WES試験対策(1級) 問題と解説 No.256~260

WES(溶接)

WES試験対策(1級) 問題と解説 No.256~260

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。
【No 1021~1040】WES溶接管理技術者試験対策
WES溶接管理技術者試験勉強のための一問一答形式の音声教材です。初学者である自分向けに、音声には基本的な用語の説明も含めています。運動中や通勤中に聞き流しながら...

【No.256】 アーク溶接継手

アーク溶接継手に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)構造用圧延鋼材SM490のアーク溶接継手の母材の組織は、フェライト+オーステナイトである。
(2)構造用圧延鋼材SM490のアーク溶接継手において、最高硬さを示すのは熱影響部の細粒域である。
(3)構造用圧延鋼材SM490のアーク溶接継手において、最高硬さに及ぼす鋼の化学成分の影響を表す指標は、炭素当量である。
(4)構造用圧延鋼材SM490のアーク溶接継手において、冷却速度が大きくなると増加する組織は、マルテンサイトである。
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誤っている選択肢は (1)、(2)

【解説】
(1)誤り。SM490は一般的な構造用圧延鋼材で、常温組織はフェライト+パーライトです。オーステナイトはステンレス鋼などの高合金鋼で見られる組織であり、SM490の母材組織には含まれません。
(2)誤り。最高硬さを示すのは粗粒域です。粗粒域は高温にさらされて結晶粒が粗大化し、その後の急冷でマルテンサイトなどの硬い組織が生じやすくなります。
(3)正しい。炭素当量は鋼の硬化性や溶接割れ感受性を評価する指標で、最高硬さの予測にも用いられます。炭素やマンガン、クロムなどの影響をまとめて評価できます。
(4)正しい。冷却速度が大きいほど拡散変態が起こらず、マルテンサイトが生成しやすくなります。マルテンサイトは硬く脆いため、溶接割れの原因にもなります。

【No.257】 アーク溶接継手

アーク溶接継手に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)構造用圧延鋼材SM490のアーク溶接継手において、冷却速度に影響する因子として、母材の板厚が挙げられる。
(2)構造用圧延鋼材SM490のアーク溶接継手において、冷却速度に影響する因子として、溶接入熱が挙げられる。
(3)構造用圧延鋼材SM490のアーク溶接継手において、冷却速度に影響する因子として、継手形状が挙げられる。
(4)構造用圧延鋼材SM490のアーク溶接継手において、冷却速度に影響する因子として、鋼材の化学成分が挙げられる。
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誤っている選択肢は (4)

【解説】
(1)正しい。板厚が厚いほど熱が母材に逃げやすく、冷却速度は大きくなります。厚板溶接では急冷による硬化に注意が必要です。
(2)正しい。入熱が大きいと冷却はゆっくり進み、入熱が小さいと急冷されます。溶接入熱は冷却速度を左右する主要因です。
(3)正しい。開先形状や拘束条件により熱の逃げ方が変わり、冷却速度も変化します。継手形状は冷却挙動に大きく影響します。
(4)誤り。化学成分は冷却後の組織(硬化性)に影響しますが、冷却速度そのものは板厚・入熱・継手形状などの熱伝導条件で決まります。

【No.258】 溶接材料

溶接材料に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)被覆アーク溶接棒における被覆材の役割は、ガスの発生および溶融スラグ形成による外気からの遮断である。
(2)被覆アーク溶接棒における被覆材の役割は、アークの安定化である。
(3)被覆アーク溶接棒における被覆材の役割は、溶融スラグによる脱水素である。
(4)被覆アーク溶接棒における被覆材の役割は、良好なビード整形である。
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誤っている選択肢は (3)

【解説】
(1)正しい。被覆材は溶融時にガスとスラグを発生させ、溶融金属を大気から遮断します。酸化や窒化を防ぎ、健全な溶接金属を得るために重要です。
(2)正しい。被覆材にはアークを安定させる成分が含まれ、着火性やアークの持続性を向上させます。安定したアークはビード形成にも有利です。
(3)誤り。脱水素作用は低水素系溶接棒の特徴であり、すべての被覆材の一般的な役割ではありません。被覆材の主な役割は遮断・アーク安定・スラグ形成です。
(4)正しい。被覆材から生成されるスラグは溶融金属の表面張力や冷却挙動に影響し、ビード形状を整える働きをします。良好な外観形成にも寄与します。

【No.259】 溶接材料

溶接材料に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)サブマージアーク溶接用ボンドフラックスが、溶接フラックスに比べて優れいている特徴は、合金元素が容易に添加できる点である。
(2)サブマージアーク溶接用ボンドフラックスが、溶接フラックスに比べて優れいている特徴は、じん性に優れる点である。
(3)20%炭酸ガス+80%アルゴン混合ガス用のソリッドワイヤを用い、100%炭酸ガスをシールドガスとしてマグ溶接した場合、溶接金属中のケイ素濃度は高くなる。
(4)20%炭酸ガス+80%アルゴン混合ガス用のソリッドワイヤを用い、100%炭酸ガスをシールドガスとしてマグ溶接した場合、溶接金属中マンガン濃度は低くなる。
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誤っている選択肢は (3)

【解説】
(1)正しい。ボンドフラックスは粉末をバインダーで固めた構造で、粉末側に合金元素を配合しやすく、溶接金属の成分調整が容易です。
(2)正しい。ボンドフラックスは成分設計の自由度が高く、じん性を確保しやすい特徴があります。適切な設計により高じん性の溶接金属が得られます。
(3)誤り。二酸化炭素が多いほど酸化が進み、ケイ素は酸化物としてスラグに移行しやすくなります。そのため溶接金属中のケイ素濃度は低下します。
(4)正しい。マンガンも酸化されやすく、二酸化炭素が多いほどスラグ側に移行します。そのため溶接金属中のマンガン濃度は低下します。

【No.260】 オーステナイト系ステンレス鋼の溶接

オーステナイト系ステンレス鋼の溶接に関する問題で、誤っているものはどれか。
(1)オーステナイト系ステンレス鋼の溶接金属では、クロムやニッケルが貧化した箇所で孔食が生じやすい。
(2)オーステナイト系ステンレス鋼の溶接金属の、孔食対策には、1100℃以上の熱処理により対孔食性に有効な元素の偏析を緩和することが挙げられる。
(3)オーステナイト系ステンレス鋼の溶接金属の、孔食対策には、クロムやニッケルの量が多い溶接材料の使用が挙げられる。
(4)応力腐食割れとは、材料を特定の腐食環境下中で引張応力状態に置いた場合、腐食作用に助長されて一定時間経過後に生じる割れである。
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誤っている選択肢は (1)、(3)、(4)

【解説】
(1)誤り。孔食の主因はクロム欠乏部です。ニッケルの貧化は主に応力腐食割れに関係し、孔食の発生要因とは異なります。
(2)正しい。高温での溶体化熱処理によりクロムやモリブデンが均一に分布し、局所的なクロム欠乏が緩和され、孔食感受性が低下します。
(3)誤り。孔食抵抗にはモリブデンが重要であり、クロムやモリブデンを含む材料選定が効果的です。
(4)誤り。応力腐食割れは「特定の材料・特定の環境・引張応力」の3条件がそろって発生します。材料の感受性を含めた定義である点が重要です。
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