WES試験対策(1級) 問題と解説 No.106~110
このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【No 421~440】WES溶接管理技術者試験対策
WES溶接管理技術者試験勉強のための一問一答形式の音声教材です。初学者である自分向けに、音声には基本的な用語の説明も含めています。運動中や通勤中に聞き流しながら...
【No.106】 アーク溶接
アーク溶接に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)被覆アーク溶接は、垂下定電流特性電源を用いるアーク溶接法である。
(2)プラズマアーク溶接は、垂下定電流特性電源を用いるアーク溶接法である。
(3)ミグ溶接は、垂下定電流特性電源を用いるアーク溶接法である。
(4)エレクトロスラグ溶接は、垂下定電流特性電源を用いるアーク溶接法である。
クリックで解答と解説を表示
誤っている選択肢は (3)、(4)
【解説】
(1)正しい。被覆アーク溶接は溶接棒を手で操作するためアーク長が常に変動します。垂下特性電源を使うことで、アーク長が多少変化しても電流変化は小さく、アークが安定しやすいです。
(2)正しい。プラズマアーク溶接は、定電流特性電源を用いるアーク溶接法です。電圧が変動しても電流はほぼ一定で、定電流特性電源は電極が固定される溶接法に適しています。
(3)誤り。ミグ溶接は、電流が変動しても電圧はほぼ一定である、定電圧特性電源を用いるアーク溶接法です。電流が変動しても電圧はほぼ一定に保たれ、ワイヤ溶融速度が自己調整されることでアーク長が安定する特性があるため、ミグ溶接は半自動・自動化に適しています。
(4)誤り。エレクトロスラグ溶接は、一般的に 大電流・低電圧の直流電源が用いられます。レクトロスラグ溶接は「抵抗熱」を主熱源とするため、「アーク溶接法」ではなく、抵抗溶接に近い特殊溶接法と位置づけられます。
【No.107】 アーク溶接
アーク溶接に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)被覆アーク溶接は、定電圧特性電源を用いるアーク溶接法である。
(2)プラズマアーク溶接は、定電圧特性電源を用いるアーク溶接法である。
(3)ミグ溶接は、定電圧特性電源を用いるアーク溶接法である。
(4)エレクトロスラグ溶接は、定電圧特性電源を用いるアーク溶接法である。
クリックで解答と解説を表示
誤っている選択肢は (1)、(2)、(4)
【解説】
(1)誤り。交流被覆アーク溶接では、交流垂下特性電源が広く使われます。
(2)誤り。プラズマアーク溶接は、定電流特性電源を用いるアーク溶接法です。電圧が変動しても電流はほぼ一定で、定電流特性電源は電極が固定される溶接法に適しています。
(3)正しい。ミグ溶接は、電流が変動しても電圧はほぼ一定である、定電圧特性電源を用いるアーク溶接法です。電流が変動しても電圧はほぼ一定に保たれ、ワイヤ溶融速度が自己調整されることでアーク長が安定する特性があるため、ミグ溶接は半自動・自動化に適しています。
(4)誤り。エレクトロスラグ溶接は、一般的に 大電流・低電圧の直流電源が用いられ、定電圧特性電源を用いますが、レクトロスラグ溶接は「抵抗熱」を主熱源とするため、「アーク溶接法」ではなく、抵抗溶接に近い特殊溶接法と位置づけられます。
【No.108】 アーク溶接
アーク溶接に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)被覆アーク溶接は、シールドガスにアルゴンまたはヘリウムを用いるアーク溶接法である。
(2)プラズマアーク溶接は、シールドガスにアルゴンまたはヘリウムを用いるアーク溶接法である。
(3)ミグ溶接は、シールドガスにアルゴンまたはヘリウムを用いるアーク溶接法である。
(4)エレクトロスラグ溶接は、シールドガスにアルゴンまたはヘリウムを用いるアーク溶接法である。
クリックで解答と解説を表示
誤っている選択肢は (1)、(2)、(4)
【解説】
(1)誤り。被覆アーク溶接は、溶接棒の外側にある被覆材がアーク熱で分解・蒸発し、炭酸ガスなどを発生して溶接部を大気から遮断し、同時に被覆材が溶融してスラグを形成し、溶融金属を覆って酸化や窒化を防止します。外部からアルゴンやヘリウムを供給する必要はありません。
(2)誤り。プラズマアーク溶接は、タングステン電極と母材の間にアークを発生させ、そのアークをノズルで絞り込んで「プラズマ状態」にしたガスを熱源とする溶接法です。プラズマアーク溶接では、溶融池を大気から保護するために外側ノズルから供給されます。アルゴン単体、アルゴンとヘリウム、あるいはアルゴンと水素の混合ガスが用いられます。
