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【R4技術士二次試験復元(成績A)】選択科目Ⅱ(建設/鋼コン)-技術士学習記録

建設部門【選択科目Ⅱ】成績A

この記事では、技術士2次試験(建設分野/鋼構造コンクリート)で不合格だった際の解答とその点数をご紹介します。

技術士2次試験に挑戦中の方、これから挑戦される方の参考になれば幸いです。

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選択科目Ⅱ:(30点満点)

19.50(A)

問題と解答

問題Ⅱー1ー4

【問題】
スランプ値で管理し締固めを要するコンクリートを使用した鉄筋コンクリート構造物の打込み,締固めの段階での充填不良の発生原因について1つ示し詳述せよ。
その発生を防ぐために,設計・配(調)合・施工で留意すべき事項を複数示し,それぞれに対し留意する理由と対策を述べよ。

【解答】
(1)充填不良の発生原因
充填不良の発生原因は「材料分離」とする。
(2)充填不良防止のための留意事項
①設計
配筋が密となる設計をすると、鉄筋が密な部分でコンクリート打ち込み時に粗骨材が干渉し、細骨材およびセメントペーストが先に落下し分離する。
高強度鉄筋を使用し鉄筋の断面積および本数を減らす。鉄筋同士のあきは、粗骨材の1.5倍以上、粗骨材最大寸法の1.25倍以上を確保する。
②配(調)合
骨材の充填率が低い材料を用いると、締固め時にセメントペーストが先行して流動し材料分離する。
充填率の高い骨材を使用する。また、細骨材率を高くし、セメントやフライアッシュなどの粉体量を増やすことで、材料分離しにくい配合とする。
③施工
コンクリート打込み時の自由落下高さが高いと、重い骨材が先に落下し、粘性の高いセメントペーストが後に落下することで材料分離する。
コンクリートシューターやポンプの筒先は、打設面より1.5m以内の高さで打設し、材料分離を防ぐ。また、バイブレーターによる横流しは、セメントぺーストが先行して流れ、材料分離するため、平面的な打設位置は1.5~2m間隔を保つ。           以上
問題Ⅱー2-1

【問題】
構造物の供用時期が決定している場合に,計画,設計,製作,施工等の各段階における技術的工夫による工期短縮が強く求められることがある。技術的工夫とは,工期短縮を目的として既に設計された構造物の構造変更による工夫,製作・施工における工夫あるいはそれらの組合せによる工夫などである。このような状況において,あなたが既に設計された構造物に対して工期短縮を検討する技術者として業務を行う当たり,下記の内容について記述せよ。ただし,技術的工夫がなく人的資源の追加のみによる方法は除く。
(1)対象とする構造物と工期短縮方法を設定し,工期短縮を実現するために調査,検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務の手順を列挙して,それぞれの項目ごとに留意すべき点,工夫を要する点を述べよ。
(3)業務を効率的,効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

【解答】
(1)-1.対象構造物と工期短縮方法
対象とする構造物は、RC柱・梁を有する、スパン10m程度の物流倉庫建物とする。
工期短縮方法は、RC部材のPCaPC(プレキャストプレストレストコンクリート)化とする。
(1)-2.調査、検討事項とその内容
①構造設計における部材端部の耐力検討
RC部材は、L2相当の地震力を受けた際に、部材端部のコンクリートのひび割れ後、鉄筋が降伏することで靭性を持たせるため、L2時の部材端部応力を調査する。
PCaPC構造の梁は、PC鋼材の定着部が、梁端部に集中するため、PC部材の定着部が鉄筋の降伏耐力以上であることを検討する。
②PcaPC工場の製作能力
コンクリートのプラントは全国各地に存在するため、納期は掛からない。
PCaPC部材は工場で養生後出荷する必要がある。大断面部材の製作には、製作日数がかかり、現場への納期が長くなる。PCaPC工場の製作能力を調査し、工期短縮効果を検討する。
③PCaPC部材架設時の仮設構造計算
現場打ちRC造は、コンクリート打設時の打設荷重に耐えられるよう、型枠および支保工の設計を行う。
PCaPC部材は、重量20~30トンの部材を支保工で支えた後、プレストレスを導入することで構造的に安定するため、高重量を支えるための仮設の耐力を検討する。
(2)業務の手順と留意点・工夫点
①設計時における免震構造の採用
PCa部材は運搬可能な寸法・重量に限りがあるため、大断面の部材を製作するとピース数が増え、工期短縮効果が落ちる。
免震構造とすることで、通常の耐震構造で求められるL2相当の水平力800galを100gal程度に減少させることで部材断面を抑え、ピース数を減少する。
②早強コンクリートの使用
PCaPC部材は、工場での養生がクリティカルパスとなる。養生日数を短くするために、早強コンクリートを使用する。
早強コンクリートは水和発熱量が多い。80cm角程度以上の大断面部材では65℃を超え、耐力が低下しないよう、パイプクーリング等で温度管理を行う。
(3)関係者との調整方策
発注者に免震装置下部の基礎構造が増えることで、コストがアップするが、LCCコストの削減を提案する。
構造設計者へは、断面合理化による上部構造のコストダウンを提案する。
施工管理者には、基礎部材のサイトPC化工法を提案し、基礎構造の工期短縮を提案する。     以上
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