【杭基礎-基礎の根入れ効果】計算式

建築士

根入れ効果とは

杭基礎構造物の水平力算定時には、地下室などの地盤に埋まっている部分が受ける土圧を考慮します。

このことを、基礎の根入れ効果と言います。

根入れ部に働く土圧

建物に地震の力が加わると慣性力により水平方向の力が生じます。水平方向の力によって建物が力の加わる向きに動くとき、動きを止める方向に地盤からの反力がはたらきます。

建物が動こうとする側の反力を受動土圧、その反対側を主動土圧と言います。

通常、主動土圧は受動土圧に比べて小さいため、根入れ効果を見るときには、計算が簡単になるように受動土圧のみを考慮します。

土圧合力計算に必要な参考値

土の物性は非常にばらつきが大きいため、実際の土の定数を用いることが望ましいですが、一般的な値を表に示します。

表:裏込め土の諸定数の参考値
裏込め土の種類 内部摩擦
φ(°)
粘着力
c(kN/m2)
単位体積重量
γ(kN/m3)
きれいな砂または砂利 35 18
シルトまたは粘土を含む透水性の低い砂質土 30 18
粘土を多量に含む砂質土 24 17.5
硬質粘土 0 12 17

土圧合力PEtの式

建築基礎構造設計指針(日本建築学会)を参考として、土圧動力を算定する式をご紹介します。

$$y{<}\Delta_{P}{の場合:}P_{Et}=\frac{(P_{P}-P_{0})(\Delta_{P}-y_{sp}){y}}{s\Delta_{P}y_{sp}+(\Delta_{p}-3y_{sp}){|y|}}{              }$$

$$y{≧}\Delta_{P}{の場合:}P_{Et}=P_{P}-P_{0}$$

y(m):地盤変位-基礎部変位
P(m):受動土圧に至る相対変位(=根入れ深さの5%)
ysp(m):0.1⊿p

静止土圧合力P0と受動土圧合力PP

$${P}_0=\frac{1}{2}{\gamma}{B}{z}^{2}{K}_0$$
$${P}_{P}=2{c}{z}{B}\sqrt{{K}_{P}}+\frac{1}{2}{\gamma}{B}{z}^2{K}_{P}$$

P0(kN):静止土圧合力
PP(kN):受動土圧合力
γ(kN/m3:背面土の単位体積重量(表参照)
B(m):基礎幅
K0:静止土圧係数(=0.5)
c(kN/m2):粘着力(表参照)
z(m):根入れ深さ
KP:受動土圧係数

受動土圧係数Kp

受動土圧係数Kpは、ランキン土圧理論に基づきます。

$$K_{P}=\tan^2{\frac{\pi}{4}+\frac{\phi}{2}}$$

以上、基礎の根入れ効果について、学習記録といたします。

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