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【宅建過去問】権利関係ー借地借家法No.126-130

【No2-26】聞き流し_宅建過去問_一問一答_権利関係

【No.126】

借地借家法第23条の借地権(以下この問において「事業用定期借地権」という。)に関する次の記述のうち,借地借家法の規定によれば,正しいものはどれか。
(1)事業の用に供する建物の所有を目的とする場合であれば,従業員の社宅として従業員の居住の用に供するときであっても,事業用定期借地権を設定することができる。
(2)存続期間を10年以上20年末満とする短期の事業用定期借地権の設定を目的とする契約は,公正証書によらなくとも書面又は電磁的記録によって適法に締結することができる。
(3)事業用定期借地権が設定された借地上にある建物につき賃貸借契約を締結する場合,建物を取り壊すこととなるときに建物賃貸借契約が終了する旨を定めることができるが,その特約は公正証書によってしなければならない。
(4)事業用定期借地権の存続期間の満了によって,その借地上の建物の賃借人が土地を明け渡さなければならないときでも,建物の賃借人がその満了をその1年前までに知らなかったときは,建物の賃借人は土地の明け渡しにつき相当の期限を裁判所から許与される場合がある。
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正解は(4)

【解説】
(1)×誤り。事業用定期借地権は,居住の用に供するものを除く、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合に設定することができます。したがって,従業員の社宅として従業員の居住の用に供する建物の場合は,事業用定期借地権を設定することができません。
(2)×誤り。事業用定期借地権の設定を目的とする契約は,公正証書によってしなければなりません。
(3)×誤り。法令又は契約により一定の期間を経過した後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合において,建物の賃貸借をするときは,建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨を定めることができます。この場合,その特約は,建物を取り壊すべき事由を記載した書面によってしなければならないですが,公正証書による必要はありません。
(4)○正しい。借地権の目的である土地の上の建物につき賃貸借がされている場合において,借地権の存続期間の満了によって建物の賃借人が土地を明け渡すべき時は,建物の賃借人が借地権の存続期間が満了することをその1年前までに知らなかった場合に限り,裁判所は建物の賃借人の請求により,建物の賃借人がこれを知った日から1年を超えない範囲内において,土地の明け渡しにつき相当の期限を許与することができます。

【No.127】

Aが所有者として登記されている甲土地上に,Bが所有者として登記されている乙建物があり,CがAから甲土地を購入した場合に関する次の記述のうち,民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば,誤っているものはどれか。
(1)Aが所有者として登記されている甲土地上に,Bが所有者として登記されている乙建物があり,CがAから甲土地を購入した場合に関し,Bが甲土地を自分の土地であると判断して乙建物を建築していた場合であっても,Cは,Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求できない場合がある。
(2)Aが所有者として登記されている甲土地上に,Bが所有者として登記されている乙建物があり,CがAから甲土地を購入した場合に関し,BがAとの間で甲土地の使用貸借契約を締結していた場合には,Cは,Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求できる。
(3)Aが所有者として登記されている甲土地上に,Bが所有者として登記されている乙建物があり,CがAから甲土地を購入した場合に関し,BがAとの間で甲土地の借地契約を締結しており,甲土地購入後に借地権の存続期間が満了した場合であっても,Cは,Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求できない場合がある。
(4)Aが所有者として登記されている甲土地上に,Bが所有者として登記されている乙建物があり,CがAから甲土地を購入した場合に関し,BがAとの間で期間を定めずに甲土地の借地契約を締結している場合には,Cは,いつでも正当事由とともに解約を申し入れて,Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求できる。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。Bが甲土地を自分の土地であると判断していた場合,Bは甲土地を時効により取得できる場合があります。この場合,CがAから甲土地を購入した時期がBの時効完成前ならば当然,Bの時効完成後であってもBが甲土地について登記を得たときは,CはBに対して甲土地の所有権を対抗できない以上,Bに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求をすることはできません。
(2)○正しい。使用貸借契約については,借地借家法の適用はありません。したがって,Bは甲土地上に自己名義で登記した建物を所有している場合であっても,その使用借権をCに対抗することはできないので,CはBに対して建物を収去して土地を明け渡すよう請求できます。
(3)○正しい。借地権の存続期間が満了した場合であっても,借地権者が契約の更新を請求したときや,借地権者が土地の使用を継続するときは,建物がある場合に限り,契約は更新されます。いずれの場合でも,借地権設定者が遅滞なく異議を述べれば更新を拒絶できますが,この異議を述べるためには正当事由が必要です。借地権設定者が正当事由を欠くため異議を述べることができないときは,借地権が存続することになり,本肢のような請求をすることはできません。
(4)×誤り。いつでも解約申入れできるわけではありません。借地権設定契約において期間の定めがない場合,その存続期間は30年となります。このことは借地権設定後当該土地を取得した者も同様です。

