構造体強度補正値【mSn値】について

建築士

JASS5によると、構造体補正値Sは、以下のように記述されています。

Fm=Fq+mSn(N/mm2)

Fm:コンクリートの調合管理強度(N/mm2)
Fq:コンクリートの品質基準強度(N/mm2)
mSn:標準養生した供試体の材齢m日における圧縮強度と構造体コンクリートのn日における圧縮強度の差による構造体強度補正値(N/mm2)

調合強度は、以下の式を満足するように定めます。

F≧Fm+1.73σ(N/mm2)
(F≧0.85Fm+3σ(N/mm2))

F:コンクリートの調合強度(N/mm2)
Fm:コンクリートの調合管理強度(N/mm2)
σ:使用するコンクリートの圧縮強度の標準偏差(N/mm2)

セメントの種類 コンクリートの打込みから28日までの期間の予想平均気温θの範囲(℃)
構造体強度補正値28S91(N/mm2) 6 3
早強ポルトランドセメント 0≦θ<5 5≦θ
普通ポルトランドセメント 0≦θ<8 8≦θ
中庸熱ポルトランドセメント 0≦θ<11 11≦θ
低熱ポルトランドセメント 0≦θ<14 14≦θ
フライアッシュセメントB種 0≦θ<9 9≦θ
高炉セメントB種 0≦θ<13 13≦θ

91日で調合管理強度Fqを満足するコンクリートと、現場で発注する調合強度Fとの関係を表したグラフを示します。

コンクリートの養生条件が良い場合であれば、青の破線の強度曲線を描くコンクリートであれば、材齢28日で不良率5%でFqを満足するコンクリートとなります。

しかし、現場でコンクリート打設を行う場合、養生条件が悪くなります。そのため、材齢28日の強度が、青の破線よりも少し強くなるS値とし、その強度を不良率4%で満足するコンクリートが現場で発注するコンクリート強度となります(オレンジ色の2点鎖線)。

特に、季節変動による温度の違いが養生条件に大きく影響するため、季節によってS値が3または6に設定されています。

以上、S値についてのイメージを図化しました。

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