コンクリート主任技士過去問 問題と解説
【平成23年度―問題16】
下記A~D群の圧縮強度の管理図に対し、JIS Z 9021(シューハート管理図)に示された見分け方のガイドラインに照らして工程状態を判断した次の記述のうち、適当なものはどれか。
(1)A郡は、強度が連続して増加しているが、中心線の近くにあるので正常である。
(2)B郡は、中心線に対し強度が変動しているが、内側限界線を越えていないので。正常である。
(3)C郡は、中心線より強度が高いが、変動が小さいので正常である。
(4)D群は、強度が交互に増減しているが、強度が中心線に近いので正常である。
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正解(2)
以下に示すルールに当てはまった場合、その群は「異常」であると判定されます。
- ルール1:1点が管理限界線の外にある場合
- ルール2:中心線の一方側に9点が連続する場合
- ルール3:6点以上連続して上昇または下降する場合
- ルール4:14の点が交互に増減している場合
- ルール5:連続する3点中、2点がμ±2σを超える場合
- ルール6:連続する5点中、4点がμ±1σを超える場合
- ルール7:連続する15点がμ±1σ以内に存在する場合
- ルール8:連続する8点がμ±1σを超える場合
シューハート管理図についてはこちらのページ
【平成23年度―問題17】
JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)における呼び強度30のロットA~Cの圧縮強度試験を行い、下表の結果が得られた。各ロットの合否判定の組合わせとして、正しいものはどれか。
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正解(2)
合否判定基準
①1回の平均が呼び強度の85%以上=30×0.85=25.5以上
②2回の試験結果の平均が呼び強度以上
ロットA:1回目が25.2<25.5のため不合格
ロットB:合格
ロットC:合格
ロットB:合格
ロットC:合格
【平成23年度―問題18】
コンクリート圧送に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
(1)コンクリートを低所(下向き)に圧送する工事において、コンクリートが輸送管内を自重で落下しやすいように、鉛直管下部に接続する水平間の長さを短くした。
(2)コンクリートを高所に圧送する工事において、コンクリートの逆流を防止するため、ポンプの吐出口に近い輸送管に逆止弁を取り付けた。
(3)高強度コンクリートを圧送する工事において、圧送負荷の増大が予想されたため、輸送管の径を大きくした。
(4)人工軽量骨材を用いたコンクリートを圧送する工事において、輸送管内における閉塞を防止するため、骨材を事前に十分吸水させた。
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正解(1)
(1)誤りです。自重で落下(自由落下)させると、材料分離してしまうため、誤りです。
(2)問題の通りです。コンクリートの高所圧送では、高低差によりコンクリートが逆流することを防止するため、ポンプの近くにストップバルブ、つまり逆止弁を取付けます。
(3)問題の通りです。コンクリートが配管内を通過する際には、圧力損失が生じます。圧力損失が生じると、圧送負荷を増大させなければならなくなります。高強度コンクリートのように、粘性の大きなコンクリートは、圧力損失が大きくなります。また、輸送管の径が小さいほど、圧力損失は大きくなります。
(4)問題の通りです。コンクリートを圧送中に、骨材がコンクリート中の水を吸収すると、粘性が大きくなります。粘性が大きくなると圧力損失が増大するため、人工軽量骨材のように、吸水率の大きな骨材を使用する場合は、十分に吸水させることが重要です。
【平成23年度―問題19】
最大理論吐出圧力が4.5N/mm2のコンクリートポンプを用い、100A(4B)の輸送管を配管してコンクリートを圧送する場合、水平換算距離で表される最大の圧送距離として、適当なものはどれか。ただし、最大圧送負荷は、コンクリートポンプの最大理論吐出圧力の80%とする。100A(4B)の輸送管の水平管内圧力損失は、0.0015N/mm2/mとする。
最大圧送負荷:4.5×0.8=3.6N/mm2
水平換算距離:3.6/0.015=240m
水平換算距離:3.6/0.015=240m
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正解(4)
【平成23年度―問題20】
コンクリートの打込み・締固め・打継ぎに関する次の一般的な記述のうち、適当なものはどれか。
(1)壁にコンクリートを打ち込む場合、表面が1区画内でほぼ水平となるように、棒形振動機を用いて十分に横流しを行うのがよい。
(2)SRC造のはりにおいて、鉄骨のフランジ下端の充てん不良を防止するために、片側から打ち込んだコンクリートが反対側に噴出したことを確認したのちに、両側から打ち込むとよい。
(3)型枠振動機は、振動をせき板に伝達させることによってコンクリートを加振するものであり、厚い部材の内部のコンクリートの締固めに適している。
(4)水平打継ぎ部に新たにコンクリートを打ち込む場合、旧コンクリートの表面に散水したのちに、十分に乾燥させてから打ち込むのがよい。
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正解(2)
(1)誤りです。棒形振動機で、コンクリートを横流しをすると、材料分離が生じる原因となります。材料分離が生じると、ジャンカが発生しやすくなり、硬化後のコンクリートに不具合が生じてしまいます。
(2)問題の通りです。コンクリートが反対側に噴出する前に両側から打ち込むと、フランジ下端に空気だまりが生じ、空隙ができてしまいます。空隙により、構造上の強度不足が生じます。
(3)誤りです。型枠振動機の振動は、部材表面の仕上がりをよくする効果はありますが、部材内部までは振動は伝達しないので、内部の締固めには適しません。
(4)誤りです。表面が乾燥していると、新たに打つコンクリートの水分が吸収され、硬化不良を起こす可能性があります。旧コンクリートの打ち継ぎ表面は散水し、湿潤状態で、新たなコンクリートを打ち込みます。
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