【No.128】

Aが,令和2年8月,Bに土地を賃貸し,Bがその土地上に建物を所有している場合の契約終了に伴う建物買取請求権に関する次の記述のうち,借地借家法の規定及び判例によれば,誤っているものはどれか。
(1)Aが,Bに土地を賃貸し,Bがその土地上に建物を所有している場合の契約終了に伴う建物買取請求権に関し,AB間の借地契約が,公正証書により10年の事業専用の目的で締結された場合には,Bは建物買取請求権を有しない。
(2)Aが,Bに土地を賃貸し,Bがその土地上に建物を所有している場合の契約終了に伴う建物買取請求権に関し,建物買取請求権は,契約終了の理由を問わず,Bの債務不履行を原因とする契約終了の場合にも、BはAに対して建物の買取りを請求することができる。
(3)Aが,Bに土地を賃貸し,Bがその土地上に建物を所有している場合の契約終了に伴う建物買取請求権に関し,BがAの承諾を得て土地をCに転貸し,建物を譲渡した場合,AB間,BC間の契約が,ともに期間満了し更新がなければ,CはAに対し直接建物買取請求権を有する。
(4)Aが,Bに土地を賃貸し,Bがその土地上に建物を所有している場合の契約終了に伴う建物買取請求権に関し,Bが適法にAに建物買取請求権を行使すると,その所有権は直ちにBからAに移転するが,BはAが代金を支払うまで,建物の引渡しを拒むことができる。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。居住の用に供するものを除く、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし,かつ,存続期間を10年として借地権を設定する場合には,建物買取請求権の規定は適用しません。
(2)×誤り。債務不履行による土地賃貸借契約解除の場合には,借地人は,建物買取請求権を有しません。したがって,Bの債務不履行を原因とする契約終了の場合には,Bは,Aに対して建物の買取りを請求することはできません。
(3)○正しい。転借地権が設定され,転借地権者が借地上に建物を所有している場合において,借地権の存続期間が満了したが,契約の更新がないときは,転借地権者は,借地権設定者に対して,直接,建物買取請求権を行使することができます。
(4)○正しい。建物買取請求権が行使された場合,買取請求権者の建物移転義務と賃貸人の代金支払い義務とは,同時履行の関係に立つため,買取請求権者は,賃貸人が代金を支払うまで,建物の引渡しを拒むことができます。

【No.129】

不法行為による損害賠償に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,誤っているものはどれか。
(1)不法行為による損害賠償の支払い債務は,催告を待たず,損害発生と同時に遅滞に陥るので,その時以降完済に至るまでの遅延損害金を支払わなければならない。
(2)不法行為によって名誉を毀損された者の慰謝料請求権は,被害者が生前に請求の意思を表明しなかった場合でも,相続の対象となる。
(3)加害者数人が,共同不法行為として民法第719条により各自連帯して損害賠償の責任を負う場合,その1人に対する履行の請求は,他の加害者に対してはその効力を有しない。
(4)不法行為による損割剖賞の請求権の消滅時効の期間は,権利を行使することができることとなった時から10年である。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。不法行為による損害賠償債務は,催告を待たずに損害発生の時から遅滞に陥ります。したがって,その時以降,完済に至るまでの遅延損害金を支払わなければなりません。
(2)○正しい。不法行為による慰謝料請求権は,被害者が生前に請求の意思を表明しなくても,当然に相続されます。
(3)○正しい。共同不法行為が成立する場合,各加害者は損害全体について連帯して賠償する義務を負いますが。いわゆる不真正連帯債務であって連帯債務ではないため,連帯債務に関する請求の絶対効の規定は適用されません。したがって,加害者の1人に対する履行の請求は,他の加害者に対してはその効力を有しません。
(4)×誤り。権利を行使することができる時から10年ではありません。不法行為による損害賠償の請求権は,被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは,時効によって消滅します。

【No.130】

Aが,その過失によってB所有の建物を取り壊し,Bに対して不法行為による損害賠償債務を負担した場合に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはどれか。
(1)Aが,その過失によってB所有の建物を取り壊し,Bに対して不法行為による損害賠償債務を負担した場合に関し,Aの不法行為に関し,Bにも過失があった場合でも,Aから過失相殺の主張がなければ,裁判所は,賠償額の算定に当たって,賠償金額を減額することができない。
(2)Aが,その過失によってB所有の建物を取り壊し,Bに対して不法行為による損害賠償債務を負担した場合に関し,不法行為がAの過失とCの過失による共同不法行為であった場合,Aの過失がCより軽微なときでも,Bは,Aに対して損害の全額について賠償を請求することができる。
(3)Aが,その過失によってB所有の建物を取り壊し,Bに対して不法行為による損害賠償債務を負担した場合に関し,Bが,不法行為による損害と加害者を知った時から1年間,損害賠償請求権を行使しなければ,当該請求権は消滅時効により消滅する。
(4)Aが,その過失によってB所有の建物を取り壊し,Bに対して不法行為による損害賠償債務を負担した場合に関し,Aの損害賠償債務は,BからAへ履行の請求があった時から履行遅滞となり,Bは,その時以後の遅延損害金を請求することができる。
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正解は(2)

【解説】
(1)×誤り。不法行為においては,裁判所は,被害者の過失を認定することができるときには,当事者が過失相殺の主張をしていなくても,損害賠償の額を定めるにあたってこれを考慮することができます。したがって,Aから過失相殺の主張がなくても,Bの過失を認定することができれば,裁判所は賠償額の算定にあたって賠償金額を減額することができます
(2)○正しい。数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは,各自連帯して全損害につき賠償の責任を負います。したがって,Aの過失がCより軽微であったとしても,Bは,Aに対して損害の全額について賠償を請求することができます。
(3)×誤り。1年間ではなく,3年間です。不法行為による損害賠償請求権は,被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないと,時効により消滅します。したがって,Bが,不法行為による損害と加害者を知った時から1年間損害賠償請求権を行使しなくても,当該請求権は消滅時効により消滅しません。
(4)×誤り。請求があった時ではなく,損害発生時から遅滞となります。不法行為に基づく損害賠償債務は,期限の定めのない債務ですが,被害者保護の見地から催告を待たず,損害発生と同時に遅滞に陥陥ります。したがって,Bは損害発生以後の遅延損害金を請求することができます。
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