費用・収益の前払い・前受けや未払い・未収
決算において、費用や収益の前払い・前受けや未払い・未収の処理を行います。
費用の前払い(まえばらい)とは?
従業員への給料や、事務所の家賃、営業車の購入費など、会社の運営に必要なお金のことを費用と言います。
費用の前払いとは、文字通り、費用を前払いすることです。
事務所や担保の家賃は、通常は1か月ごとに支払いますが、一年分を前払いとして支払う場合があります。
未払い費用(みばらいひよう)とは?
未払い費用とは、会社の運営上、継続して※支払うことが必要な費用のうち、未払いのものを言います。
※継続しないものは、未払金として区別されます。
支払を継続して行う、ローンや利息の支払いは”費用”となります。
例えば、継続して支払う建物のローンなど、借入金の利息を、決算日の前に払う分の利息と、決算日の後に払う分の利息として会計処理する場合、勘定科目は、決算日の前に払う分を支払利息、決算日の後に払う分を未払利息として記載します。
精算表における、費用の前払い・未払い処理の例
決算において、支払家賃は250円で、支払利息は20円とします。
この場合の、支払家賃の250円うち、100円を前払い処理し、支払利息の未払分5円を未払い計上する場合を考えます。
支払家賃の前払い処理
支払家賃の前払いは、勘定科目支払家賃と前払家賃を精算表の”修正記入”欄で調整します。
まず、費用である支払家賃を減少させます。つまり、貸方(右側)に記載します。
次に、資産である前払家賃を増加させます。つまり、借方(左側)に記載します。
支払利息の未払い処理
支払利息の未払いは、勘定科目支払利息と未払利息を精算表の”修正記入”欄で調整します。
まず、費用である支払利息を増加させます。つまり、借方(左側)に記載します。
次に、負債である未払利息を増加させます。つまり、貸方(右側)に記載します。
上記をまとめると、次のようになります。
試算表 | 修正記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | |||||
借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | |
支払家賃 | 250 | 100 | 150 | |||||
支払利息 | 20 | 5 | 15 | |||||
前払家賃 | 100 | 100 | ||||||
未払利息 | 5 | 5 |
精算表における、収益の前受け・未収処理の例
決算において、受取地代は350円で、受取利息は30円とします。
この場合の、受取地代の350円うち、200円を前受け処理し、受取利息の未収分10円を未収計上する場合を考えます。
受取地代の前受け処理
受取地代の前受けは、勘定科目受取地代と前受地代を精算表の”修正記入”欄で調整します。
まず、収益である受取地代を減少させます。つまり、借方(左側)に記載します。
次に、負債である前受地代を増加させます。つまり、貸方(右側)に記載します。
受取利息の未収処理
受取利息の未収は、勘定科目受取利息と未収利息を精算表の”修正記入”欄で調整します。
まず、収益である受取利息を増加させます。つまり、貸方(右側)に記載します。
次に、資産である未収利息を増加させます。つまり、借方(左側)に記載します。
上記をまとめると、次のようになります。
試算表 | 修正記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | |||||
借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | 借方 | 貸方 | |
受取地代 | 350 | 200 | 150 | |||||
受取利息 | 30 | 10 | 20 | |||||
前受地代 | 200 | 200 | ||||||
未収利息 | 5 | 5 |
以上、費用や収益の前払い・前受けや未払い・未収の処理について学習しました。精算表の記入は簿記3級の試験に出題されるため、覚えるべき項目ですね!