WES試験対策(1級) 問題と解説 No.201~205
このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。
【No 801~820】WES溶接管理技術者試験対策
WES溶接管理技術者試験勉強のための一問一答形式の音声教材です。初学者である自分向けに、音声には基本的な用語の説明も含めています。運動中や通勤中に聞き流しながら...
【No.201】 溶接、接合法
溶接、接合法に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)太径ワイヤを用いるサブマージアーク溶接について、一般に直流・定電圧特性電源を用いる。
(2)太径ワイヤを用いるサブマージアーク溶接について、炭酸ガスシールドに用いる。
(3)太径ワイヤを用いるサブマージアーク溶接について、アーク電圧をフィードバックしてワイヤ送給速度を制御する。
(4)太径ワイヤを用いるサブマージアーク溶接について、じん性が良好な熱影響部(HAZ)が得られる。
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誤っている選択肢は (1)、(2)、(4)
【解説】
(1)誤り。太いワイヤは断面積が大きいので、少しワイヤが溶け込むだけで電流がドッと増えやすい性質があります。電圧を一定にしておけば、アーク長が変わっても電流が自動調整され、アークが安定します。
(2)誤り。サブマージアーク溶接では、フラックスを粉体のままシールドとして用います。
(3)正しい。サブマージ溶接はワイヤ送給速度で電流を制御する方式です。電圧は、アーク長の設定、電流は、ワイヤ送給速度で決まります。
(4)誤り。太径ワイヤを用いるサブマージアーク溶接では、大入熱になりやすく、粗粒化しやすいため、HAZ じん性には不利になります。
【No.202】 溶接、接合法
溶接、接合法に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)エレクトロガスアーク溶接は、一般に直流・定電圧特性電源を用いる。
(2)エレクトロガスアーク溶接は、炭酸ガスシールドに用いる。
(3)エレクトロガスアーク溶接は、アーク電圧をフィードバックしてワイヤ送給速度を制御する。
(4)エレクトロガスアーク溶接は、じん性が良好な熱影響部(HAZ)が得られる。
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誤っている選択肢は (3)、(4)
【解説】
(1)正しい。エレクトロガスアーク溶接(EGW)は、一般に「直流(DC)・定電圧特性(CV)電源」を用います。
(2)正しい。エレクトロガスアーク溶接溶接は、炭酸ガスシールドに用います。
(3)誤り。エレクトロガスアーク溶接(EGW)は アーク電圧をフィードバックしてワイヤ送給速度を制御する方式ではありません。 定電圧(CV)電源を使い、ワイヤ送給速度が電流を決める方式です。
(4)誤り。エレクトロガスアーク溶接溶接は、大入熱になるため、粗粒化しやすく、じん性に不利となります。
【No.203】 溶接、接合法
溶接、接合法に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)プラズマアーク溶接は、ノズル電極による熱的ピンチ効果を利用する。
(2)プラズマアーク溶接は、炭酸ガスを作動ガスに用いる。
(3)プラズマアーク溶接は、金属の溶接には非移行式プラズマを用いる。
(4)プラズマアーク溶接は、ノズル電極の穴径を小さくしすぎるとシリーズアークが発生する。
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誤っている選択肢は (2)、(3)
【解説】
(1)正しい。プラズマアーク溶接は、ノズル電極による熱的ピンチ効果を積極的に利用する溶接法です。ノズル電極(オリフィス)がアークを“細く・強く”絞ります。その絞り込みが熱的ピンチ効果です。
(2)誤り。プラズマアーク溶接は「不活性ガス」が基本です。原則としてアルゴンを中心に使います。
(3)誤り。プラズマアーク溶接では、電極と母材の間にアークを発生させる「移行式」と、電極とノズルの間にアークを発生させ、それを収束させて母材に導く「非移行式(パイロットアーク方式)」の2種類があります。
(4)正しい。プラズマアーク溶接において、トーチノズルの穴径を極端に小さくしすぎると、プラズマガスが狭い空間に閉じ込められ、アークの不安定化を招きます。その結果、アークが断続的に発生・消滅を繰り返すシリーズアーク(直列アーク)と呼ばれる現象が発生しやすくなります。
【No.204】 溶接、接合法
溶接、接合法に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)レーザ溶接は、金属の溶接には一般に紫外領域のレーザ光を用いる。
(2)レーザ溶接は、金属蒸気の影響を受けにくい。
(3)レーザ溶接は、材料の種類によらず安定した溶け込みが得られる。
(4)レーザ溶接は、薄い鋼板を高速に溶接できる。
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誤っている選択肢は (1)、(2)、(3)
【解説】
(1)誤り。金属のレーザ溶接には、一般に近赤外領域のレーザ光が用いられます。
(2)誤り。レーザ溶接プロセスにおいて発生する金属蒸気は、溶接品質やプロセスに大きな影響を与えます。
(3)誤り。レーザ溶接における安定した溶け込みは、材料の種類や特性に大きく依存します。代表例として、光吸収率の違いがあります。 材料によってレーザ光の吸収率は異なり、特に金属の種類や表面状態(粗さ、酸化膜の有無)が影響します。吸収率が低い材料や反射率が高い材料(銅やアルミニウムなど)では、効率的な入熱や深い溶け込みを得ることが難しく、高い出力や特殊な波長のレーザが必要になる場合があります。
(4)正しい。レーザ溶接は、高エネルギー密度のビームを照射するため、非常に薄い鋼板でも、高速かつ低ひずみで溶接することが可能です。
【No.205】 溶接、接合法
溶接、接合法に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)摩擦攪拌接合は、ツール回転運動による摩擦熱を利用して母材を溶融する。
(2)摩擦攪拌接合は、接合部では塑性流動が生じ、組織が微細化される。
(3)摩擦攪拌接合は、高融点材料の接合が容易である。
(4)摩擦攪拌接合は、アーク溶接に比べて溶接変形や残留応力を低減できる。
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誤っている選択肢は (1)、(3)
【解説】
(1)誤り。摩擦攪拌接合(FSW)は、ツール回転による摩擦熱で母材を溶融させずに軟化させ、塑性流動させて混ぜ合わせる「固相接合」技術であり、母材が溶けることはありません。これにより、溶接特有の歪みやスパッタが少なく、高品質な接合が可能になります。
(2)正しい。摩擦攪拌接合(FSW)では、回転する工具の回転と押し付け力で摩擦熱を発生させ、母材(接合する材料)を粘土のような状態(塑性流動)にします。この塑性流動した部分が工具によって練り混ぜられ、再結晶して微細で均一な組織(攪拌部)が形成され、固相で強固に接合されます。これは溶融を伴わない固相接合技術の特徴です。
(3)誤り。摩擦攪拌接合は、高融点材料の接合が容易ではありません。
(4)正しい。摩擦攪拌接合は、アーク溶接に比べて溶接変形や残留応力を大幅に低減できるという大きな利点があります。