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【宅建過去問】権利関係ー物権変動No.66-70

【No2-14】聞き流し_宅建過去問_一問一答_権利関係

【No.66】

所有権がAからBに移転している旨が登記されている甲土地の売買契約に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはどれか。
(1)所有権がAからBに移転している旨が登記されている甲土地の売買契約に関して、CはBとの間で売買契約を締結して所有権移転登記をしたが,甲土地の真の所有者はAであって,Bが各種の書類を偽造して自らに登記を移していた場合,Aは所有者であることをCに対して主張できる。
(2)所有権がAからBに移転している旨が登記されている甲土地の売買契約に関して、DはBとの間で売買契約を締結したが,AB間の所有権移転登記はAとBが通じてした仮装の売買契約に基づくものであった場合,DがAB間の売買契約が仮装であることを知らず,知らないことに無過失であっても,Dが所有権移転登記を備えていなければ,Aは所有者であることをDに対して主張できる。
(3)所有権がAからBに移転している旨が登記されている甲土地の売買契約に関して、EはBとの間で売買契約を締結したが,BE間の売買契約締結の前にAがBの債務不履行を理由にAB間の売買契約を解除していた場合,Aが解除した旨の登記をしたか否かにかかわらず,Aは所有者であることをEに対して主張できる。
(4)所有権がAからBに移転している旨が登記されている甲土地の売買契約に関して、FはBとの間で売買契約を締結して所有権移転登記をしたが,その後AはBの強迫を理由にAB間の売買契約を取り消した場合,FがBによる強迫を知っていたときに限り,Aは所有者であることをFに対して主張できる。
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正解は(1)

【解説】
(1)○正しい。不動産の所有権の取得は,登記をしなければ,第三者に対抗することができません。ここにいう「第三者」とは,当事者又はその包括承継人以外の者で,登記がないことを主張するについて正当の利益を有する者をいいます。したがって,無権利者Bや無権利者からの譲受人Cは「第三者」に含まれないため,Aは所有者であることをCに対して主張できます。
(2)×誤り。虚偽表示による無効は善意の第三者に対しては主張できません。したがって,Dが登記を備えていなくても,Aは所有者であることを善意のDに対して主張できません。
(3)×誤り。Aは登記をしなければEに主張できません。解除後に登場した第三者と,契約を解除して所有権を取り戻そうとする者とは,対抗関係に立つので,先に登記を備えた者が所有権を主張することができます。したがって,契約を解除して所有権を取り戻そうとするAは,登記をしなければ解除後に登場した第三者Eに対して所有者であることを主張できません。
(4)×誤り。AがFに主張できるのは,Fが悪意の場合に限られません。強迫による意思表示は,その取り消し前に現れた第三者に対して対抗することができます。そして,この場合,第三者の善意・悪意は問いません。したがって,FがBによる強迫を知らなかったとしても,Aは所有者であることをFに対して主張できます。

【No.67】

不動産登記の申請に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)登記の申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続きをすべきことを命ずる確定判決による登記は,当該申請を共同してしなければならない者の他方が単独で申請することができる。
(2)相続又は法人の合併による権利の移転の登記は,登記権利者が単独で申請することができる。
(3)登記名義人の氏名もしくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は,登記名義人が単独で申請することができる。
(4)所有権の登記の抹消は,所有権の移転の登記の有無にかかわらず,現在の所有権の登記名義人が単独で申請することができる。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。登記の申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続きをすべきことを命ずる確定判決による登記は,他の一方が単独で申請することができます。
(2)○正しい。相続又は法人の合併による権利の移転の登記は,登記権利者が単独で申請することができます。
(3)○正しい。登記名義人の氏名もしくは名称又は住所についての変更圜圜の登記又は更正の登記は,登記名義人が単独で申請することができます。
(4)×誤り。所有権移転登記がない場合にのみ単独申請できます。権利に関する登記の申請は,原則として,登記権利者及び登記義務者が共同してしなければなりません。しかし,所有権の登記の抹消は,所有権の移転の登記がない場合に限り,所有権の登記名義人が単独で申請することができます。したがって,所有権の移転の登記がなされている場合には,当該所有権の登記の抹消は,原則どおり,登記権利者及び登記義務者が共同して申請しなければなりません。

