【No2-16】聞き流し_宅建過去問_一問一答_権利関係
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【No.76】
Aは,A所有の甲土地にBから借り入れた3000万円の担保として抵当権を設定した。この場合における次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,誤っているものはどれか。
(1)Aは,A所有の甲土地にBから借り入れた3000万円の担保として抵当権を設定した。Aが甲土地に抵当権を設定した当時,甲土地上にA所有の建物があり,当該建物をAがCに売却した後,Bの抵当権が実行されてDが甲土地を競落した場合,DはCに対して,甲土地の明け渡しを求めることはできない。
(2)Aは,A所有の甲土地にBから借り入れた3000万円の担保として抵当権を設定した。甲土地上の建物が火災によって焼失してしまったが,当該建物に火災保険が付されていた場合,Bは,甲土地の抵当権に基づき,この火災保険契約に基づく損害保険金を請求することができる。
(3)Aは,A所有の甲土地にBから借り入れた3000万円の担保として抵当権を設定した。AがEから500万円を借り入れ,これを担保するために甲土地にEを抵当権者とする第2順位の抵当権を設定した場合,BとEが抵当権の順位を変更することに合意すれば,Aの同意がなくても,甲土地の抵当権の順位を変更することができる。
(4)Aは,A所有の甲土地にBから借り入れた3000万円の担保として抵当権を設定した。Bの抵当権設定後,Aが第三者であるFに甲土地を売却した場合,FはBに対して,民法第383条所定の書面を送付して抵当権の消滅を請求することができる。
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正解は(2)
【解説】
(1)○正しい。土地と建物を所有する者が,土地に抵当権を設定し,その後,当該土地を第三者に売却した場合であっても,法定地上権は成立します。したがって,Cのために法定地上権が成立するので,DはCに対して甲土地の明け渡しを求めることはできません。
(2)×誤り。火災保険金請求権については,建物の抵当権に基づく物上代位が認められますが,甲上地上の建物は,甲土地の抵当権の目的物ではないので,甲土地の抵当権に基づいて当該建物の火災保険金請求権を行使することはできません。
(3)○正しい。抵当権の順位の変更は,各抵当権者の合意と,利害関係人がいる場合には利害関係人の承諾がある場合に認められ,抵当権設定者の合意は不要です。
(4)○正しい。抵当不動産の第三取得者は,民法383条所定の書面を送付して抵当権の消滅を請求することができます。
【No.77】
AがBに対する債務の担保のためにA所有建物に抵当権を設定し,登記をした場合に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはどれか。
(1)AがBに対する債務の担保のためにA所有建物に抵当権を設定し,登記をした場合,Aが通常の利用方法を逸脱し,建物の損傷行為を行う場合,Aの債務の弁済期が到来していないときでも,Bは,抵当権に基づく妨害排除請求をすることができる。
(2)AがBに対する債務の担保のためにA所有建物に抵当権を設定し,登記をした場合,抵当権の登記に債務の利息に関する定めがあり,他に後順位抵当権者その他の利害関係者がいない場合でも,Bは,Aに対し,満期のきた最後の2年分を超える利息については抵当権を行うことはできない。
(3)AがBに対する債務の担保のためにA所有建物に抵当権を設定し,登記をした場合,第三者の不法行為により建物が焼失したので,Aがその損害賠償金を受領した場合,Bは,Aの受領した損害賠償金に対して物上代位をすることができる。
(4)AがBに対する債務の担保のためにA所有建物に抵当権を設定し,登記をした場合,抵当権の消滅時効の期間は20年であるから,AのBに対する債務の弁済期から10年が経過し,その債務が消滅しても,Aは,Bに対し抵当権の消滅を主張することができない。
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正解は(1)
【解説】
(1)○正しい。抵当権設定者が通常の利用方法を逸脱して抵当目的物である建物の損傷行為を行うことは,抵当権侵害となって許されません。このように抵当権が侵害された場合には,抵当権者は,妨害排除請求権を行使できます。
(2)×誤り。他に利害関係者がない場合,2年分の利息に限られません。抵当権者は,利息その他の定期金を請求する権利を有するときは,その満期となった最後の2年分についてのみ,その抵当権を行使することができます。ただし,後順位抵当権者等がいない場合には,この2年分に制限されることなく優先弁済を受けることができます。
(3)×誤り。Aが損害賠償金を受領すると,Bは物上代位できません。抵当権者は,抵当不動産が第三者の不法行為により滅失した場合には,その損害賠償金について物上代位することができます。しかし,その場合には,抵当権設定者に賠償金が払い渡される前に差し押さえをしなければなりません。
(4)×誤り。債務が消滅した以上,Aは抵当権の消滅を主張できます。抵当権は被担保債権とともに存在するので,被担保債権が消滅すれば抵当権も消滅します。Aの債務の消滅時効の期間は10年ですから,10年経過してAの債務が時効消滅すると,付従性によりBの抵当権も消滅します。抵当権の消滅時効の期間が20年であることとは関係がありません。
【No.78】
抵当権に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,誤っているものはどれか。
(1)賃借地上の建物が抵当権の目的となっているときは,一定の場合を除き,敷地の賃借権にも抵当権の効力が及ぶ。
(2)抵当不動産の被担保債権の主債務者は,抵当権消滅請求をすることはできないが,その債務について連帯保証をした者は,抵当権消滅請求をすることができる。
(3)抵当不動産を買い受けた第三者が,抵当権者の請求に応じてその代価を抵当権者に弁済したときは,抵当権はその第三者のために消滅する。
