WES試験対策(1級) 問題と解説 No.211~215

WES(溶接)

WES試験対策(1級) 問題と解説 No.211~215

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【No.211】 溶接性

溶接性に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)建築構造用圧延鋼材(SN材)のB種およびC種では、引張強さの上限値が規定されている。
(2)建築構造用圧延鋼材(SN材)のB種およびC種では、炭素当量の上限値が規定されている。
(3)建築構造用圧延鋼材(SN材)のB種およびC種では、伸びの上限値が規定されている。
(4)建築構造用圧延鋼材(SN材)のB種およびC種では、降伏比の上限値が規定されている。
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誤っている選択肢は (1)、(3)

【解説】
(1)誤り。SN材は、引張強さの上限値および下限値が規定されています。
(2)正しい。SN材は、炭素当量または溶接割れ感受性組成の上限が規定されています。
(3)誤り。SN材は、伸びの上限ではなく下限値が規定されています。
(4)正しい。SN材は、降伏比の上限値が規定されています。

【No.212】 溶接性

溶接性に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)溶接部の冷却速度は、溶接入熱が大きくなると、冷却速度は大きくなる。
(2)溶接部の冷却速度は、予熱、パス間温度が高くなると、冷却速度は大きくなる。
(3)溶接部の冷却速度は、板厚が厚くなるほど、冷却速度は大きくなる。
(4)溶接部の冷却速度は、継手形状に依存する。
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誤っている選択肢は (1)、(2)

【解説】
(1)誤り。溶接部の冷却速度は、溶接入熱が大きくなると、冷却速度は小さくなります。
(2)誤り。溶接部の冷却速度は、予熱、パス間温度が高くなると、冷却速度は小さくなります。
(3)正しい。溶接部の冷却速度は、板厚が厚くなるほど、冷却速度は大きくなります。熱が板を伝って、放熱する表面積が大きくなります。
(4)正しい。溶接部の冷却速度は、継手形状に依存します。

【No.213】 溶接性

溶接性に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)低炭素鋼の溶接熱影響部で最高硬さを示す加熱温度範囲は750~900℃である。
(2)低温割れの主要因は、酸素である。
(3)低温割れは、300℃以下で生じる。
(4)低温割れは、硬化組織ほど生じやすい。
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誤っている選択肢は (1)、(2)

【解説】
(1)誤り。最高硬さを示すのは約1250~1540℃以上で、オーステナイト粒が最も粗大化する温度域となります。
(2)誤り。低温割れの主要因は、水素です。
(3)正しい。低温割れは、300℃以下で生じます。
(4)正しい。低温割れは、硬化組織ほど生じやすいです。

【No.214】 溶接性

溶接性に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)低温割れは、フェライト系ステンレス鋼では生じない。
(2)9%ニッケル鋼は、代表的な高温鋼である。
(3)クロムは高温用鋼の重要元素である。
(4)高温用鋼は、クリープ特性が要求される。
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誤っている選択肢は (1)

【解説】
(1)誤り。フェライト系ステンレス鋼でも、条件によっては水素脆化に起因する低温割れが発生することが知られています。
(2)正しい。9%ニッケル鋼は、低温靭性に特化した鋼であり、高温強度、耐酸化性、クリープ特性といった「高温鋼に必要な性質」は持っていません。
(3)正しい。クロムは高温用鋼の最重要元素のひとつであり、耐酸化性・高温強度・組織安定化の中心的役割を担います。
(4)正しい。鋼材は、常温では弾性変形・塑性変形の範囲で挙動しますが、高温(おおむね 450~500℃以上)になると、応力が小さくても時間とともに変形が進むという特性を持ちます。これをクリープ特性といい、高温用鋼に クリープ特性(高温での時間依存変形に耐える能力) が要求されます。

【No.215】 溶接性

溶接性に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)高温用鋼は、溶接性感受組成が低く、低温割れ感受性が低い。
(2)再熱割れは、溶融金属の凝固過程で溶接金属内に発生する。
(3)再熱割れは、組成パラメータΔGやPSRが大きい鋼材で発生しやすい。
(4)再熱割れは、溶接後熱処理時に発生する。
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誤っている選択肢は (1)、(2)

【解説】
(1)誤り。溶接性感受組成(炭素当量 CE)は、硬化しやすさ、つまり低温割れしやすさを示す指標です。高温用鋼全体として“低温割れしにくい”とは言えません。
(2)誤り。「溶融金属の凝固過程で溶接金属内に発生する割れ」は 凝固割れ(高温割れの一種) の説明であり、再熱割れとは異なります。再熱割れは、再加熱により 微細炭化物(クロムやモリブデンなど)が析出し、粒内が強化され、その結果、粒界が相対的に弱くなり、応力が集中し、リンや硫黄などの不純物元素が粒界に偏析して脆化を助長することです。
(3)正しい。、再熱割れ感受性を評価するパラメータ ΔG や PSR は、鋼材に含まれる特定の合金元素に強く依存します。これらの値が大きい鋼材ほど、再熱割れが発生しやすいとされています。ΔGは、クロム、モリブデン、バナジウムの量にが多いほど、その値が大きくなります。これらの元素が多いと粒内が強化され、粒界が相対的に弱くなり、再熱割れ感受性が高まります。PSRはクロム、モリブデン、バナジウムに加え、銅、ニオブ、チタンの量が多くなるほど、その値が大きくなります。ニオブやチタンのような強力な炭化物形成元素が多いと、粒内が硬化し、粒界に応力集中し、再熱割れが起こりやすくなります。
(4)正しい。再熱割れ(SR割れ)は、溶接後熱処理や、高温使用中に発生する代表的な割れです。再熱割れは、溶接直後ではなく、PWHT(応力除去焼なましなど)で500〜700℃程度に再加熱されたときに発生します。発生部位としては、溶接熱影響部(HAZ)の粗粒域で、特にオーステナイト粒界に沿って割れます。また、割れの形態としては、典型的な粒界割れとなります。
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