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【過去問演習No.156-160】コンクリート技士 問題と解説

【No32】聞き流し_コンクリート技士_一問一答

【No.156】

高流動コンクリートの施工計画に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)上部からの打ち込みが困難であったので,自由流動距離を25mと計画した。
(2)打ち込み高さが大きいので,自由落下高さを8mと計画した。
(3)型枠に作用する側圧を液圧として計画した。
(4)普通コンクリートよりも凝結が早いので,打ち込み直後に仕上げを行うように計画した。
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正解は(3)

【解説】
(1)×誤り。高流動コンクリートは,普通コンクリートに比較して高い流動性を有しており,流動距離が8m程度以下であれば,材料分離を生じる可能性はほとんどありません。しかし,15mをこえると材料分離が生じる場合が多いので,高流動コンクリートの最大流動距離は原則として8mとし,最大でも15m以下としています。
(2)×誤り。高流動コンクリートは,自由落下高さが7m程度であっても材料分離が生じにくく,十分な品質が得られたとの報告があります。しかし,自由落下高さが大きいほど,空気を巻き込んだり,せき板にコンクリートが付着して仕上げ面が悪くなったりするため,土木学会では,自由落下高さは原則として5m以下としています。
(3)○正しい。高流動コンクリートは,自己充填性を有するため流動性が非常に高いです。また,単位水量を過大にせずに流動性を向上させるために,高性能AE減水剤が使用され,コンクリートの凝結は遅くなります。そのため,型枠に作用する側圧は普通のコンクリートより大きくなり,コンクリートを液体と見なした場合の圧力が作用します。
(4)×誤り。高流動コンクリートは,高性能AE減水剤の使用により凝結が遅くなるため,仕上げの時間は普通のコンクリートより遅くする必要があります。

【No.157】

水中コンクリートに関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)場所打ち杭に使用する水中コンクリートの水セメント比は,65%以下とするのがよい。
(2)地下連続壁(地中壁)に用いる水中コンクリートのスランプは,一般のコンクリートよりも大きく設定するのがよい。
(3)場所打ち杭に使用する水中コンクリートをトレミーで打ち込む場合は,その先端を2m以上コンクリート中に挿入した状態で行うのがよい。
(4)水中不分離性コンクリートの打ち込みでは,水中落下高さを50cm以下として行うのがよい。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。水中コンクリートは,水中打設に伴うセメントの流失等により,同じ配(調)合で気中施工した場合よりも,強度が50~90%程度低下します。そのため,単位セメント量および水セメント比の上限値,細骨材率の目安が規定されています。場所打ち杭に使用するコンクリートの水セメント比は55%以下と規定されています。
(2)○正しい。水中コンクリートは締め固めが不可能であるため,一般のコンクリートよりも大きく設定するのがよいです。地中連続壁(地中壁)に用いる水中コンクリートの場合は,スランプを15~21cmの範囲で設定することを標準としています。
(3)○正しい。場所打ち杭に用いる水中コンクリートを水中落下させると,材料分離が生じてセメントが流失してしまうため,施工においてはトレミーを用いることが原則です。土木学会示方書では,コンクリート内へのトレミー先端の挿入深さを2m以上確保することを規定しています。
(4)○正しい。水中不分離性コンクリートは,ある程度の高さであれば,水中落下させて打ち込んでも信頼性の高いコンクリートが得られます。しかし,水中落下高さが大きすぎると品質が低下するので,土木学会示方書では水中落下高さを50cm以下とすることを標準としています。

【No.158】

水中コンクリートに関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)場所打ち杭に用いる水中コンクリートの粘性は,一般のコンクリートより小さくするのがよい。
(2)場所打ち杭に用いる水中コンクリートは,原則としてトレミー(管)を用いて打ち込む。
(3)水中不分離性コンクリートの耐凍害性は,一般のコンクリートに比べて高い。
(4)水中不分離性コンクリートの単位水量は,一般のコンクリートよりも少ない。
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正解は(2)

