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【収縮ひび割れ】乾燥収縮と自己収縮の合計を収縮ひび割れと言います

どんな配合のコンクリートがどんなひび割れを生じやすいか

施工管理業務を行っている場合、生コンプラントが持つ配合計画書(JIS品等)の通りかどうかを確認することは当然ですが、配合によってどんなひび割れが生じやすいか、理解しておく必要があります。

さて、ここで問題です。以下の2種類のコンクリートがあります。どちらのコンクリートがどのようなひび割れを生じやすいでしょうか。

A:水セメント比35%、スランプフロー60cm
B:水セメント比55%、スランプ15cm

「コンクリートの収縮ひび割れに気をつけなければならない」とコンクリートの打設計画書に書かれていたら、どんな配合のコンクリートを使っているかで、その対策方法が変わってきます。

収縮ひび割れは2種類と考える

コンクリートの収縮ひび割れには以下の2種類が考えられます

自己収縮

自己収縮は、セメントの水和反応の進行によりコンクリートの体積が減少し、収縮する現象です。コンクリート中のセメント量が多いと収縮量が大きくなり、ひび割れも生じやすくなります。

乾燥収縮

乾燥収縮は、乾燥によるコンクリート中の水分蒸発により、コンクリートの体積が減少し、収縮する現象です。コンクリート中の水分量が多いと収縮量が大きくなります。

乾燥収縮の中でも、まだコンクリートが固まっていない初期状態(プラスチック=可塑、柔軟)での水分の蒸発を原因とする収縮をプラスチック収縮といいます。水分量が少ないコンクリートほど水分の蒸発が早く、プラスチックひび割れが生じやすくなります。

A,Bのコンクリートで起こりやすいひび割れは?

A:水セメント比35%、スランプフロー60cmのコンクリートは、水セメント比が小さいため、以下のひび割れが生じやすいと考えられます。

B:水セメント比55%、スランプ15cmのコンクリートは、水セメント比が大きく、スランプがAに比べて小さいため、以下のひび割れが生じやすいと考えられます。

沈みひび割れが生じる原因は、コンクリート中のブリーディング水が材料分離を起こし、表面に浮き上がる過程で起こると考えられています。くわしくは、こちらの記事を参考にしてください。水セメント比が大きいコンクリートは沈みひび割れを生じやすいということがわかります。

乾燥収縮と自己収縮のイメージ

以下の図は、乾燥収縮と自己収縮の進行具合を表したものです。全体の収縮を抑えるには、養生期間を長くとり、乾燥収縮を抑えることが効果的であることがわかります。

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