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【宅建過去問】権利関係ー建物区分所有法、賃貸借No.101-105

【No2-21】聞き流し_宅建過去問_一問一答_権利関係

【No.101】

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)区分所有法に関し,区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は,会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には,集会に出席して議決権を行使することができる。
(2)区分所有法に関し,区分所有者の請求によって管理者が集会を招集した際,規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて,管理者が集会の議長となる。
(3)区分所有法に関し,管理者は,集会において,毎年一回一定の時期に,その事務に関する報告をしなければならない。
(4)区分所有法に関し,一部共用部分は,区分所有者全員の共有に属するのではなく,これを共用すべき区分所有者の共有に属する。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は,会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合,集会に出席して意見を述べることができます。しかし,専有部分の占有者に議決権を認めた規定はなく,占有者は議決権を行使することはできません。
(2)○正しい。集会においては,規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて,管理者又は集会を招集した区分所有者の1人が議長となります。したがって,管理者が招集した場合には,規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて,管理者が集会の議長となります。
(3)○正しい。管理者の職務範囲は広く,管理者は,重要な役割を担っているため,集会において,毎年一回一定の時期に,その事務に関する報告をしなければならないとされています。
(4)○正しい。一部共用部分は,一部の区分所有者のみが共用する部分であるため,区分所有者全員の共有に属するのではなく,これを共用すべき区分所有者の共有に属します。

【No.102】

一棟の建物を区分した建物についての登記に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)区分建物の表題登記は,その一棟の建物に属する他の区分建物の表題登記とともに申請しなければならない。
(2)区分建物の所有権の保存の登記は,表題部所有者から所有権を取得した者も,申請することができる。
(3)区分建物が規約による共用部分である旨の登記は,当該建物の登記記録の表題部にされる。
(4)登記官は,区分建物に関する敷地権について表題部に最初に登記をするときは,敷地権の目的たる土地の登記記録の表題部に敷地権の目的となった旨の登記をしなければならない。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。区分建物の表題登記は,その一棟の建物に属する他の区分建物の表題登記とともに申請しなければなりません。建物が一棟の建物を区分したものである場合には,各区分建物ごとに表題登記の申請を認めると,登記手続きが煩雑になるためです。
(2)○正しい。所有権保存の登記は,①表題部所有者又はその相続人そ矚lの他の一般承継人,②所有権を有することが確定判決によって確認された者,③収用により所有権を取得した者,が申請することができます。この他に,区分建物においては,表題部所有者から所有権を取得した者も所有権保存の登記を中請することができます。
(3)○正しい。区分建物における規約共用部分は,登記をしなければ第三者に対抗することができません。そして,この登記は区分建物の登記記録の表題部に記載されます。
(4)×誤り。登記官は,区分建物に関する敷地権について表題部に最初に登記するときは,その敷地権の目的である土地の登記記録について,職権で,所有権,地上権その他の権利が敷地権である旨の登記をしなければなりません。この登記は,所有権,地上権その他の不動産についての権利に関する登記であるため,登記記録のうち,権利部になされます。

【No.103】

AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し,BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸している場合における次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,誤っているものはどれか。
(1)AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し,BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸している場合,Aは,Bの賃料の不払いを理由に甲建物の賃貸借契約を解除するにCに対して,賃料支払いの催告をして甲建物の賃料を支払う機会を与えなければならない。
(2)AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し,BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸している場合,BがAに対して甲建物の賃料を支払い期日になっても支払わない場AはCに対して,賃料10万円をAに直接支払うよう請求することができる。
(3)AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し,BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸している場合,AがBの債務不履行を理由に甲建物の賃貸借契約を解除した場合,CのBに対する賃料の支払いがなくてもAはCに対して,甲建物の明け渡しを求めることができる。
(4)AがBに甲建物を月額10万円で賃貸し,BがAの承諾を得て甲建物をCに適法に月額15万円で転貸している場合,AがBとの間で甲建物の賃貸借契約を合意解除した場合,AはCに対して,Bとの合意解除に基づいて,当然には甲建物の明け渡しを求めることができない。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。賃料不払いを理由として賃貸借契約を解除する場合,賃貸人は賃借人に対して弁済の機会を与えるために催告を行う必要があります。ここで,賃料の支払いについて転借人は第三者弁済をすることができますが,賃貸人は解除にあたって賃借人に催告すればよく,転借人に弁済の機会を与える必要はありません。
(2)○正しい。転借人は賃貸人に対して直接義務を負うため,賃貸人から転借人に賃料の支払いを求めることができます。そして,転借料が賃料よりも高額な場合は賃料の範囲でのみ支払いを求めることができます。したがってAは,Cに対して賃料10万円の範囲で賃料を直接請求できます。
(3)○正しい。賃借人の債務不履行を理由とする解除は転借人に対抗できます。したがって,Aは,契約解除をCに対抗できる結果,Cに対して甲建物の明け渡しを請求できます。
(4)○正しい。合意解除は,債務不履行解除と異なり契約当事者の合意によってなされます。そのため,解除の効力は相対的なものとなり,第三者である転借人に対抗できません。したがって,AはCに合意解除の効力を対抗できない結果,Cに対して甲建物の明け渡しを請求できません。

