【宅建過去問】権利関係ー代理No.21-25

宅建士
【No2-5】聞き流し_宅建過去問_一問一答_権利関係
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【No.21】

AがBの代理人としてB所有の甲土地について売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,正しいものはどれか。
(1)AがBの代理人としてB所有の甲土地について売買契約を締結した場合,Aが甲土地の売却を代理する権限をBから書面で与えられている場合,A自らが買主となって売買契約を締結したときは,Aは甲土地の所有権を当然に取得する。
(2)AがBの代理人としてB所有の甲土地について売買契約を締結した場合,Aが甲土地の売却を代理する権限をBから書面で与えられている場合,AがCの代理人となってBC間の売買契約を締結したときは,Cは甲土地の所有権を当然に取得する。
(3)AがBの代理人としてB所有の甲土地について売買契約を締結した場合,Aが無権代理人であってDとの間で売買契約を締結した後に,Bの死亡によりAが単独でBを相続した場合,Dは甲土地の所有権を当然に取得する。
(4)AがBの代理人としてB所有の甲土地について売買契約を締結した場合,Aが無権代理人であってEとの間で売買契約を締結した後に,Aの死亡によりBが単独でAを相続した場合,Eは甲土地の所有権を当然に取得する。
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正解は(3)

【解説】
(1)×誤り。Aの行為は自己契約であり,Aは甲土地を取得しません。自己契約は,本人があらかじめ許諾した場合を除き,原則として許されず,これに違反して行われた行為は,無権代理行為となります。
(2)×誤り。Aの行為は双方代理であり,Cは甲土地を取得しません。双方代理は,本人があらかじめ許諾した場合を除き,原則として許されず,これに違反して行われた行為は,無権代理行為となります。
(3)○正しい。無権代理人が単独で本人を相続した場合には,当該無権代理行為は当然に有効となります。無権代理人による追認拒絶は信義に反し許されないからです。
(4)×誤り。本人BがAを相続した場合,Eは当然には取得できません。皿圜本人が単独で無権代理人を相続しても,本人による追認拒絶は信義に反するものではありません(判例)。また,相手方が善意無過失でなければ,本人が無権代理人の責任を負うこともありません。したがって,本人Bが無権代理人Aを相続した場合には,Eは,当然には甲土地の所有権を取得することはできません。よって,本肢は誤りです。

【No.22】

AはBの代理人として,B所有の甲土地をCに売り渡す売買契約をCと締結した。しかし,Aは甲土地を売り渡す代理権は有していなかった。この場合に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,誤っているものはどれか。
(1)AはBの代理人として,B所有の甲土地をCに売り渡す売買契約をCと締結したが,Aは甲土地を売り渡す代理権は有していなかった場合,BがCに対し,Aは甲土地の売却に関する代理人であると表示していた場合,Aに甲土地を売り渡す具体的な代理権はないことをCが過失により知らなかったときは,BC間の本件売買契約は有効となる。
(2)AはBの代理人として,B所有の甲土地をCに売り渡す売買契約をCと締結したが,Aは甲土地を売り渡す代理権は有していなかった場合,BがAに対し,甲土地に抵当権を設定する代理権を与えているが,Aの売買契約締結行為は権限外の行為となる場合,甲土地を売り渡す具体的な代理権がAにあるとCが信ずべき正当な理由があるときはBC間の本件売買契約は有効となる。
(3)AはBの代理人として,B所有の甲土地をCに売り渡す売買契約をCと締結したが,Aは甲土地を売り渡す代理権は有していなかった場合,Bが本件売買契約を追認しない間は,Cはこの契約を取り消すことができる。ただし,Cが契約の時において,Aに甲土地を売り渡す具体的な代理権がないことを知っていた場合は取り消せない。
(4)AはBの代理人として,B所有の甲土地をCに売り渡す売買契約をCと締結したが,Aは甲土地を売り渡す代理権は有していなかった場合,Bが本件売買契約を追認しない場合,Aは,Cの選択に従い,Cに対して契約履行又は損害賠償の責任を負う。ただし,Cが契約の時において,Aに甲土地を売り渡す具体的な代理権はないことを知っていた場合は責任を負わない。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。相手方Cには過失があることから,契約は無効です。本人が,無権代理人に代理権を与えた旨を表示した場合,相手方が善意,無過失であれば,責任を負わなければなりません。本肢の場合,Cは,Aが甲土地を売り渡す代理権を与えられていないことを過失により知らなかった以上,表見代理は成立せず,BC間の本件売買契約は有効とはなりません。
(2)○正しい。代理人が権限外の行為を行った場合でも,相手方が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときは,表見代理が成立し,本人に効果が帰属します。
(3)○正しい。無権代理行為の相手方は,契約の当時,無権代理であることを知らない場合,本人の追認がない間は,契約を取り消すことができます。Cが無権代理であることを知っていた場合は,取り消すことはできません。
(4)○正しい。無権代理人は,相手方が契約の当時,無権代理であることについて善意無過失であり,本人の追認がなく,無権代理大が制限行為能力者でない場合には,相手方の選択に従い,相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負います。

