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【コンクリート主任技士過去問解説】平成23年度No26~30

コンクリート主任技士過去問 問題と解説

【平成23年度―問題26】

 海水の作用を受けるコンクリート(海洋コンクリート)に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)海上大気中にある構造物では、常時海水中にある構造物に比べ、コンクリート中の鉄筋がさびにくいため、水セメント比を55%とした。
(2)耐硫酸塩ポルトランドセメントは、硫酸塩に対する抵抗性は優れているが。鉄筋の腐食防止効果が劣ることがあるので、海洋環境下における鉄筋コンクリートへの作用には注意が必要である。
(3)塩分の飛来が予想されたため、アルカリシリカ反応の抑制対策として、コンクリート中のアルカリ総量規制によらず、安全と認められる骨材を使用することとした。
(4)やむを得ず打継ぎを設ける場合でも、最高潮位から上60cmと最低潮位から下60cmとの間の感潮部分には、打継を設けないこととした。
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正解(1)

(1)誤りです。海面に近い海上大気中は、飛沫滞と呼ばれ、飛沫滞にある構造物は、コンクリート中の鉄筋がさびやすくなります。飛沫滞にある構造物への、海水の付着と乾燥が繰り返されることで、塩化物イオン濃度が高くなります。これにより、塩化物イオンが構造物内部に侵入しやすくなります。侵入した塩化物イオンにより、コンクリートの中性化が進行します。さらに、鉄筋のさびの原因である、水分の供給も多いため、飛沫滞の鉄筋はさびやすくなります。
なお、標準示方書で定めている水セメント比の上限値は、海上大気中と海水中は50%、飛沫滞は45%で、飛沫滞の水セメント比が、最も厳しく制限されています。詳しくはこちらのページを参照ください。
(2)問題の通りです。耐硫酸塩ポルトランドセメントは、化学反応を抑制するために、アルカリ量を少なくするものがあります。アルカリ量が少ないと、中性化は進行しやすく場合があるため、鉄筋の腐食防止効果が劣ることがあります。
(3)問題の通りです。規制によらず、安全と認められるものを使用することを考慮することは正しい記述です。
(4)問題の通りです。感潮部分は、汚染されやすいため、コンクリートの打ち継ぎ部分として適当ではありません。

【平成23年度―問題27】

 高流動コンクリートに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)降伏値は小さいが塑性粘度が大きいので、理論吐出圧力の大きなコンクリートポンプを選定した。
(2)流動性の保持時間は温度条件によって変化するので、高性能AE減水剤の種類や添加量により、流動性の保持時間を調整した。
(3)材料分離抵抗性を高めるため単位粉体量を多くしているので、練混ぜ時間を、一般のコンクリートよりも長く設定した。
(4)材料分離を起こすことなく著しく流動性を高めているので、打込みの時の自由流動距離の制限がない。
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正解(4)

(1)問題の通りです。高流動コンクリートのように、粘度が大きいコンクリートを圧送する場合、圧力損失が大きくなるため、その分、吐出圧力の大きなコンクリートポンプを選定することは、正しい記述です。
(2)問題の通りです。高性能AE減水剤の種類や添加量により、流動性の保持時間を調整します。
(3)問題の通りです。練り混ぜ時間を長くすると、コンクリート中の空気量が減少する傾向があります。しかし、材料分離抵抗性を高めるため、単位粉体量を多くしている場合は、空気保持性能が高くなるため、コンクリートを均一にするために練り混ぜ時間を長く設定することは正しい記述です。
(4)誤りです。高流動コンクリートの自由流動距離の制限は20mです。

【平成23年度―問題28】

 鉄筋コンクリートはりの曲げ載荷試験において、下図の荷重―たわみ(P―δ)曲線を得た。この図のa~c点で生じている現象として、適当なものはどれか
a点 b点 c点
(1) 引張鉄筋の降伏 曲げひび割れの発生 コンクリートの圧壊
(2) 引張鉄筋の降伏 コンクリートの圧壊 曲げひび割れの発生
(3) 曲げひび割れの発生 引張鉄筋の降伏 コンクリートの圧壊
(4) 曲げひび割れの発生 コンクリートの圧壊 引張鉄筋の降伏
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正解(3)

【平成23年度―問題29】

 鉄筋コンクリート部材の設計の行為に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)鉄筋コンクリート部材を、せん断破壊よりも曲げ破壊が先行するように設計した。
(2)鉄筋コンクリートはりのせん断耐力を増加させるために、同一断面積で同一強度のスターラップ(あばら筋)の配置間隔を狭くした。
(3)鉄筋コンクリートはりのせん断耐力を増加させるために、引張主(鉄)筋を高強度鉄筋に変更した。
(4)鉄筋コンクリート柱のじん性を向上させるために、フープ(帯筋)の配置間隔を狭くした。
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正解(3)

(1)問題の通りです。せん断破壊は、脆性破壊で、建物が一気に崩壊する危険性が高くなります。一方、曲げ破壊は靭性破壊で、建物が粘り強さを発揮し、一気に崩壊する危険性が低くなります。一般的には、コンクリート部材はせん断破壊よりも、曲げ破壊が先行するように設計します。
(2)問題の通りです。鉄筋コンクリート梁のせん断耐力を増大させるために、あばら筋の配置間隔を狭くすることや、あばら筋の強度を上げることは、正しい記述になります。
(3)誤りです。引張主鉄筋を、高強度鉄筋に変更すると、曲げ耐力を増加させることになります。せん断耐力を増加させるためには、帯筋を高強度鉄筋に変更するという記述であれば、正しい記述になります。
(4)問題の通りです。柱のせん断耐力を増大させるために、帯筋の配置間隔を狭くすることや、帯筋の強度を上げることは、正しい記述になります。柱のせん断耐力を向上させ、曲げ破壊を先行させることで、靭性を向上します。

【平成23年度―問題30】

 プレストレストコンクリートに関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか
(1)鉄筋コンクリート部材と比べて部材断面を小さくできるので、自重が支配するようなスパンが大きな構造に有利である。
(2)導入したプレストレスを保持させるためには、コンクリートの乾燥収縮やクリープは小さい方が望ましい。
(3)ポストテンション方式では、シースとPC鋼材の隙間にグラウトを注入し、PC鋼材を防食するとともに、PC鋼材とコンクリート間の付着を確保している。
(4)プレテンション方式では、コンクリート打込み後にPC鋼材を緊張し、コンクリートの端部で定着することによって、プレストレスを導入している。
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正解(4)

(1)問題の通りです。スパンが大きな構造は、自重による変形や応力が大きいです。断面部材を小さくして、自重を小さくできるプレストレストコンクリートは、有効であるといえます。
(2)問題の通りです。コンクリートの乾燥収縮や、クリープは、コンクリートの変形を生じさせることによる、応力の増大や、付着の減少による応力の減少などを起こす可能性があるため、正しい記述です。
(3)問題の通りです。ポストテンション方式では、PC鋼材とコンクリート間の付着を確保することが重要なため、グラウトの充填管理が重要です。シースとPC鋼材に隙間があると、PC鋼材の緊張力を部材に正しく伝えることができなくなる恐れがあります。
(4)誤りです。プレテンション方式ではなく、ポストテンション方式の説明です。プレの意味は、前、ポストの意味は、後です。コンクリートの打込みを基準として、プレか、ポストかの名称が決まります。

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