【No.68】

不動産の登記に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)登記の申請をする者の委任による代理人の権限は,本人の死亡によっては,消滅しない。
(2)承役地についてする地役権の設定の登記は,要役地に所有権の登記がない場合においても,することができる。
(3)区分建物である建物を新築した場合において,その所有者について相続その他の一般承継があったときは,相続人その他の一般承継人も,被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。
(4)不動産の収用による所有権の移転の登記は,起業者が単独で申請することができる。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。万登記の申請をする者の委任による代理人の権限は,本人の死亡によっては,消滅しません。
(2)×誤り。要役地に所有権の登記が必要です。承役地についてする地役権の設定の登記は,要役地に所有権の登記がないときは,承役地に地役権の設定の登記をすることができません。
(3)○正しい。区分建物である建物を新築した場合において,その所有者について相続その他の一般承継があったときは,相続人その他の一般承継人も,被承継人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができます。
(4)○正しい。権利に関する登記の申請は,登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならないのが原則ですが,不動産の収用による所有権の移転の登記は,起業者が単独で申請することができます。

【No.69】

所有権保存の登記に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)所有権の登記がされていない建物について,その所有権が自己にあることを確定判決によって確認された者は,当該建物の所有権保存の登記を申請することができる。
(2)土地の登記簿の表題部に被相続人が所有者として記載されている場合において,その相続人が複数あるときは,共同相続人の1人は,自己の持分についてのみ所有権保存の登記を申請することができる。
(3)土地収用法による収用によって土地の所有権を取得した者は,直接自己名義に当該土地の所有権保存の登記を申請することができる。
(4)1棟の建物を区分した建物の登記簿の表題部所有者から所有権を取得した者は,直接自己名義に当該建物の所有権保存の登記を申請することができる。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。所有権の登記がされていない建物について,確定判決により自己の所有権を確認された者は,直接自己名義に所有権保存登記を申請することができます。
(2)×誤り。共同相続人の1人は,自己の持分についてのみ所有権保存登記を申請することはできません。なお,共同相続人の1人は,相続人全員のための保存行為として,共同相続人全員名義の所有権保存登記を申請することができます。
(3)○正しい。土地収用法による収用によって土地の所有権を取得した者は,直接自己名義に所有権保存登記を申請することができます。
(4)○正しい。1棟の建物を区分した建物について,登記簿の表題部所有者から所有権を取得した者は,直接自己名義に所有権保存登記を申請することができます。

【No.70】

不動産の表示に関する登記についての次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)土地の地目について変更があったときは,表題部所有者又は所有権の登記名義人は,その変更があった日から1月以内に,当該地目に関する変更の登記を申請しなければならない。
(2)表題部所有者について住所の変更があったときは,当該表題部所有者は,その変更があった日から1月以内に,当該住所についての変更の登記を申請しなければならない。
(3)区分建物を除く表題登記がない建物の所有権を取得した者は,その所有権の取得の日から1月以内に,表題登記を申請しなければならない。
(4)建物が滅失したときは,表題部所有者又は所有権の登記名義人は,その滅失の日から1月以内に,当該建物の滅失の登記を申請しなければならない。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。地目又は地積について変更があったときは,表題部所有者又は所有権の登記名義人は,その変更があった日から1月以内に,当該地目又は地積に関する変更の登記を申請しなければなりません。
(2)×誤り。住所変更の場合,変更の登記の申請義務はありません。表題部所有者について住所の変更があった場合の変更の登記は,当該表題部所有者の申請によりますが,住所についての変更の登記を1月以内に申請しなければならないというような申請義務を課す旨の規定はありません。
(3)○正しい。新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は,その所有権の取得の日から1月以内に,表題登記を申請しなければなりません。
(4)○正しい。建物が滅失したときは,表題部所有者又は所有権の登記名義人は,その滅失の日から1月以内に,当該建物の滅失の登記を申請しなければなりません。
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