WES試験対策(1級) 問題と解説 No.186~190

WES(溶接)

WES試験対策(1級) 問題と解説 No.186~190

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【No.186】 施工要領

施工要領に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)多層盛溶接による突き合わせ継手で、試験材の板厚が20mmの場合、承認される板厚の範囲は、10~20mmである。
(2)完全溶け込み溶接の板の突き合わせ溶接の場合、必ず要求される試験は、溶接金属引張試験である。
(3)片面溶接の試験材の場合、承認される溶接は、片面溶接および裏当て金付きの溶接である。
(4)試験材の余熱温度が100℃の場合、承認される溶接温度の下限値は100℃である。
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誤っている選択肢は (1)、(2)、(3)

【解説】
(1)誤り。試験材の板厚が20mmの場合、承認される板厚範囲は 10~40mm です。
(2)誤り。完全溶け込み溶接の板の突き合わせ溶接の場合、溶接金属引張試験は要求されません。必ず要求される試験に横方向曲げ試験があります。
(3)誤り。片面溶接の試験材の場合、承認される溶接は、片面溶接、両面溶接および裏当て金付きの溶接です。
(4)正しい。試験材の余熱温度が100℃の場合、承認される溶接温度の下限値は100℃です。

【No.187】 施工要領

施工要領に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)試験に100%炭酸ガスを用いるマグ溶接を使用した場合、承認される溶接法は100%炭酸ガスを用いるマグ溶接および被覆アーク溶接である。
(2)マグ溶接において、典型的な溶接割れである、なし形ビード割れが発生するのを防止するための適切な溶け込み形状は、ビード幅を広く、溶け込みが浅い形状である。
(3)なし形ビードを防止する方法として、開先角度を広くすることが挙げられる。
(4)なし形ビードを防止する方法として、溶接電流を大きくし、溶接速度を早くすることが挙げられる。
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誤っている選択肢は (4)

【解説】
(1)正しい。試験に100%炭酸ガスを用いるマグ溶接を使用した場合、承認される溶接法は100%炭酸ガスを用いるマグ溶接のみです。
(2)正しい。なし形ビードとは、溶接金属の断面形状が西洋なしの実のような形状になるビードのことです。特に狭い開先で深い溶け込みを行った際に形成されやすく、ビード幅に対して溶け込み深さが大きい、断面が縦長で、中央部がくびれたような形状となります。最終凝固部が中央に集中しやすく、縦割れが発生しやすくなります。なし形ビード割れが発生するのを防止するための適切な溶け込み形状は、ビード幅を広く、溶け込みが浅い形状です。
(3)正しい。なし形ビードを防止する方法として、開先角度を広くすることが挙げられます。
(4)誤り。過大電流はビード幅が広がりすぎるため、適正電流またはやや低めが有効です。また、溶接速度が速いと溶け込み不足になるため、適正速度またはやや遅めにします。

【No.188】 溶接部に発生する割れ

溶接部に発生する割れに関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)なし形ビードを防止する方法として、溶接入熱を小さくすることが挙げられる。
(2)PWHT(Post Weld Heat Treatment)とは、溶接後熱処理のことで、溶接後に溶接部とその周辺を加熱・保持・冷却する熱処理のことで、残留応力の除去、靭性や延性の改善、硬さの低減、水素除去による割れ防止などを主な目的とする。
(3)PWHTによる再熱割れは、HAZの粗粒域に発生する粒界割れである。
(4)HAZは、溶接部における中央部分のことで、最も溶接時の温度が高くなる部分である。
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誤っている選択肢は (4)

【解説】
(1)正しい。なし形ビードを防止する方法として、溶接入熱を小さくすることが挙げられます。
(2)正しい。PWHT(Post Weld Heat Treatment)とは、溶接後熱処理のことで、溶接後に溶接部とその周辺を加熱・保持・冷却する熱処理のことで、残留応力の除去、靭性や延性の改善、硬さの低減、水素除去による割れ防止などを主な目的とします。
(3)正しい。再熱割れは、特にクロムモリブデン鋼や高強度低合金鋼で起きやすく、粗粒HAZが脆化している、PWHT 時のクリープ応力に耐えられないというメカニズムで発生します。粒界割れは、金属の結晶粒と結晶粒の境界(粒界)に沿って発生する割れのことです。高温で粗大化した粒界は、炭化物の析出、不純物の偏析により脆くなりやすいです。
(4)誤り。HAZ(Heat Affected Zone)は 「溶接金属の外側にある、溶けてはいないが熱の影響を受けて組織が変化した領域」 のことです。

【No.189】 溶接部に発生する割れ

溶接部に発生する割れに関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)再熱割れの防止策として、溶接止端部をなめらかに仕上げることが挙げられる。
(2)再熱割れ感受性を表す当量式にΔGがあり、ΔGが大きいほど、再熱割れを生じにくい。
(3)再熱割れの防止策として、テンパビードによる粗粒HAZの微細化が挙げられる。
(4)再熱割れの防止策として、溶接入熱を大きくすることが挙げられる。
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誤っている選択肢は (2)、(4)

【解説】
(1)正しい。再熱割れの防止策として、溶接止端部をなめらかに仕上げ、応力集中を緩和することが挙げられます。
(2)誤り。再熱割れ感受性を表す当量式にΔGがあり、ΔGが小さいほど、再熱割れを生じにくいです。
(3)正しい。再熱割れの防止策として、テンパビードによる粗粒HAZの微細化が挙げられます。テンパビード(tempering bead)とは、先に溶接したビードの HAZ を再加熱して焼戻し・微細化する目的で行う追加溶接ビード のことです。
(4)誤り。入熱が大きいと、HAZ の最高到達温度が上昇し、粗粒HAZが広がり、粒界が脆くなります。粗粒HAZを必要以上に広げないため、 入熱は適正またはやや低めにします。

【No.190】 非破壊検査

非破壊検査に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)V開先多層盛鋼溶接部のパス間の融合不良を検出するのに、超音波探傷試験を用いた。
(2)すみ肉溶接部のアンダカットを検出するために、外観検査を行った。
(3)SUS304溶接部の表面割れを検出するために、浸透探傷試験を用いた。
(4)アルミニウム溶接部のブローホールを検出するために、磁粉探傷試験を用いた。
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誤っている選択肢は (4)

【解説】
(1)正しい。V開先多層盛鋼溶接部のパス間の融合不良は、表面と平行な免状の内部欠陥であり、検出には超音波探傷試験が適しています。
(2)正しい。アンダカットは、発生位置が止端部に特定され、目視検査の対象となる欠陥です。
(3)正しい。非磁性体材料の表面開口きずの検出には、浸透探傷試験が適しています。
(4)誤り。アルミニウム溶接部のブローホールは球状の内部欠陥であり、放射線探傷試験が適しています。
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