エフロレッセンス(ef-flor-escence)のflorの語源はflower=花です。英語でefflorescenceは、開花するという意味で使われます。
エフロレッセンスが生じると、コンクリート表面に白い華が咲いたような見た目となります。
エフロレッセンスの写真
生じる化学反応
エフロレッセンスは、水に溶けやすい水酸化カルシウムがコンクリート表面に溶出し、空気中の炭酸ガスと反応することによって、炭酸カルシウムに変化し、乾燥することで白い析出物となる現象です。
反応の化学式
Ca(OH)2+CO2=CaCO3+H2O
白い析出物自体は、コンクリートの耐久性を損ねるといったことはありませんが、エフロレッセンスは水の移動が容易なひび割れやその周辺で発生するため、コンクリートの欠陥を示唆する現象と言えます。特に、白い析出物の他にさび汁を伴う場合は、内部鉄筋の腐食を示唆しています。
1次エフロレッセンス
1次エフロレッセンスは、打設直後のコンクリート表面の急な乾燥により析出します。
2次エフロレッセンス
2次エフロレッセンスはコンクリート硬化後に雨水等の外部からの水分がコンクリート中に侵入し、ひび割れなどの水みちを通ってコンクリートに表面に析出します。
炭酸カルシウム以外の成分
エフロレッセンスには、アルカリ硫酸塩やアルカリ炭酸塩も含まれますが、これらは溶解度が高いため、雨水によって消失しやすく、見た目には表れにくいです。
コンクリート診断士の過去問例
【コンクリート診断士2001-No.35】
エフロレッセンスに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
(1)エフロレッセンスは、レイタンスがコンクリート表面に溶出したものである。
(2)エフロレッセンスは、水の移動が容易なひび割れやその周辺で発生しやすい。
(3)エフロレッセンスが発生しても、コンクリートの強度が低下することはない。
(4)エフロレッセンスには、水酸化カルシウムや炭酸カルシウム以外にアルカリ炭酸塩やアルカリ硫酸塩も含まれる。
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正解(1)
(1)レイタンスは比重の小さい微粒子が浮き上がり形成される脆弱な層をいいます。
(2)問題文の通り。
(3)問題文の通り。
(4)問題文の通り。
【コンクリート診断士2004-No.1】
硬化後間もないコンクリートに発生する一次エフロレッセンスに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
(1)一次エフロレッセンスはコンクリート表面にケイ酸カルシウムが析出したものである。
(2)一次エフロレッセンスが発生すると、コンクリート表面近くの毛細管水中の水酸化カルシウムの濃度が高くなる。
(3)一次エフロレッセンスは脱型直後にコンクリート表面が乾燥すると発生しやすい。
(4)一次エフロレッセンスはコンクリートの水セメント比が小さい場合に発生しやすい。
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正解(3)
(1)誤り。ケイ酸カルシウム水和物(C-S-H)等は析出しません。
(2)誤り。水酸化カルシウムは消費されるため、濃度は低くなります。。
(3)問題文の通り。
(4)水セメント比が小さく、密実なコンクリートは一次エフロを発生しにくいです。
以上、エフロレッセンスについて、診断士の過去問とともにまとめました。