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【過去問演習No.41-45】コンクリート技士 問題と解説

【No9】聞き流し_コンクリート技士_一問一答
運動や通勤をしながら、コンクリート技士試験の学習ができるように、自分用に作成しました。資格試験は聞き流しで学習して、効率よく合格したいですよね!ぜひ、チャンネル...

【No.41】

コンクリートの凝結に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)ブリーディング量が多いコンクリートを打ち込むと,水平鉄筋の下側に空げきが生じたり,鉄筋に沿ったひび割れが生じやすい。
(2)初期材齡における急激な乾燥は,コンクリートの表面ひび割れの増加と強度低下の原因となる。
(3)鉄筋の上部の位置に発生した沈下ひび割れは,コンクリートの凝結開始後に,タンピングや再仕上げを行って取り除くことができる。
(4)振動台式コンシステンシー試験は,舗装コンクリートのような硬練りコンクリートの変形あるいは流動に対する抵抗性の程度の評価に用いられる。
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正解は(3)

【解説】
(1)〇正しい。ブリーディング量が多いコンクリートは,骨材の下側に空隙を生じさせるので,骨材とセメントペーストの付着低下や水密性が低下します。また,かぶりの小さい水平鉄筋が配筋された箇所に打ち込まれた場合,打設後1~2時間に鉄筋により沈下抑制がされるため,鉄筋に沿ったひび割れが発生しやすくなります。
(2)〇正しい。コンクリート打設後の初期材齢時に急激な乾燥を受けると,コンクリート表面部分に短いひび割れが不規則に発生します。また,セメントの初期の水和反応を阻害するためコンクリート強度発現が十分得られなくなり,強度低下の一因となります。
(3)×誤り。コンクリートのブリーディングが多い場合,打設後1~2時間で鉄筋の上部や壁と床の境目などに断続的に沈下ひび割れが発生します。この沈下ひび割れは,コンクリートの凝結開始時(始発時間)よりも早い時期にダンピングや再仕上げを行えば取り除くことができます。
(4)〇正しい。振動台コンシステンシー試験は,舗装用コンクリートのコンシステンシーを測定する。普通コンクリートのコンシステンシーはスランプを測定します。コンシステンシーとは,コンクリートの変形あるいは流動に対する抵抗性のことです。

【No.42】

同一のコンクリートにより作製されたコンクリート供試体の圧縮強度の試験結果に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)直径が150mmで高さが300mmの円柱供試体の圧縮強度の試験値は,直径が100mmで高さが200mmの円柱供試体に比べて大きい。
(2)直径が100mmで高さが200mmの円柱供試体の圧縮強度の試験値は,直径が100mmで高さが100mmの円柱供試体に比べて大きい。
(3)形状および寸法が同一の場合,載荷速度が遅くなると,圧縮強度の試験値は大きくなる。
(4)形状および寸法が同一の場合,強度試験時において,湿潤状態にあるよりも乾燥状態にある方が,圧縮強度の試験値は大きい。
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正解は(4)

【解説】
(1)×誤り。供試体の形状が相似である場合,供試体の寸法が大きいほど見かけの圧縮強度は小さくなります。
(2)×誤り。供試体の形状,寸法による見かけの圧縮強度の比率は,高さと直径との比率が小さくなると,見かけの圧縮強度は大きくなります。
(3)×誤り。載荷速度が速くなると,見かけの圧縮強度は増大します。
(4)〇正しい。圧縮強度試験時に供試体が湿潤状態にある場合は,乾燥状態にある供試体よりも見かけの圧縮強度が小さくなります。

