【R4技術士二次試験復元(成績C)】必須科目Ⅰ(建設/鋼コン)-技術士学習記録

建設部門【必須科目Ⅰ】成績C

この記事では、技術士2次試験(建設分野/鋼構造コンクリート)で不合格だった際の解答とその点数をご紹介します。

技術士2次試験に挑戦中の方、これから挑戦される方の参考になれば幸いです。

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選択科目Ⅰ:(40点満点)

11.00(C)

問題と解答

問題Ⅰー1

【問題】
我が国では,技術革新や「新たな日常」の実現など社会情勢の激しい変化に対応し,業務そのものや組織,プロセス,組織文化・風土を変革し,競争上の優位性を確立するデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進を図ることが焦眉の急を要する問題となっており,これはインフラ分野においても当てはまるものである。
加えて,インフラ分野ではデジタル社会到来以前に形成された既存の制度・運用が存在する中で,デジタル社会の新たなニーズに的確に対応した施策を一層進めていくことが求められている。
このような状況下,インフラへの国民理解を促進しつつ安全・安心で豊かな生活を実現するため,以下の問いに答えよ。
(1)社会資本の効率的な整備,維持管理及び利活用に向けてデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進するに当たり,技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し,それぞれの観点を明記したうえで,課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち,最も重要と考える課題を1つ挙げ,その課題に対する複数の対応策を示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行して生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への解決策を示せ。
(4)前問(1)~(3)を業務として遂行するに当たり,技術者としての倫理,社会の持続性の観点から必要となる要点・留意点を述べよ。

【解答】
(1)DX推進のための課題と内容
①建設ロボットの自立・自動化
重量物の運搬・揚重や、橋梁の点検(高所・目視)ではロボットやUAVなどが活用されつつあるが、運用ではオペレータを必要とする。
省力化という観点から、GNSSや加速度センサー・ジャイロセンサーによる自己位置推定技術を向上させることで、ロボットの自立・自動化をすることが課題である。
②BIM/CIM活用による生産プロセスのPDCA高速化
設計・施工BIM/CIMは、発注者への設計イメージ伝達のためのツールや施工時の重機や仮設との干渉チェックなどに活用されているが、特定の用途で使われる。
プロセスPDCA高速化という観点から、計画・設計・施工・運用・維持管理すべてのプロセスをBIM/CIMデータで一貫管理し、AI技術等でデータ分析することで生産プロセス全体のPDCA高速化をすることが課題である。
③市販・汎用センサー活用によるコスト削減
施工における、柱の位置精度管理等では、数mm程度の高精度の信頼性が求められるが、掘削土量の数量把握等では、数cm~数十cmの要求精度である。
コスト削減という観点から、スマートフォンや自動車に搭載されている量産型のカメラやセンサー類を活用し、測量・点検時の要求精度に合わせることで、機械等のコストを削減することが課題である。
(2)最重要課題と解決策
最も重要と考える課題は「ロボット自動化」である。
①衝突回避機能による災害・事故防止
建設ロボットは、重量物の運搬や揚重作業が多く、作業環境に適合させるため耐水性・防じん性・耐衝撃性を持たせるために、ロボット自体が高重量・高出力となる。そのため、作業員や建設資材と接触すると大きな災害・事故となる可能性が高くなる。
災害・事故防止のため、ロボットの全方位にカメラを搭載し、カメラ画像AI処理で、人や移動物体が半径3m以内に接近した場合、動作停止し、アラーム音等で退避を促す。さらに1.5m以内に接近した場合、動作停止に加え、管理者に通知し施工動線計画を修正する。
②GNSS・ビジュアルスラムによる位置測位高精度化
施工や点検におけるデータを活用するためには、データを取得した位置を高精度で管理することで、効率的な判断や診断が可能となる。
屋外環境では、GNSSをロボット搭載することで、自己位置測定精度を向上させる。GNSSが届かない屋内環境では、ビジュアルスラムによる相対位置精度の向上と、UWB電波を活用した高精度位置測位技術を組み合わせることで、位置測位を高精度化する。
③AI振動モニタリングによるロボット異常予測・検知
施工時や点検時にロボットが故障すると、全体の工程遅延や、点検スケジュールが崩れるおそれがある。
建設ロボットに、高精度の振動センサーを設置し、振動を常時計測する。振動データをAIによりリアルタイムで解析し、正常時の振動と異常時の振動を見分ける。故障や以上の前兆を振動モニタリングAIで予測することで修理・交換対応により、工程遅延等を避ける。
(3)波及効果と懸念事項への対応策
①波及効果
自動ロボットの使用を前提とした、新たな省力化工構法の開発が期待される。また、点検箇所の増大による劣化診断・予測の高精度化が期待できる。
②懸念事項
ロボットが取得したデータの信頼性により、品質
安全性が左右される。
③対応策
異常値の判断や、ロボットの特性、使用環境によるデータの傾向を理解したうえで運用をする。
(4)業務遂行する上での要点・留意点
①技術者としての倫理
自動取得されたデータだけでなく、施工場所・構造・運用条件をもとに追加でデータを取得し安全性を確保する。これは講習の利益の優先に相当する。
②社会持続性
ロボットの修理・点検・開発等、力のない女性でも活躍できる場をつくる。働きがいも生産性向上も達成する。                   以上
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