【解説】
(1)×誤り。水中コンクリートは,水の洗い出し作用によってコンクリートの品質が低下する可能性があるため,粘性に富む配合とする必要があります。そのため,場所打ち杭に用いる場合の単位セメント量として,土木学会示方書では350kg/m3以上,JASS5では330kg/m3以上を規定しています。
(2)○正しい。場所打ち杭に用いる水中コンクリートを水中落下させると,材料分離が生じてセメントが流失してしまうため,施工においてはトレミーを用いることが原則です。土木学会示方書では,コンクリート内へのトレミー先端の挿入深さを2m以上確保することを規定しています。
(3)×誤り。水中不分離性コンクリートは粘性が高く製造時にエントラップトエアを巻き込みやすいため,添加する水中不分離性混和剤によってはエントラップトエアを消す成分が含まれています。したがって,一般のコンクリートに比較して,AE剤を添加してもエントレインドエアが連行されにくく,耐凍害性に劣ります。
(4)×誤り。水中不分離性コンクリートは水中不分離性混和剤の添加により粘性が高くなるため,所要の流動性を得るのに必要な単位水量を,一般のコンクリートよりも大きくする必要があります。

【No.159】

水中コンクリートの施工方法に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)場所打ち杭に水中コンクリートを打ち込む施工では,余盛り高さは,コンクリート標準示方書による場合50cm以上,JASS5による場合50~100cmとするのがよい。
(2)場所打ち杭に水中コンクリートを打ち込む施工では,トレミーの先端はコンクリート中に50cm程度挿入するのがよい。
(3)水中不分離性コンクリートを静水中に打ち込む施工では,水中落下高さは50cm以下にするのがよい。
(4)水中不分離性コンクリートを圧送する施工では,圧送負荷は普通コンクリートの2~3倍として計画するのがよい。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。場所打ち杭の施工では,通常,ベントナイトなどの安定液中に水中コンクリートを打ち込むことが多いです。この際,コンクリートの表面には安定液やスライムを巻き込んだ不良部分が生じるため,打止め面は計画面(設計面)より余盛り高さを見込んでおく必要があります。この余盛り高さについて,土木学会示方書では50cm以上,JASS5では50~100cmとしています。
(2)×誤り。場所打ち杭の施工においては,トレミー先端のコンクリート中への挿入深さが小さすぎると,コンクリート表面からコンクリートが噴出して分離を起こしたり,誤ってトレミー先端を表面より上に引き上げてしまったりすることがあります。土木学会示方書では,コンクリート内へのトレミー先端の挿入深さを2m以上確保することを規定しています。
(3)○正しい。水中不分離性コンクリートは,ある程度の高さであれば,水中落下させて打ち込んでも信頼性の高いコンクリートが得られます。しかし,水中落下高さが大きすぎると材料分離が生じて品質が低下するので,土木学会示方書では水中落下高さを50cm以下とすることを標準としています。
(4)○正しい。水中不分離性コンクリートは,高い材料分離抵抗性を付与させているため,粘性(塑性粘度)が非常に高いです。そのため,ポンプ圧送負荷は通常のコンクリートの2~3倍程度となります。

【No.160】

水中コンクリートに関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)一般の水中コンクリートでは,細骨材率を大きくして粘性を高めるのがよい。
(2)一般の水中コンクリートでは,スランプを大きくして流動性を高めるのがよい。
(3)水中不分離性コンクリートのポンプ圧送負荷は,通常のコンクリートより小さい。
(4)水中不分離性コンクリートの乾燥収縮は,通常のコンクリートより大きい。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。一般の水中コンクリートは,水中施工の際に材料分離が生じないように,細骨材率を大きくして粘性の高い配(調)合としています。
(2)○正しい。水中コンクリートは,締め固めせずに施工するため,流動性の高い配合にする必要があります。そのため,トレミーあるいはコンクリートポンプを用いて施工する場合の一般の水中コンクリートのスランプの標準値は13~18cmが標準であり,通常のコンクリートより流動性を高めに設定する必要があります。
(3)×誤り。水中不分離性コンクリートは,高い材料分離抵抗性を確保するために,粘性(塑性粘度)を高くしています。そのため,ポンプ圧送負荷は通常のコンクリートと比較して非常に高くなります。
(4)○正しい。水中不分離性コンクリートは,粘性が高く単位水量が通常のコンクリートよりも相当大きくする必要性が生じるため,硬化したのちの乾燥収縮量は大きくなります。
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