(4)土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは,一定の場合を除き,抵当権者は土地とともに建物を競売することができるが,その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。
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正解は(2)
【解説】
(1)○正しい。建物に抵当権が設定されている場合の建物の敷地の賃借権は,抵当権の従たる権利であり,原則として建物の抵当権の効力が及びます。
(2)×誤り。連帯保証人は抵当権消滅請求をすることはできません。抵当権消滅請求は,抵当不動産の第三取得者に認められますが,抵当不動産の被担保債権の主債務者や,その連帯保証人が抵当不動産の第三取得者となった場合には,抵当権消滅請求をすることはできません。
(3)○正しい。抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が,抵当権者の請求に応じて,その抵当権者に,その代価を弁済したときは,抵当権は,その第三者のために消滅します。
(4)○正しい。抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは,抵当権者は,土地とともに,その建物を競売することができます。ただし,その優先権は,土地の代価についてのみ行使することができます。
【No.79】
Aは,Bに対する貸付金債権の担保のために,当該貸付金債権額に,ほぼ見合う評価額を有するB所有の更地である甲土地に抵当権を設定し,その旨の登記をした。その後,Bはこの土地上に乙建物を築造し,自己所有とした。この場合,民法の規定及び判例によれば,次の記述のうち正しいものはどれか。
(1)Aは,Bに対する貸付金債権の担保のために,当該貸付金債権額に,ほぼ見合う評価額を有するB所有の更地である甲土地に抵当権を設定し,その旨の登記をした。その後,Bはこの土地上に乙建物を築造し,自己所有とした。Aは,Bに対し,乙建物の築造行為は,甲土地に対するAの抵当権を侵害する行為であるとして,乙建物の収去を求めることができる。
(2)Aは,Bに対する貸付金債権の担保のために,当該貸付金債権額に,ほぼ見合う評価額を有するB所有の更地である甲土地に抵当権を設定し,その旨の登記をした。その後,Bはこの土地上に乙建物を築造し,自己所有とした。Bが,甲土地及び乙建物の双方につき,Cのために抵当権を設定して,その旨の登記をした後,Aの抵当権が実行されるとき,乙建物のために法定地上権が成立する。
(3)Aは,Bに対する貸付金債権の担保のために,当該貸付金債権額に,ほぼ見合う評価額を有するB所有の更地である甲土地に抵当権を設定し,その旨の登記をした。その後,Bはこの土地上に乙建物を築造し,自己所有とした。Bが,乙建物築造後,甲土地についてのみ,Dのために抵当権を設定して,その旨の登記をした場合,Aの抵当権及び被担保債権が存続している状態で,Dの抵当権が実行されるとき,乙建物のために法定地上権が成立する。
(4)Aは,Bに対する貸付金債権の担保のために,当該貸付金債権額に,ほぼ見合う評価額を有するB所有の更地である甲土地に抵当権を設定し,その旨の登記をした。その後,Bはこの土地上に乙建物を築造し,自己所有とした。Aは,乙建物に抵当権を設定していなくても,甲土地とともに乙建物を競売することができるが,優先弁済権は甲土地の代金についてのみ行使できる。
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正解は(4)
【解説】
(1)×誤り。Aは乙建物の収去を求めることはできません。抵当権設定者が通常の利用方法により担保物を使用する場合,抵当権者は妨害排除請求することはできません。そして,抵当権設定者が,抵当権が設定された土地に建物を建築する行為は通常の利用方法にあたります。したがって,Aは,Bに乙建物の収去を請求することはできません。
(2)×誤り。Aが更地に抵当権を設定した以上,法定地上権は不成立です。定地上権が成立するための要件の1つとして,抵当権設定時に土地の上に建物が存在する必要があります。更地について抵当権が設定された場合には,法定地上権は成立しません。
(3)×誤り。Aが更地に抵当権を設定した以上,法定地上権は不成立です。更地に一番抵当権を設定後,建物を築造し,次いで二番抵当権を設定し,二番抵当権者の申し立てにより競売された場合,法定地上権は成立しません。
(4)○正しい。抵当権の設定後,抵当権の設定された土地に建物が築造された場合,抵当権者は土地とともに建物を競売できますが,優先弁済権は土地の代金にしか行使できません。
【No.80】
不動産質権と抵当権に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか。
(1)不動産質権では,被担保債権の利息のうち,満期となった最後の2年分についてのみ担保されるが,抵当権では,設定行為に別段の定めがない限り,被担保債権の利息は担保されない。
(2)不動産質権は,10年を超える存続期間を定めたときであっても,その期間は10年となるのに対し,抵当権は,存続期間に関する制限はない。
(3)不動産質権は,目的物の引渡しが効力の発生要件であるのに対し,抵当権は,目的物の引渡しは効力の発生要件ではない。
(4)不動産質権も抵当権も不動産に関する物権であり,登記を備えなければ第三者に対抗することができない。
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正解は(1)
【解説】
(1)×誤り。不動産質権者は,その債権の利息を請求することができません。抵当権者は,利息に関し,その満期となった最後の2年分についてのみ抵当権を行使することができます。
(2)○正しい。不動産質権の存続期間は10年を超えることができず,これより長い期間を定めたときであっても,その期間は10年となります。抵当権については,存続期間に関する制限はありません。
(3)○正しい。質権の設定は,債権者にその目的物を引き渡すことによって,その効力を生じます。抵当権にはこのような規定はなく,引渡しは効力の発生要件ではありません。
(4)○正しい。質権も抵当権も物権であり,ともに登記が対抗要件です。