強弱,および構造部材か否かによって決められています。劣化現象によって決められた値は,基礎,常時,水に接する以外の部位等,雨等,気象現象にさらされる外部,水に接することの少ない内部の順に鉄筋のかぶり(厚さ)の最小値は小さくなります。
(2)×誤り。鉄筋のあきの最小値は,コンクリート打ち込みを考慮して,粗骨材の最大寸法からのみ設定しているわけではなく,鉄筋径や,異形鉄筋か丸鋼かということも考慮して定められています。
(3)○正しい。鉄筋のガス圧接継手は,鉄筋の曲げ加工部では圧接を行うことはできず,また圧接部を後に曲げ加工すると,圧接部は硬くなっており,所定の曲げ内法半径で加工することはできません。このため鉄筋のガス圧接継手は直線部分に設ける。
(4)○正しい。鉄筋の各種継手の中で,重ね継手は太径鉄筋には適用できませんが,圧接継手,溶接継手,機械式継手等は,細径鉄筋から,D51のような太径鉄筋までの継手に用いることができます。

【No.119】

鉄筋の加工,組み立てに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)主筋の折曲げ内法直径(曲げ内半径)を,鉄筋の種類と径をもとに定めた。
(2)曲げ加工した角度が大きくなったので,鉄筋を加熱しながら曲げ戻した。
(3)隣り合う鉄筋の重ね継手の位置を,互いにずらした。
(4)コンクリート製スベーサの品質を,打ち込むコンクリートと同等以上とした。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。鉄筋を曲げ加工する際は,曲げられる部分の鉄筋の内側が圧縮変形を受け,外側が引張変形を受けます。同じ角度で曲げられた場合,圧縮と引張の変形は,鉄筋の直径が大きくなるほど大きくなります。このとき,急な角度で曲げられると,外惻にひび割れが生じたり,鉄筋が折れてしまうことがあります。このため,変形が過度とならないように,鉄筋の径により,曲げる際の内側の半径が決められています。
(2)×誤り。曲げ加工する際は,常温下で加工しなければなりません。鉄筋を加熱すると鉄筋の組成が変化し,所要の性能が得られなくなる可能性が高いので,加工する際,鉄筋を加熱してはなりません。
(3)○正しい。重ね継手を用いる場合,隣り合う鉄筋の重ね継手の位置を,同一断面とすると,鉄筋からコンクリート,あるいは逆の応力の受渡しが同一の断面で行われることとなります。また,鉄筋相互のあきが小さくなり,コンクリート充填の支障となる等の弊害も生じるため,互いにずらさなければなりません。
(4)○正しい。床の下端筋や,梁底の鉄筋に,コンクリート製スペーサを使うことがありますが,部材が圧縮を受けた場合周囲のコンクリートと,同等の性能を発揮しなければなりません。通常,スペーサには打ち込むコンクリートと同等以上の品質のコンクリートを用います。

【No.120】

鉄筋の加工および組み立てに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)鉄筋の曲げ加工を,常温で行った。
(2)帯筋やあばら筋(スターラップ)の末端部に,フックを設けた。
(3)種類の記号がともにSD345で,呼び名がD25とD29の鉄筋の継手にガス圧接継手を用いた。
(4)粗骨材の最大寸法が同じなので,鉄筋のあきの最小値を,鉄筋径に関わらず一定とした。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。鉄筋を曲げ加工する際,加熱すると,鉄筋が加熱,あるいは冷却される際,その組織や状態が変化し,材質が脆くなる等の不具合が生じるので,曲げ加工の際加熱してはなりません。
(2)○正しい。帯筋やあばら筋(スターラップ)等のせん断補強筋は,引張を受けた場合,その引張に耐えなくては意味がないので,通常,せん断補強筋はフックを付けて定着するか,溶接等により閉鎖形とします。
(3)○正しい。鉄筋にガス圧接継手を用いる場合,同一種類,かつ径の呼び名が同一であれば問題ありません。また,種類の記号が一段差まで,あるいは径の呼び名の数値差が,7以下であればガス圧接継手を用いてよいです。
(4)×誤り。鉄筋のあきの最小値は,コンクリートの充填性が,粗骨材の最大寸法から,また,コンクリートのひび割れ発生の可能性は,鉄筋径により決定します。
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