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【R3技術士二次試験復元(成績B)】選択科目Ⅱ(建設/鋼コン)-技術士学習記録

建設部門【選択科目Ⅱ】成績B

この記事では、技術士2次試験(建設分野/鋼構造コンクリート)で不合格だった際の解答とその点数をご紹介します。

技術士2次試験に挑戦中の方、これから挑戦される方の参考になれば幸いです。

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選択科目Ⅱ:(30点満点)

15.00(B)

問題と解答

問題Ⅱー1ー3

【問題】
技術の進歩に伴い、構造材料の高強度化が普及しつつある。鉄筋又はコンクリートいずれかの高強度材料について特徴的な性質を説明し、設計や施工における留意点について述べよ。

【解答】
コンクリートの高強度材料について述べる。
1.特徴的な性質
(1)耐久性が高い
高強度コンクリートは、水セメント比が35%程度と小さいため、硬化後のコンクリート組織が緻密となる。そのため、内部へのCO2の拡散や塩化物イオンなどの劣化因子の侵入速度が遅くなり、耐久性が高くなる。
(2)収縮ひび割れが発生しやすい
水セメント比が小さいほど、水和反応に伴う自己収縮量が大きくなる。そのため、高強度コンクリートは、自己収縮を起因とする収縮ひび割れが発生しやすい。
2.留意点
(1)設計上の留意点
高強度コンクリートは、自己収縮量が大きいため、壁や床などの平面的に広がりのある部材では、収縮ひび割れ発生を抑制するための対策が必要である。
対策①:鉄筋比を大きくする。
対策②:収縮ひび割れを制御するための乾燥収縮目地を4~5m程度に一か所設ける。
(2)施工上の留意点
高強度コンクリートは、水セメント比を小さくしたうえで流動性を確保するため、スランプフロー管理のコンクリートとなる。この場合、通常のスランプ管理のコンクリートと比較し打設時の側圧が大きいため、型枠のパンクに留意する。          以上
問題Ⅱー2-1

【問題】
建設中に耐久性や精度に関わる不具合が接合部又は打継ぎ部(以下、接合部)で見つかり、この原因を検討し繰り返さないための方策を講じることとなった。あなたが再発防止の担当責任者として業務を進めるにあたり、下記の内容について記述せよ。
(1)対象とする構造物と接合部の具体的不具合を設定し、調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。ただし、測量・寸法ミス、図面の誤記、設計と異なった材料の使用による不具合は含めないものとする。
(2)不具合を繰り返さないための業務の手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。
(3)上記業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

【解答】
(1)対象および調査,検討事項
対象とする構造物:純RC造の高層建物
接合部の不具合:接合部柱主筋位置のずれ
以上の事象について調査、検討すべき事項と内容を以下に示す。
①帯筋の最小かぶり寸法計測
接合部の主筋の位置によって、柱側面(帯筋)のかぶり寸法が決まる。耐久性を確保するために、最小かぶり寸法である30mmを満足させる。
②主筋の位置計測
主筋の本数および位置は、構造計算により方向別に定められている。柱主筋の位置精度が悪く、構造計算で仮定した位置よりも内側に主筋が配置された場合、曲げ強度が設計強度よりも低下する。
③コンクリートの粗骨材最大寸法調査
コンクリートの粗骨材最大寸法は、コンクリート打設時の充填性に影響する。充填性が悪いと締固め不良により耐久性が低下する。充填性を確保するために、主筋同士の間隔は粗骨材の最大寸法の1.25倍以上、主筋径の1.5倍以上を確保する。
(2)業務の手順と留意点・工夫点
(2)-1.業務の手順
以下に、業務の手順を列挙する。
①構造計画:柱躯体断面寸法の決定
②構造設計:主筋強度および径・本数の算定
④施工計画:充填性の高いコンクリート材料の選定
⑤施工管理:主筋の位置固定精度・強度の管理
(2)-2.留意点・工夫点
①柱躯体の断面寸法は、施工誤差を見込んだ寸法とするために、最小設計かぶり厚さ30mmに10mmを加える。
②柱主筋の強度および径・本数は、コンクリートの充填性を高めるために、主筋同士の間隔を主筋径の1.65倍を確保したうえで設計する。
③充填性の高い、高流動コンクリートを使用する。高流動コンクリートは打設時の側圧が大きいため、型枠の強度計算をもとに打設計画を立てる。
④鉄筋の位置精度と固定強度を確保するため、打ち継ぎより上部の柱主筋の突出部で固定する。固定は、経済性、施工性の観点から、単管パイプとクランプにより行う。柱主筋に傷がつかないよう、緩衝材を取り付けたうえでクランプを固定する。
(3)業務手順に対する関係者との調整方策
①発注者に、RC柱の断面寸法を片側10mm(幅で20mm)増加させたうえで図面承認をいただく。
②構造設計者と、主筋径、本数の基準を設ける。
③コンクリート工場で、高流動コンクリートの試験練りを行い、充填性および強度を確認する。
④施工前に協力業者(型枠工、鉄筋工、鳶工、コンクリート工)と固定方法を決定する。
以上
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