【求められる資質(コンピテンシー)について】
文部科学省HPによると、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)は、次のようにまとめられています。
調べた結果、下線および太字の部分が、技術士試験の講座や対策本などで強調されていることが多いように感じます。
技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)
技術の高度化、統合化等に伴い、技術者に求められる資質能力はますます高度化、多様化している。
これらの者が業務を履行するために、技術ごとの専門的な業務の性格・内容、業務上の立場は様々であるものの、(遅くとも)35歳程度の技術者が、技術士資格の取得を通じて、実務経験に基づく専門的学識及び高等の専門的応用能力を有し、かつ、豊かな創造性を持って複合的な問題を明確にして解決できる技術者(技術士)として活躍することが期待される。
このたび、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)について、国際エンジニアリング連合(IEA)の「専門職としての知識・能力」(プロフェッショナル・コンピテンシー、PC)を踏まえながら、以下の通り、キーワードを挙げて示す。これらは、別の表現で言えば、技術士であれば最低限備えるべき資質能力である。
技術士はこれらの資質能力をもとに、今後、業務履行上必要な知見を深め、技術を修得し資質向上を図るように、十分な継続研さん(CPD)を行うことが求められる。出典:文部科学省HP(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu7/attach/1413398.htm)
キーワード一覧
キーワード | 意味、内容 |
専門的学識 | ・技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に 必要な、技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する 専門知識を理解し応用すること。 ・技術士の業務に必要な、我が国固有の法令等の 制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し 応用すること。 |
問題解決 | ・業務遂行上直面する複合的な問題に対して、 これらの内容を明確にし、調査し、これらの背景に 潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し 分析すること。 ・複合的な問題に関して、相反する要求事項 (必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)、 それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮した上で、 複数の選択肢を提起し、これらを踏まえた解決策を 合理的に提案し、又は改善すること。 |
マネジメント | ・業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の 過程において、品質、コスト、納期及び生産性と リスク対応に関する要求事項、 又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、 サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、 技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを 目的として、人員・設備・金銭・情報等の 資源を配分すること。 |
コミュニケーション | ・業務履行上、口頭や文書等の方法を通じて、 雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等 多様な関係者との間で、明確かつ効果的な 意思疎通を行うこと。 ・海外における業務に携わる際は、一定の語学力による 業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的 多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。 |
リーダーシップ | ・業務遂行にあたり、明確なデザインと 現場感覚を持ち、多様な関係者の利害等を 調整し取りまとめることに努めること。 ・海外における業務に携わる際は、多様な価値観や 能力を有する現地関係者とともに、プロジェクト等の 事業や業務の遂行に努めること。 |
技術者倫理 | ・業務遂行にあたり、公衆の安全、健康及び福利を 最優先に考慮した上で、社会、文化及び環境に対する 影響を予見し、地球環境の保全等、次世代に渡る社会の持続性の 確保に努め、技術士としての使命、 社会的地位及び職責を自覚し、倫理的に行動すること。 ・業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。 ・業務履行上行う決定に際して、自らの業務及び責任の範囲を明確にし、 これらの責任を負うこと。 |
各問題で測られる資質
試験科目別確認項目(平成30年)
出典:文部科学省HP(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu7/002/siryo/__icsFiles/afieldfile/2019/02/18/1411044_013_1.pdf)
各試験項目で、どのようなことが問われているかが一覧表として発表されています。
まず筆者が注目したのは、「コミュニケーション」は全ての試験項目に当てはまる。ということです。つまり、読みにくい文章は即不合格であることを示しています。
キーワード | 筆記試験 | 口頭試験 | |||
必須科目Ⅰ | 選択科目Ⅱ-1 | 選択科目Ⅱ-2 | 必須科目Ⅰ | ||
専門的学識 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | - |
問題解決 | 〇 | - | - | 〇 | - |
評価 | 〇 | - | - | 〇 | 〇 |
技術者倫理 | 〇 | - | - | - | 〇 |
コミュニケーション | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
リーダーシップ | - | - | 〇 | - | 〇 |
継続研さん | - | - | - | - | 〇 |
リスクというキーワードについて
ここで、筆者が注意すべきと思った点は、リスクについての意味を理解することです。
過去問では「解決策とそのリスクを示せ。」という問題が出題されています。
リスク:回避可能な危険性のこと
デメリット:回避出来ない欠点、欠如のこと
以上、筆者が技術士2次試験について調べたことをまとめました。今後も、自らの試験に対する理解を深めることを目的に、情報を収集いきます。