【No.23】

Aは,Bの代理人として,Bの所有地をCに売却した。この場合,民法の規定及び判例によれば,次の記述のうち正しいものはどれか。
(1)Aが,Bの代理人として,Bの所有地をCに売却した場合,Aが未成年者であって,法定代理人の同意を得ないで売買契約を締結した場合,Bは,Aに代理権を与えていても,その売買契約を取り消すことができる。
(2)Aが,Bの代理人として,Bの所有地をCに売却した場合,BがAに抵当権設定の代理権しか与えていなかったにかかわらず,Aが売買契約を締結した場合,Bは,Cが善意無過失であっても,その売買契約を取り消すことができる。
(3)Aが,Bの代理人として,Bの所有地をCに売却した場合,Aに代理権がないにもかかわらず,AがBの代理人と偽って売買契約を締結した場合,Bの追認により契約は有効となるが,その追認はCに対して直接行うことを要し,Aに対して行ったときは,Cがその事実を知ったとしても,契約の効力を生じない。
(4)Aが,Bの代理人として,Bの所有地をCに売却した場合,Aが代理権を与えられた後売買契約締結前に破産すると,Aの代理権は消滅するが,Aの代理権が消滅しても,Cが善意無過失であれば,その売買契約は有効である。
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正解は(4)

【解説】
(1)×誤り。代理人が未成年者であっても,契約の取り消しはできません。制限行為能力者であっても,代理人となることができます。このとき,本人は,制限行為能力者が代理人として契約したことを理由として,契約を取り消すことはできません。
(2)×誤り。契約を取り消せるのはCであってBではありません。無権代理の場合,相手方には取り消し権がありますが,本人には取り消し権はありません。
(3)×誤り。追認はCのみならずAに対しても行うことができます。無権代理行為は原則として無効となりますが,本人が追認すれば,有効なものとなります。そして,追認は,本人が相手方に直接追認の意思表示をするのが原則ですが,本人が代理人に対して意思表示をした場合でも,相手方が追認の事実を知った後には効力を生じます。
(4)○正しい。代理人が破産すると,その代理権は消滅します。しかし,代理権が消滅した後の代理人の行為であって糺相手方が,代理人に以前と同様に代理権があるものと善意無過失で信頼したときには,有効なものとなります。

