光ファイバセンサによるコンクリートのモニタリング(コンクリート診断士試験過去問2004年No.21)
光ファイバを用いたセンサの特徴
- センサ部が電気的な影響を受けない
- 広域での動的
- データの長期にわたる計測が可能
- 長距離区間における測定が可能
上図のように、光ファイバセンサが破断したり、曲がったりすることでセンサに入る光の変状を捉えて、コンクリートのひび割れやひずみを測定する方法です。
長期的なモニタリングが必要で、大規模な土木構造物等に用いられます。
光ファイバは温度センサとしても利用されているように、温度に敏感であるため、ひずみ測定には温度補正が必要となります。
電気抵抗線ひずみゲージ(コンクリート診断士試験過去問2009年No.22)
電気抵抗線ひずみゲージは、薄い電気絶縁体をベースに、抵抗線が格子状に張り付けられた構造をしています。これを、コンクリートに専用接着剤で張り付け、コンクリートと一体のひずみを生じるようにします。
コンクリートがひずみ、ゲージがひずみを受けるとゲージの電気抵抗量が微小に変化します。その変化からコンクリートのひずみ量を推定します。
ひずみとは?
ひずみとはどのように定義されるか、再確認をします。ひずみεは下式で定義されます。
$$ε=⊿L/L$$
元の長さに対して、どれだけ伸びたか(縮んだか)をひずみといいます。
熱電対(コンクリート診断士試験過去問2009年No.22)
2種類の金属導体AとBの両端を上図のように接合し、一方の接点(基準接点)を定温に保つと、他方の接合部(測温部)の温度変化によって導体中に生じる(熱起電力)の測定値から、測温部の温度を測定することができます。これは、熱電対により、異なる材料の2本の金属導体AとBを接続した回路の接点に温度差(T1-T0)が起きることにより回路に電圧が発生する現象を利用しています。この電位差を(熱起電力)として検出して温度を測定します。
金属の種類によって高温測定向きのものと定温測定向きのものがありますが、マスコンクリート等の温度上昇の測定に用いられるのは一般的に低温測定向きののものの方であり、検出精度の観点から(銅とコンスタンタン)の組合せのものが用いられています。
銅とコンスタンタンの組合せは低温(-200℃~300℃)での精密測定に適しています。
白金と白金ロジウムの組合せは高温(0℃~1400℃)での精密測定に適しています。
通常コンクリートに用いられるのは低温測定に適している(銅とコンスタンタン)を用いた測定が行われます。