【No.43】

コンクリートの力学特性および変形性状に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)圧縮強度は,低強度になるほど骨材の強度の影響を受けやすい。
(2)曲げ強度は,圧縮強度の1/5~1/8程度である。
(3)静弾性係数は,圧縮強度が低くなると小さくなる。
(4)圧縮時のポアソン比は, 1/5~1/7程度である。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。骨材の強度がコンクリートの圧縮強度に影響を及ぼすことは一般的にはほとんどありません。しかし,軽石などの軟質な骨材が用いられた場合には,セメント水比を増加させても圧縮強度が増加しない場合があります。
(2)〇正しい。コンクリートの曲げ強度と圧縮強度の関係は,一般的には1/5~1/8程度です。
(3)〇正しい。コンクリートの静弾性係数(ヤング率)と圧縮強度の関係は,ヤング率は一般的に圧縮強度が大きくなると大きくなります。
(4)〇正しい。コンクリートに軸方向の応力を加えたとき,その軸方向の歪みと直角方向の歪みの絶対値の比をポアソン比といいます。一般に,コンクリートの圧縮時のポアソン比は1/5~1/7程度です。

【No.44】

コンクリートの乾燥収縮に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)コンクリートの単位粗骨材量が多いほど,乾燥収縮ひずみは大きくなる。
(2)コンクリートの単位水量が多いほど,乾燥収縮ひずみは小さくなる。
(3)骨材の弾性係数が大きいほど,乾燥収縮ひずみは小さくなる。
(4)同一体積のコンクリート部材では,表面積が小さいほど,乾燥初期の収縮ひずみは大きくなる。
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正解は(3)

【解説】
(1)×誤り。コンクリートの乾燥収縮は,モルタルやセメントペースト中の水分の移動によって発生する現象で,乾燥によって収縮し,吸水によって膨張します。ここで,粗骨材は水分の移動による体積変化がモルタルやセメントペーストに比べきわめて小さいです。したがって,単位柤骨材量が多くなるほど,乾燥収縮ひずみは小さくなります。
(2)×誤り。コンクリートの乾燥収縮ひずみは,単位水量や単位セメント量が多いほど大きくなります。
(3)〇正しい。コンクリートの乾燥収縮ひずみは,弾性係数の大きい骨材を使用したコンクリートほど小さくなります。
(4)×誤り。コンクリートの乾燥収縮率は,一般的には部材断面の寸法が大きくなるほど小さくなります。

【No.45】

コンクリートの熱的性質に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)コンクリートの熱膨張係数は,骨材の種類および単位量による影響を受けやすい。
(2)高温加熱を受けたコンクリートでは,圧縮強度よりも静弾性係数の方が,低下の割合が著しい。
(3)コンクリートの静弾性係数は, 500℃に加熱された後に冷却されて常温になった時点では,加熱前の値の10~20%程度になる。
(4)同一水セメント比のコンクリートの場合,含水率の低い方が,急激な加熱によって爆裂しやすい。
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正解は(4)

【解説】
(1)〇正しい。コンクリートの耐熱性にもっとも影響を及ぱす要因は,火害温度の最高到達時間で,次いで使用骨材の岩種です。石英を含む花崗岩や砂岩系の骨材は575 ℃で膨張が急増し組織が崩壊します。次いで石灰岩系の骨材が750℃以上で分解が始まります。耐熱性を向上させるためには,安山岩などの火山岩系の骨材や高炉スラグ骨材などの熱膨張係数の比較的小さい骨材を使用することが有効です。また,約500℃で圧縮強度は常温時の60%以下まで低下します。これは,主としてセメントペースト中の水和化合物の結合水の脱水や水酸化カルシウムなどの水和物の分解が原因です。
(2)〇正しい。コンクリートは高温にさらされると,骨材とセメントペーストとの熱膨張係数の差によって組織構造にひずみが出たり,ペースト中の水和化合物の結合水の脱水や水酸化カルシウムなどの水和物の分解,骨材の崩壊等が生じ,圧縮強度よりも弾性係数の方が低下が著しくなります。
(3)〇正しい。火災などでコンクリートが高温にさらされると弾性係数は圧縮強度以上に低下し,約500℃で常温の10~20%程度まで低下します。なお,火害温度が500℃程度までであれば再度養生することによって,低下した強度や弾性係数は自癒作用によって徐々に回復します。
(4)×誤り。吸水率の小さい軽量骨材を十分含水させた状態で使用した場合や,コンクリートの組織が緻密で水蒸気の移動や蒸発が起りにくい低水セメント比の高強度コンクリートの場合には爆裂を生じる可能性が高くなります。
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