【No.24】

Aが,Bの代理人として,Cとの間でB所有の土地の売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち,民法の規定及び判例によれば,誤っているものはどれか。
(1)Aが,Bの代理人として,Cとの間でB所有の土地の売買契約を締結した場合,AがBから土地売買の代理権を与えられていた場合で,所有権移転登記の申請についてCの同意があったとき,Aは,B及びC双方の代理人として登記の申請をすることができる。
(2)Aが,Bの代理人として,Cとの間でB所有の土地の売買契約を締結した場合,AがBから抵当権設定の代理権を与えられ,土地の登記済証,実印,印鑑証明書の交付を受けていた場合で,CがBC間の売買契約についてAに代理権ありと過失なく信じたとき,Cは,Bに対して土地の引き渡しを求めることができる。
(3)Aが,Bの代理人として,Cとの間でB所有の土地の売買契約を締結した場合,Aが,Bから土地売買の代理権を与えられ,CをだましてBC間の売買契約を締結した場合は,Bが詐欺の事実を知っていたと否とにかかわらず,Cは,Bに対して売買契約を取り消すことができる。
(4)Aが,Bの代理人として,Cとの間でB所有の土地の売買契約を締結した場合,Aが,Bから土地売買の委任状を受領した後,破産手続き開始の決定を受けたのに,Cに当該委任状を示して売買契約を締結した場合,Cは,Aが破産手続き開始の決定を受けたことを知っていたときでも,Bに対して土地の引き渡しを求めることができる。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。双方代理は,原則として許されませんが,同一人が登記権利者及び登記義務者の双方の代理人として登記申請行為をすることは例外的に許されます。
(2)○正しい。代理人がその権限を越える行為をすれば,その行為は,原則として,無権代理となりますが,相手方が,その行為をする代理権があると善意無過失で信頼したときには,表見代理が成立し,有効となります。
(3)○正しい。契約の際に詐欺や強迫があったかどうかは,代理人を基準に判断されます。代理人AがCをだましている以上,Cは,当該売買契約を取り消すことができます。
(4)×誤り。Cが悪意の場合には,引渡しを求めることができません。・代理人が破産すると代理権は消滅します(民法111条1項2号)圖そして,代理権が消滅した後の代理人の行為は,原則として無効ですが,相手方が,代理人に代理権があるものと善意無過失で信頼したときには,その代理人の行為は有効なものとなります(代理権消滅後の表見代理,民法112条)。本肢では,相手方CはAが破産したことを知っています。したがって,表見代理は成立せず,CはBに対して土地の引渡しを求めることはできません。よって,本肢は誤りであり,本問の正解肢となります。

【No.25】

Aは不動産の売却を妻の父であるBに委任し,売却に関する代理権をBに付与した。この場合に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,正しいものはどれか。
(1)Aが不動産の売却を妻の父であるBに委任し,売却に関する代理権をBに付与した場合,Bは,やむを得ない事由があるときは,Aの許諾を得なくとも復代理人を選任することができる。
(2)Aが不動産の売却を妻の父であるBに委任し,売却に関する代理権をBに付与した場合,Bが,Bの友人Cを復代理人として選任することにつき,Aの許諾を得たときは,Bはその選任に関し過失があったとしても,Aに対し責任を負わない。
(3)Aが不動産の売却を妻の父であるBに委任し,売却に関する代理権をBに付与した場合,Bが,Aの許諾及び指名に基づき,Dを復代理人として選任したときは,Bは,Dの不誠実さを見抜けなかったことに過失があった場合,Aに対し責任を負う。
(4)Aが不動産の売却を妻の父であるBに委任し,売却に関する代理権をBに付与した場合,Bが復代理人Eを適法に選任したときは,EはAに対して,代理人と同一の権利を有し,義務を負うため,Bの代理権は消滅する。
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正解は(1)

【解説】
(1)○正しい。任意代理人は,本人の許諾があるとき又はやむを得ない事由があるときでなければ,復代理人を選任できません。Bは,やむを得ない事情があるのでAの許諾を得なくとも,復代理人を選任できます。
(2)×誤り。Bは過失がある以上,Aに対し責任を負う任意代理人は,復代理人を選任したときは,その選任及び監督について,本人に対してその責任を負ういます。このことは,本人の許諾を得て復代理人を選任したときでも同様です。
(3)×誤り。Aの指名に基づいて選任した以上,Bは責任を負いません。任意代理人は,本人の指名に従って復代理人を選任したときは,復代理人が不適任又は不誠実であることを知りながら,その旨を本人に通知し又は復代理人を解任することを怠ったときを除き,選任及び監督について責任を負いません。Bは,Dの不誠実さを見抜けなかったことに過失があるにすぎないため,Aに対し責任を負いません。
(4)×誤り。復代理人を選任しても,Bの代理権は消滅しません。復代理人Eは,本人Aに対し,代理人と同一の権利を有し,義務を負います。しかし,復代理人を選任したからといって,Bの代理権が消滅するわけではありません。
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