【No.104】

賃貸人Aから賃借人Bが借りたA所有の甲土地の上に,Bが乙建物を所有する場合における次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはどれか。なお,Bは,自己名義で乙建物の保存登記をしているものとする。
(1)賃貸人Aから賃借人Bが借りたA所有の甲土地の上に,Bが乙建物を所有している。BがAに無断で乙建物をCに月額10万円の賃料で貸した場合,Aは,借地の無断転貸を理由に,甲土地の賃貸借契約を解除することができる。
(2)賃貸人Aから賃借人Bが借りたA所有の甲土地の上に,Bが乙建物を所有している。Cが甲土地を不法占拠してBの土地利用を妨害している場合,Bは,Aの有する甲土地の所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使してCの妨害の排除を求めることができるほか,自己の有する甲土地の賃借権に基づいてCの妨害の排除を求めることができる。
(3)賃貸人Aから賃借人Bが借りたA所有の甲土地の上に,Bが乙建物を所有している。BがAの承諾を得て甲土地を月額15万円の賃料でCに転貸した場合,AB間の賃貸借契約がBの債務不履行で解除されても,AはCに解除を対抗することができない。
(4)賃貸人Aから賃借人Bが借りたA所有の甲土地の上に,Bが乙建物を所有している。AB間で賃料の支払い時期について特約がない場合,Bは,当月末日までに,翌月分の賃料を支払わなければならない。
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正解は(2)

【解説】
(1)×誤り。借地上の建物を賃貸しても借地の転貸に当たりません。賃借人が賃貸人の承諾を得ずに賃借物を第三者に転貸して使用又は収益させたときは,賃貸人は,契約の解除をすることができるのが原則です。もっとも,土地の賃借人が,借地上に築造した建物を第三者に賃貸しても,貸したのは建物であって借地を第三者に転貸したものとはいえません。したがって,土地賃貸人であるAに無断で乙建物を貸しても借地の無断転貸にはあたらないので,Aは甲土地の賃貸借契約を解除することができません。
(2)○正しい。土地の賃借人は,賃貸人たる土地所有者に代位して,不法占拠者に対し土地の明け渡しを請求できます。また,借地権者は,借地上に自己名義の登記を有する建物を所有していれば借地権を第三者に対抗することができます。そのため,対抗力ある借地権者は,不法占拠者に対して直接に建物の収去・土地明け渡しを請求できます。
(3)×誤り。賃借人の債務不履行により賃貸借契約が解除されたときは,賃貸人の承諾を得ていた転借人であっても,当該解除に対抗することができません。
(4)×誤り。賃料は,賃貸物の使用の対価という性質があります。したがって,賃料の支払い時期も,動産,建物及び宅地については毎月末に支払わなければならないことを原則とします。特約がない限り,当月末までに,翌月分の賃料を支払う必要はありません。

【No.105】

Aは,自己所有の甲建物(居住用)をBに賃貸し,引渡しも終わり,敷金50万円を受領した。この場合に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,誤っているものはどれか。
(1)Aは,自己所有の居住用の甲建物をBに賃貸し,引渡しも終わり,敷金50万円を受領した。賃貸借が終了した場合,AがBに対し,社会通念上通常の使用をした場合に生じる通常損耗について原状回復義務を負わせることは,補修費用を負担することになる通常損耗の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているなど,その旨の特約が明確に合意されたときでもすることができない。
(2)Aは,自己所有の居住用の甲建物をBに賃貸し,引渡しも終わり,敷金50万円を受領した。Aが甲建物をCに譲渡し,所有権移転登記を経た場合,Bの承諾がなくとも,敷金が存在する限度において,敷金返還債務はAからCに承継される。
(3)Aは,自己所有の居住用の甲建物をBに賃貸し,引渡しも終わり,敷金50万円を受領した。BがAの承諾を得て賃借権をDに移転する場合,賃借権の移転合意だけでは,敷金返還請求権(敷金が存在する限度に限る。)はBからDに承継されない。
(4)Aは,自己所有の居住用の甲建物をBに賃貸し,引渡しも終わり,敷金50万円を受領した。甲建物の抵当権者がAのBに対する賃料債権につき物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合においても,その賃料が支払われないまま賃貸借契約が終了し,甲建物がBからAに明け渡されたときは,その未払賃料債権は敷金の充当により,その限度で消滅する。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。建物賃貸借契約が終了した場合,賃借人は原状回復義務を負いますが,賃借人の建物使用による損耗が通常の損耗といえる範囲にとどまる場合には,原則としてその損耗は賃貸人が負担します。ただし,賃借人に対し,建物使用によって生ずる通常の損耗について原状回復義務を負わせる旨の特約(通常損耗補修特約)が明確に合意されていれば,負わせることができます。
(2)○正しい。建物賃貸借契約期間中に,建物の譲渡に伴って賃貸人の地位の承継があった場合,敷金に関する権利義務は,敷金が存在する限度で,当然に賃貸人に承継されます。
(3)○正しい。建物賃貸借契約期間中に,賃貸人の承諾を得て,賃借権が譲渡された場合,特段の事情のない限り,敷金に関する権利義務は,旧賃借人から新賃借人に承継されません。賃借権の移転合意だけがあっても同様です。
(4)○正しい。抵当権者が,賃料債権につき物上代位権を行使してこれを差し押さえた場合,賃料が支払われないまま賃貸借契約が終了し,目的物が明け渡されたときは,その賃料債権は,敷金の充当によりその限度で消滅します。
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