(3)正しい。ミグ溶接は、ソリッドワイヤと呼ばれる、金属のワイヤを電極に用いたアーク溶接で、ワイヤと母材を同時に溶かしながら溶接します。ミグとは、メタル、イナートガスの略です。イナートガスは、不活性ガスを指し、不活性ガスには、アルゴンガスやヘリウムガスがあります。ミグ溶接は、電極が溶ける消耗電極式の溶接で、針金状の溶接ワイヤをトーチの先端部に供給しながら溶接を行います。
(4)誤り。エレクトロスラグ溶接は、アルゴンやヘリウムなどのシールドガスを用いるアーク溶接法ではありません。主熱源は「溶融スラグの抵抗発熱」であり、外部シールドガスは不要です。
【No.109】 アーク溶接
アーク溶接に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)ステンレス鋼のティグ溶接では、直流電源及び棒プラス極性が用いられる。
(2)ステンレス鋼のティグ溶接では、直流電源および棒マイナス極性が用いられる。
(3)ステンレス鋼のティグ溶接では、交流電源が用いられる。
(4)ステンレス鋼のティグ溶接では、クリーニング作用を利用して強固な酸化被膜を除去する。
クリックで解答と解説を表示
誤っている選択肢は (1)、(3)、(4)
【解説】
(1)誤り。ステンレス鋼のティグ溶接では、一般的に「直流電源・棒マイナス極性」が用いられます。棒プラス極性は通常使われません。アルミやマグネシウム合金では酸化皮膜除去が必要なため、交流電源を用いて「棒マイナス」と「棒プラス」を交互に切り替えますが、ステンレス鋼では酸化皮膜除去の必要がないため、交流は使わず直流棒マイナスが基本となります。
(2)正しい。ステンレス鋼のティグ溶接では、一般的に「直流電源・棒マイナス極性」が用いられます。棒プラス極性は通常使われません。アルミやマグネシウム合金では酸化皮膜除去が必要なため、交流電源を用いて「棒マイナス」と「棒プラス」を交互に切り替えますが、ステンレス鋼では酸化皮膜除去の必要がないため、交流は使わず直流棒マイナスが基本となります。
(3)誤り。ステンレス鋼のティグ溶接では、一般的に「直流電源・棒マイナス極性」が用いられます。棒プラス極性は通常使われません。アルミやマグネシウム合金では酸化皮膜除去が必要なため、交流電源を用いて「棒マイナス」と「棒プラス」を交互に切り替えますが、ステンレス鋼では酸化皮膜除去の必要がないため、交流は使わず直流棒マイナスが基本となります。
(4)誤り。ステンレス鋼のティグ溶接では、一般的に「直流電源・棒マイナス極性」が用いられます。棒プラス極性は通常使われません。アルミやマグネシウム合金では酸化皮膜除去が必要なため、交流電源を用いて「棒マイナス」と「棒プラス」を交互に切り替えますが、ステンレス鋼では酸化皮膜除去の必要がないため、交流は使わず直流棒マイナスが基本となります。
【No.110】 アーク溶接
アーク溶接に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)直流電流および棒プラス極性はアルミニウム合金のティグ溶接に多用されている。
(2)直流電流および棒マイナス極性はアルミニウム合金のティグ溶接に多用されている。
(3)交流定電流電源は、アルミニウム合金のティグ溶接に多用されている。
(4)直流定電圧電源は、アルミニウム合金のティグ溶接に多用されている。
クリックで解答と解説を表示
誤っている選択肢は (1)、(2)、(4)
【解説】
(1)誤り。アルミ表面は強固な酸化皮膜で覆われており、融点は約2000℃と母材(660℃)よりはるかに高いです。この皮膜を除去しないと溶接が困難になるため、クリーニング作用が必要です。直流棒プラス極性では、酸化皮膜除去は可能ですが電極消耗が激しく、実用性に乏しいものとなります。
(2)誤り。アルミニウム合金のティグ溶接では、直流電流・棒マイナス極性は一般的には多用されず、通常は「交流ティグ溶接」が用いられます。直流棒マイナス極性の特徴として、アーク熱の大部分が母材側に集中し、深い溶け込みが得られる。電極消耗は少ない。などが挙げられます。
(3)正しい。交流定電流電源は、アルミニウム合金のティグ溶接に多用されています。交流ティグ溶接の仕組みは、棒プラス極性時は電子流が母材表面を叩き、酸化皮膜を破壊する「クリーニング作用」が働き、棒マイナス極性時は、アーク熱が母材側に集中し、十分な溶け込みが得られます。交流ではこの両者を交互に繰り返すため、酸化皮膜除去と溶け込みの両立が可能になります。
(4)誤り。ティグ溶接は、アーク長を溶接者が手で制御するため、定電流特性電源が基本です。直流定電圧電源はミグ溶接、マグ溶接用であり、ティグ溶接には適しません。