試算表作成の出題パターン
日商簿記3級で出題される「試算表の作成」には
①取引が項目別のパターン
②取引が日付ごとのパターン
があります。
取引が項目別に与えられている場合の例題
資料として、次の取引内容が示されている場合を考えます。
8月の取引 | |||
(1)月初めの残高 | (4)仕入帳 | ||
9月1日の残高 | 200円 | 掛けによる仕入高 | 350円 |
(2)現金出納帳 | (5)売上帳 | ||
① 当座預金からの引出高 | 200円 | ① 掛けによる売上高 | 460円 |
② 交通費の支払高 | 10円 | ② ①のうち返品高 | 30円 |
(3)当座預金出納帳 | (6)その他の取引 | ||
① 現金の引出高 | 200円 | 売掛金回収のための約束手形の | |
② 売掛金の回収高 | 400円 | 受取高 | 50円 |
③ 買掛金の支払高 | 300円 |
勘定口座ごとに記録
取引内容を、主な勘定科目(現金、当座預金、売上、仕入、売掛金、買掛金)の借方合計、貸方合計ごとにまとめます。
現 金 | |
借方 | 貸方 |
(2)① 200 | (2)② 10 |
合計 200 | 合計 10 |
当座預金 | |
借方 | 貸方 |
(3)② 400 | (2)① 200 |
(3)③ 300 | |
合計 400 | 合計 500 |
売 上 | |
借方 | 貸方 |
(5)② 30 | (5)① 460 |
合計 30 | 合計 460 |
仕 入 | |
借方 | 貸方 |
(4) 450 | |
合計 450 |
売 掛 金 | |
借方 | 貸方 |
(5)① 460 | (3)② 400 |
(5)② 30 | |
(6) 50 | |
合計 460 | 合計 580 |
買 掛 金 | |
借方 | 貸方 |
(3)③ 300 | (4) 350 |
合計 300 | 合計 350 |
主な勘定口座以外
取引には、主な勘定口座以外で、受取手形、交通費がありましたので、借方合計と貸方合計の表を作成します。
受取手形 | |
借方 | 貸方 |
(6) 150 | |
合計 150 |
交通費 | |
借方 | 貸方 |
(2)② 10 | |
合計 10 |
残高試算表への記入
月の勘定口座ごとの借方合計、貸方合計は、「月中取引」に記載します。左が借方、右が貸方です。
取引の合計は、1,900円で、同じとなります。同じでない場合は、計算ミスをしていますので、確認が必要です。
残高試算表 | ||||||
9月末残高 | 月中取引 | 月初残高 | 勘定科目 | 月初残高 | 月中取引 | 9月末残高 |
200 | 現金 | 10 | ||||
400 | 当座預金 | 500 | ||||
50 | 受取手形 | |||||
460 | 売掛金 | 580 | ||||
300 | 買掛金 | 350 | ||||
資本金 | ||||||
繰越利益余剰金 | ||||||
30 | 売上 | 460 | ||||
450 | 仕入 | |||||
10 | 交通費 | |||||
1,900 | 1,900 |
残高試算表の完成
問題では、月初の残高は、あらかじめ与えられているものとします。〇月末残高は、各勘定科目で、借方と貸方の差額を記載します。
下の、現金の欄は、借方(左側)200+200に対して、貸方(右側)10なので400-10=390が借方(左側)の〇月末残高に記載されます。
残高試算表 | ||||||
9月末残高 | 月中取引 | 月初残高 | 勘定科目 | 月初残高 | 月中取引 | 9月末残高 |
390 | 200 | 200 | 現金 | 10 | ||
400 | 400 | 500 | 当座預金 | 500 | ||
150 | 50 | 100 | 受取手形 | |||
330 | 460 | 450 | 売掛金 | 580 | ||
300 | 買掛金 | 400 | 350 | 450 | ||
資本金 | 400 | 400 | ||||
繰越利益余剰金 | 100 | 100 | ||||
30 | 売上 | 900 | 460 | 1,330 | ||
950 | 450 | 500 | 仕入 | |||
60 | 10 | 50 | 交通費 | |||
2,280 | 1,900 | 1,800 | 1,800 | 1,900 | 2,280 |
以上、項目別に取引が記載されている場合の、試算表の書き方でした。勘定口座ごとの借方合計と貸方合計の表を作成すれば、記入欄に従って表を完成させるだけですね。