WES試験対策(1級) 問題と解説 No.296~300
このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。
【No.296】 機械的特性
機械的特性に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)一般構造用圧延鋼材の特性で、硬さは、ある温度以下で著しく低下する。
(2)一般構造用圧延鋼材の特性で、降伏点または耐力は、ある温度以下で著しく低下する。
(3)一般構造用圧延鋼材の特性で、シャルピー吸収エネルギーは、ある温度以下で著しく低下する。
(4)一般構造用圧延鋼材の特性で、引張強さは、ある温度以下で著しく低下する。
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誤っている選択肢は (1)、(2)、(4)
【解説】
(1)誤り。硬さは低温で低下せず、むしろ上昇する傾向があります。「硬さ」は材料の変形しにくさを示す指標で、低温脆性とは別の性質です。
(2)誤り。降伏点・耐力は低温で低下せず、むしろ上昇します。「降伏点」は塑性変形が始まる応力で、低温脆性とは関係しません。
(3)正しい。シャルピー吸収エネルギーは材料の靭性を示し、低温で急激に低下します。これが「遷移温度」です。
(4)誤り。引張強さは低温で低下せず、むしろ上昇します。「引張強さ」は破断までの最大応力で、低温脆性の主因ではありません。
【No.297】 建築構造用圧延鋼材
建築構造用圧延鋼材に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)建築構造用圧延鋼材(SN材)のB種およびC種にあって、A種にない規定は、降伏点または耐力である。
(2)建築構造用圧延鋼材(SN材)のB種およびC種にあって、A種にない規定は、炭素当量である。
(3)建築構造用圧延鋼材(SN材)のB種およびC種にあって、A種にない規定は、伸びである。
(4)建築構造用圧延鋼材(SN材)のB種およびC種にあって、A種にない規定は、降伏比である。
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誤っている選択肢は (1)、(3)
【解説】
(1)誤り。降伏点・耐力はA種にも規定があります。「降伏点」は構造設計の基本値であり、すべての種別で必要です。
(2)正しい。炭素当量は溶接性を示す指標で、B種・C種には規定があります。A種は溶接性要求が低いため規定がありません。
(3)誤り。伸びはA種にも規定があります。「伸び」は延性を示す基本的な機械的性質です。
(4)正しい。降伏比は塑性変形のしやすさを示す指標で、B種・C種に規定があります。A種にはありません。
【No.298】 TMCP鋼
TMCP鋼に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)490ニュートン級の鋼材において、普通圧延鋼と比べたTMCP鋼の特徴は、炭素当量が低い。
(2)490ニュートン級の鋼材において、普通圧延鋼と比べたTMCP鋼の特徴は、溶接変形が少ない。
(3)490ニュートン級の鋼材において、普通圧延鋼と比べたTMCP鋼の特徴は、予熱温度の低減が可能。
(4)490ニュートン級の鋼材において、普通圧延鋼と比べたTMCP鋼の特徴は、溶接熱影響部で硬化しやすい。
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誤っている選択肢は (2)、(4)
【解説】
(1)正しい。TMCP鋼は制御圧延・制御冷却により強度を確保するため、炭素当量を低くでき、溶接性が良好です。
(2)誤り。溶接変形は鋼材の種類よりも入熱・拘束条件に依存します。「TMCP鋼だから変形が少ない」という特徴はありません。
(3)正しい。炭素当量が低いため硬化しにくく、低温割れの危険性が小さいため、予熱温度を低くできます。
(4)誤り。TMCP鋼は熱影響部で硬化しにくい鋼材です。「硬化しやすい」のは炭素当量が高い鋼材です。
【No.299】 極低温鋼
極低温鋼に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)液化ガスを貯蔵・輸送するための低温容器に用いられる鋼種は、クロムモリブデン鋼である。
(2)液化ガスを貯蔵・輸送するための低温容器に用いられる鋼種は、9%ニッケル鋼である。
(3)液化ガスを貯蔵・輸送するための低温容器に用いられる鋼種は、フェライト系ステンレス鋼である。
(4)液化ガスを貯蔵・輸送するための低温容器に用いられる鋼種は、オーステナイト系ステンレス鋼である。
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誤っている選択肢は (1)、(3)
【解説】
(1)誤り。クロムモリブデン鋼は高温強度に優れた鋼で、低温では脆化しやすく、低温容器には不適です。
(2)正しい。9%Ni鋼は−196℃でも高い靭性を持ち、LNGタンクなどの低温容器に最適です。
(3)誤り。フェライト系ステンレス鋼は低温で脆化しやすく、低温容器には適しません。
(4)正しい。オーステナイト系ステンレス鋼は低温でも靭性が高く、低温容器に適しています。
【No.300】 ソリッドワイヤ
ソリッドワイヤに関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)マグ溶接用ソリッドワイヤの化学成分の中で、軟鋼用被覆アーク溶接棒心線に比べて含有量の多い成分は、炭素である
(2)マグ溶接用ソリッドワイヤの化学成分の中で、軟鋼用被覆アーク溶接棒心線に比べて含有量の多い成分は、ケイ素である
(3)マグ溶接用ソリッドワイヤの化学成分の中で、軟鋼用被覆アーク溶接棒心線に比べて含有量の多い成分は、マンガンである
(4)マグ溶接用ソリッドワイヤの化学成分の中で、軟鋼用被覆アーク溶接棒心線に比べて含有量の多い成分は、アルミニウムである
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誤っている選択肢は (1)、(4)
【解説】
(1)誤り。炭素は溶接性を悪化させるため、ソリッドワイヤでは低く抑えられます。「炭素」は強度向上の目的で添加されますが、多すぎると割れの原因になります。
(2)正しい。ケイ素(Si)は脱酸のために添加され、ソリッドワイヤでは被覆棒心線より多く含まれます。「脱酸」は溶接金属の健全性を高める目的です。
(3)正しい。マンガン(Mn)は脱酸と強度向上のために添加され、ソリッドワイヤでは多めです。「Mn」は靭性改善にも寄与します。
(4)誤り。アルミニウムは一般的なソリッドワイヤではほとんど添加されません。「Al」は特殊用途で脱酸・耐食性向上に使われますが、軟鋼用では主要成分ではありません。